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村上春樹『1973年のピンボール』

『1973年のピンボール』村上春樹(講談社文庫)、再読了。

前作『風の歌を聴け』のような勢いもなく、次作『羊をめぐる冒険』のような圧倒感もない、三部作のちょうど間で。読み直しながら「うーん、なんかウダウダした感じだったよねえ、確か」と思いながら読んだので長くかかったけど、後半から一気に良くなって、読み終わると何だか清々しい気持ちになった。

僕もジェイズ・バーに行きたい。一人カウンターでビールを飲み、落花生の殻を剥きながら、これまで愛した相手を思い出したり、宇宙で回る星のことを考えたりしたい。北極で風を仰ぐ白熊のことや、タヒチ島に沈む夕陽のことも。

続いて大好きな『羊をめぐる冒険(上)(下)』。その次の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』は、「大好き」ではなく「愛している」。

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