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アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』(ハヤカワ文庫SF)

 アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』(ハヤカワ文庫SF)読了。久し振りにSFが読みたいと思って読み始めたが、ただのSFではなかった。間違いなく傑作。

 SFと言っても、ダン・シモンズ『ハイペリオン』『ハイペリオンの没落』『エンディミオン』『エンディミオンの覚醒』(この四部作も大好き)のような、王道SFとは一線を画する。どちらかと言えば、人間の有り様であったり、進化そのものへの疑問を呈示する、社会論を読んだような気持ちになる。

 何らかの外的要因で、全人類から貧困も差別も闘争も無くなった時、人はどうなるのか。それらを奪い去った上帝(オーバーロード)の意図とは何か。非常に面白い着眼点だし、気付けば一気に読み終わっていた。

 アーサー・C・クラークというと『2001年宇宙の旅』が有名ではあるけど、僕にはこの『幼年期の終り』の方が面白かった。あっ、『2001年宇宙の旅』をディスってるわけじゃなくて。大好きなんですよ? 映画を初めて観た時の衝撃もすごかったし(今だに、あれをどうやって撮影したんだろう、って不思議で仕方がないです。スタンリー・キューブリックさんは偉大ですね)。でもマジでこれ面白かった。

 あと、個人的に、ハヤカワ文庫SFの表紙のセンスが抜群に大好き。なんでこんなにカッコいいかなあ。色々読んでみたくなる。

 さてさて、次は何を読みましょうかね。

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