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規則や法律はしっかり意図をもってデザインされたものだなあと思った話

株式会社Da Vinci Studio デザイン部 フロントエンドテクノロジストのshibaです。

僕は日常的にデザインとエンジニアリングの両方を業務で行っており、だいたい1:1くらいの割合で活動しています。
いいなと思うWebサービスを見るとそのデザインと使用技術に興味を持って観察したりWappalyzerを確認したりしながら「これはなぜこうデザインしたんだろう?」「ここでの技術選定はどうしてこれなんだろう?」と無意識のうちに確認と考察をしていたりします。

そんな僕は最近「法律」に興味を持ちました。
「質問来てた!」の弁護士の方の動画は「へ〜」と思いながら流し見する程度でしたが、すんごい勢いで色々話してくれる弁護士の方のロング動画を見て、その法律がなんのために作られていて、その判決がどういった理論でなされているかというところに着目するようになりました。

例えば、就業規則もその文脈で読み直してみるととても面白いです。
弊社の就業規則はおおまかに「会社を守るための規則」と「労働者を守るための規則」に分けられるように読み取れました。
詳しくは話せませんが、「これは会社のアウトプットの活動を担保するための規約なんだな」「これは労働者の辛い体験を発生させないための規約なんだな」と読み取ることができます。

普段デザインやプロダクトを見ながら「これはどういった意図でこうなっているんだろう?」と考えながらものごとを見る職業病にかかったデザイナーからすると、その対象が規約や法律に変わるだけでも十分楽しめると思います

例として身近なものを軽く紹介します。

ぼくのような労働者にとって身近なものといえば当然労働法です。
例えば休憩の定義を見てみましょう。

労働基準法 第三四条 (休憩) 抜粋要約

① 使用者(雇い主)は、労働時間が六時間を超える場合においては少なくとも四十五分、八時間を超える場合においては少なくとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
②(略)休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、(略)労働者の過端数を代表するものとの書面による協定があるときは、この限りではない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

有斐閣 ポケット六法 令和5年版 p.1803 

ここから、「休憩は誰のなんのために作られているんだろう?」と考えて見るわけです。

わかりやすいのは ③ で、「労働者に自由を与えろ」という内容から労働者を守ろうとする意思が読み取れます。
法律は上記のとおりですが、過去の判例から休憩時間とは「労働からの開放が保証されている時間」とされています。
つまり、休憩中だけど電話が来たら対応しなければならない という状況は法的には休憩時間に含まれない というわけです。
自発的なものではなく会社からの指揮命令下で電話対応する必要があったなら裁判起こせば残業代請求できます。

① の内容で目が引くのは「休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」の部分ですね。
単に休憩時間という自由な時間を計上するだけではなく、労働時間の途中に挟むべきと明記することで労働者を守ろうとする意思が読み取れます。
何時間も連続で働くのは大変だからちゃんと休ませなさい、と法律が明記しているのは面白いです。

② は少し特殊で、前提とともに例外も書いています。前提は労働者を守るものですが、例外は会社と労働者の合意があればその例外を認めるという交渉の余地をもたせた条文と読み取れました。
会社にとっても労働者にとっても休憩を一斉に取られたくない/取りたくないという状況はあり得ると思うので、これはどちらかをまもるというよりは両方にとって都合に良い形で調整できる余地を定義していますね。

という感じで、軽く見てみても意外と「これは誰のためのものなんだろう?」「これはなぜこう決まっているんだろう?」という観点から法律や規則を見ると面白いよ、という話でした。

では、休憩行ってきます✌


読んでくださりありがとうございました。
Da Vinci Studio ではなにやら積極採用中のようなので、興味がある方はぜひ見てみてください。

またデザイン部のNoteマガジンもよろしくおねがいします!

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