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暮らしやすさと建物の性能

暮らしやすさ」を考えるとき、建物の性能も大事だと木賃アパートに住みながら痛感しました。

特に子供がいると。

だた、「性能を良くする」と「建築費が上がる」は割と比例してくるので、窓の位置や間取りで自然環境を取り入れる工夫をし、費用を抑えています。

小さく暮らす」とは、と常に自問自答して私たちに妥当な計画に落としていきました。

◯ 断熱材

木賃アパートの2階にかれこれ3年住んでいましたが、冬の寒さに耐えるのが一番辛かったです。

窓からの冷気で部屋は暖まらないし、隙間風でカーテンは揺れているし、夜中エアコンをつけていないと顔がキンキンに冷えているしで、「暖かい」ということは優先事項でした。

なので、断熱性能もしっかりして、機密測定で数値として確認する、という事は工務店を探すうえでも重要でした。

榊住建のデフォルトは、基礎断熱、屋根t210、壁t105、かつ床下エアコン。

予算的に基礎断熱は手が届かず、床断熱(フクフォーム t80)にし、壁と屋根はしっかり断熱材(アクリアネクスト t105 / t210)を入れてもらいました。

エアコンは壁式に。

機密測定は工事の途中、竣工時の2回してもらい、建物の機密を値で見ることができました。

竣工時の気密測定の様子


◯ 樹脂サッシかアルミ樹脂複合サッシか


高気密高断熱を目指すのであれば樹脂サッシ一択ですが、枠の太さが気になりました。

樹脂サッシのがっしり感は、せっかく大きくとった窓の印象がだいぶ変わるな、と。

YKKのショールームで現物を確認して、外観、内観の見え方やメンテナンスなどのイメージを膨らませます。

毎日目にするものなので、体感的暖かさも大事ですが、視覚的な気持ちの良さも重要です。
食卓に大きな窓を計画したので、見え方を3Dパースで検討を重ねます。

結果、アルミ樹脂複合サッシにすることにしました。
もちろん、ペアガラスのアルゴンガス入り、スペーサーは樹脂で。

アルミ樹脂複合サッシになったけれど、外皮平均熱貫流率の計算式にはめてみるとUa値は0.53で断熱等級5、と、まずまずな値になりました。
※6地域での計算

実際住んで見ると、大きな窓からの庭の見え方や抜け感がスッキリとして、暖かさも充分なので満足しています。

ただ、やはり結露は樹脂サッシよりもしやすいな、と実感しています。


◯ 窓の大きさや軒で太陽光を調整する


わが家の計画では、1階の食卓に人が一番あつまることをイメージして、南側の特等席に配置しています。

L字に大きな窓を設けて、明るくなるよう設計しました。

冬は太陽光をめいっぱいとり入れ暖かくなるように、夏は日差しを遮るために軒を設けています。

実際に、冬でも日中はエアコンをつけなくても太陽光で十分に家が暖まることを実感。
屋根と壁の断熱材をしっかり入れたので、日が暮れるまで暖かさが蓄熱されています。
※最低気温-1℃、最高気温6℃のとき(2023.1月)

夏場はまだ経験していませんが、軒で直射日光を遮る計算になっています。
体感がどうなるのか楽しみです。


◯ エアコンの計画

床下エアコンをやってみたい気持ちもありましたが、金額的に手が届かず、壁式のエアコンに。

ただ、断熱材をしっかりすることで建物全体がひとつの保温ポットのようになるので、間仕切りを少なくして、できるだけひとつの部屋になるよう計画しました。

1階に暖房用(冬用)のエアコン1つ、2階に冷房用(夏用)のエアコンを1つ設置。
吹き抜けを通して、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へと流れるよう断面計画をしました。

よく「吹抜けは寒い」と言われますが、断熱性と気密性が担保されればむしろ空気の流れの手助けをしてくれます。

夏はサーキュレーターにも手助けをしてもらう予定です。

空気を循環させるのに効果的な吹き抜け

コンパクトに計画することで、性能も必要十分になったと思います。
昨今の電気、ガス代の値上がりも少しの影響で済んだのも、「小さく暮らす」が活かされています。

エアコン畳数は下記サイトを参考に計算しました↓

エアコン選定支援ツールASST
https://criepi.denken.or.jp/asst/

せやま基準
https://good-things-committee.com/guide/3915#i-6

小さく暮らす」についてまとめた記事はこちら↓

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