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すべてをあなたに

20240524
 先輩の家の映画棚の一番端っこに置いてあったきっかけで、タイトルからしてこれは間違いないと思ってみたけど想像以上だった。

  なんつうか、すごく生々しかった。監督はバンドでもやってたんか?シロくんが、前に学生のうちに見た方がいい映画(創作物)があるはず、、と言っていたけども間違いなくそのうちの一つに入る。想像力のその先を見据えたような映画だったな

 冒頭、洋画あるあるのキャスティング紹介 この時点でなんか入りやすかったんだよねー。キューブリックの作品とかは結構冒頭しんどいけど、シャッター切っちゃった。心を掴まれたきっかけはバンドセットでの音楽。俳優さんが実際のミュージシャンなのか知らないけどschool of rock とかシングストリートみたいなものよりも埃っぽくて、生々しいんだよね。サウンドに高揚しっちゃって、陳腐な奴らばっかが乱用するからあんまり使いたくない言葉だけど「ワクワク」って感じだった。自主制作でレコードをする場面とか、使用機材で時代感を理解した。。
 (ぶっちゃけz世代の自分的には90年代も60年代も昔に変わりないわけで、こうやって時代考証を深めていってる。)

 バンドが少しずつ大きくなってきて、メンバー間の目を逸らしたくなるような価値観のずれがちょっとずつ苦しくなっていった。当たり前だけどバンドって、なんとなくのノリで組んで始めたものだから、メンバーの数通りの価値観と大切にしたいものがあるんだよね。

 所謂人気(自分の生活)を取るか、自分の精神性をとるか、はてまたなんも考えてないやつとか。自分の中で人気と精神性の調整を折り合いつけられる人が成功すると思う。残酷だけどその能力も才能のうちの一つで、MONKEY GROWが少しだけ大きくなった時の気持ちを思い出した。うまくいっている側面にフォーカスしたい気持ちと、見てみぬふりをしているメンバー間の心の摩擦みたいなものの解像度がすごく高くて。現実でもみてみぬふりをしていたのに作中で自分が同じことをしているのに気がついた。
そんな中作中で現れたjam ピアニストのバンドってのは長続きしないって言葉が傷口に沁みた。


 これから始めるバンドも、バンドファーストの心でいた方がいいけど、したたかに自分自身を高めておかなきゃって思った。

 音楽においてもそうだけど、自分が今考えているロックンロールの本質のように、音楽を愛し続けてそれを行動に発現し続けるアクションだと思う。主人公のガイはロスに到着して浮かれてはいつつも、自分の音楽的嗅覚に従った。その結果自分の生きる道を最終的に見出したわけだし。今自分のインスピレーションが騒いでいるものに従順になることが正解だと再認識した。男とか、俗はその二の次。


 洞察力の鋭いマネージャーの、あいつはピエロ、お前は賢い、あいつは才能って言葉がほんのりきつかった。一般人から成り上がったバンドって↑みたいな相互作用の関係で均衡をとっているしそれがきっかけで破綻もするから。

 バンドでしか生み出せないロマンと高揚、火傷がすごく高い解像度で映されていてその中で自分なりのヒントとか正解を見つけることができるんじゃ無いかという感想でした。

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