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レストラン感想 オステリア クロッキオ



概要

資生館小学校から徒歩5分ほど、ゴ・エ・ミヨ掲載。札幌でも屈指の人気を誇るイタリアンです。

僕は今まで何度か遅めの時間にぶらりと寄って、前菜2品とワインを少し…という使い方はしてましたが、しっかりコース料理頂くのは今回が初めてですね。コース内容は前菜4皿、パスタ、メイン、デザートという構成。なお前菜は何か入れてほしいものがあったら、優先して入れてくれたりもします。まあ流石にどの品もOKというわけではないとは思いますが…。今回は鯖のテリーヌは入れてくれるよう頼みました。最も当店の看板商品なので、自動で付随しそうなものですが念のため。加えて気分的に食べたかったのでピザも追加注文。

予約については必須というわけではありませんが、1,2回転目のお客さんが捌けている時間帯ならともかく、早い時間を狙う際は必ず予約を入れましょう。僕は1か月前に予約を入れましたが、既に団体客の隣しか空いていないという状況でした。

因みに僕は札幌のイタリアンではこちらが一番のお気に入りです。自分がイタリアンに求めている要素である気軽さ、楽しさ、美味しさ、リーズナブルさ、いずれも高いレベルで満たしてくれているんですよね。なおオステリアを名乗っておりますが、それはあくまで価格や雰囲気の話であり、料理自体はリストランテと言って差し支えないでしょう。何だその最高の店名詐欺は。

コース内容

まずは当店の看板メニューである鯖のテリーヌ。青魚特有の臭みは微塵もなく、とろけるような食感であり、厚みのあるカットながらスイスイと食べ進められます。ソースはナスのバーニャカウダとガーリックの2種。バーニャカウダは鯖や付け合わせと共に食べたら美味しいのは当然として、それ単体でもイケる味わい。ガーリックの方はもう少しパンチある方が自分は好きです。付け合わせはレンズ豆に各種野菜、ローストしたナッツであり、とりわけナッツの香ばしさが印象に残ります。

カキのポシェと根セロリのピュレ。低温でゆっくり熱を入れることで、カキの旨味とクリーミーな食感がアップ。根セロリのピュレは優しい甘さでカキに寄り添います。

左は玉ねぎとベーコンのキッシュ、右は生ハムとキンカンのコンポート、クリームチーズのブルスケッタ。キッシュの方は想定通りの美味しさ。ブルスケッタは生ハムの塩気、キンカンの甘さ、そしてクリームチーズに脂質が絶妙にマッチしており、何とも背徳感のある味覚です。罪な組み合わせである。

エビのクレープグラタン、オマール出汁のクリームソース。これは最早香りの段階で旨いですねえ。グラタンとのことでしたが、一般的なものと違ってソースにあまりとろみはなくほぼ液状です。というかこれは組み合わせ的にもほぼビスクでは…といった感じですが、ビスクだとフレンチなのでこの名称なのかな。クレープ生地ももっちりして美味しい。ただ兎にも角にもこの皿はソースですね。この上なく濃厚な甲殻類とクリームの味わい。ぶっちゃけどの皿もこの価格帯のコースで供されるレベルではないだろと突っ込みたくなるクオリティの高さですが、これはもう「本当にいいんですか???何か間違ってない???」といういらぬ心配をしてしまう程でした。

以前別の店で同じ組み合わせのピザが凄く美味しかったので、追加でオーダーしたゴルゴンゾーラと蜂蜜のピザ。ですがこれは期待したほどではなかったですね。もっと甘じょっぱいものを期待してたのですが…。温度についてももっと熱々の方が嬉しかったです。因みに期待したほどではないというだけで、料理としては十分美味しいです。

合鴨とポルチーニ茸のラグー、牛蒡のフリット。気前よく合鴨が入っており、パスタではあるものの肉料理のような迫力があります。食べ応えを求める自分としてはパスタがフィットチーネなのも嬉しい。

メインは牛頬肉の赤ワイン煮込み。もうバリバリ王道のフレンチでワロてしまう。シェフの修行先がラ・サンテなのでそういった色が強いのかもしれません。肉は牛の弾力がしっかり残っており、また脂が適度で美味しい。ソースからはトリュフの香りも。こういった王道な料理がしっかり美味しいとやはり信用できる。付け合わせはカリフラワー、シイタケ、玉ねぎ、ズッキーニだったかな。特にシイタケが豊かな香りとジューシーさでお気に入り。


デザートは柑橘のスープ仕立てで爽やかにフィニッシュ。別注の飲み物はイタリアンなのでエスプレッソにしたのですが、これなら普通のコーヒーの方が良かったかもしれません。

総評

追加注文のピザを除くと以上のコースが税込み6500円。
イタリアンというジャンルは元より費用対効果が優れていることが多いですが、街中のディナーでこれは最早異常です。食事中何度「この価格で本当に合ってる?」と突っ込んだことやら。
今回はピザに加えドリンクも色々追加しましたが、2人で2万円を切りました。ドリンクはいずれも800円前後だったと思います。

また価格を抜きにしてもどの皿も単純に美味しく、ポーションもしっかりしており、盛り付けもオシャレ。皿出しのテンポも良く、非の打ちどころがありません。

加えてお店の雰囲気も良いですね。シェフもスタッフの方々も皆快活で気持ちの良い接客であり、食後はこちらまで元気になります。

やっぱり好きですね、このお店。ご馳走様でした。


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