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レストラン感想 天ぷら あら木


経緯

祖母の誕生日が近づいた某日の会話。因みに丸括弧内はケチな僕の心の声です。
僕「誕生日どこでお祝いする?とりわけお勧めのお店があるジャンルは割烹とフレンチと天ぷら。鮨もそういうお店あるけど、一番自分が好きお店は階段あるから厳しいかもしれない。勿論ばあちゃんが好きなところ指定してくれてもいいよ(なんなら多分指定してくれた方が価格抑えられそうだな…)」
祖母「天ぷらの美味しいの久しく食べてないから天ぷらが良い」
僕「OK、予約しとくわ(Oh,一番お高いところになってしまった…)」
というわけで再訪しました、天ぷら あら木。
ただ元々前回の記事にあるように冬のディナー行こうと思ってたので丁度良かった。

料理内容

寫樂。個人的に一番好きな日本酒。

まずは海老真薯の椀物で胃袋を温めます。かなりしっかりした真薯で、箸で割くのちょっと難しいほど。味わいは海老の風味が強く美味。お出汁も美味しい。

太刀魚をバリっと炙って大根おろし、土佐酢、ワサビを乗っけて頂きます。太刀魚、焼き物としてしか食べたことなかったのですが、これが物凄く旨い。熟成により増した旨味とたっぷりの脂でいつまでも咀嚼していたい味です。それでいて薬味により後味は爽やか。

天ぷらスタートの合図として揚げた銀杏が提供されます。

まずは海老の頭から。香ばしい海老の風味とサクサクの食感。曰く大人のかっぱえびせんだそうです。一般的な言い回しなのかなと後でググってみたら普通にカルビーのWebサイトがヒットしました。

海老は1本目を半生、2本目はしっかり火入れしたものを頂きます。1本目は食感を、2本目は海老自体の甘味と旨味を楽しむといった印象です。2本目の方が味覚がハッキリしており好みです。…なのですが前回行った時の記事見返すとその時は1本目の方が好みと書いてある。自分の味覚、当てにならなさすぎるだろ。

アオリイカ。天ぷらにすることにより風味が増して美味しい。ただそれ以上に衝撃だったのはその食感。およそイカに使う言葉ではないような気がしますがフワッフワです。え、イカって天ぷらにしたらこんな食感になるものだっけ???ちょっと自分の記憶に存在しない食感のイカでした。

作。フルーティながらも後味はスッキリ。

ぐあー、ダメだ。何撮ってるのか分からん。今回は祖母のタブレットで撮影しているのですが、流石にこうやって手に持つ系はうまく撮れない…。自家製のカラスミを天ぷらにして、百合根と一緒に海苔で巻いてます。このカラスミが厚いのなんのって。この厚みは自家製だからこそ出来る芸当でしょう。味わいはもう尋常じゃないくらい旨い。流石に一口で食べるとしょっぱいので、少しずつとのこと。強い人ならこれだけで日本酒一合飲めちゃうんじゃないか。

キスは天つゆに直にザブンと浸してそれをそのまま齧り付く。海老といいキスといい、以前伺った際に食べたネタでもやはりメチャクチャ旨いなとなる。前回感動したのは初見故にそう感じたというわけではないと確信。

キノコとホッキガイの小鉢で一旦口内をリセット。どちらもある程度クセある食材にも関わらず、雑味もエグ味も臭みもなし。

前回とりわけ強く印象に残った蓮根ですが、やはり美味しい。ホクホクでネットリ。

海苔の天ぷらに山盛りのバフンウニ。ウニの濃厚な甘さが最初に来た後、海苔由来の磯の風味が追いかけてきます。海苔は特に説明がなかったので、先に出たカラスミと百合根を巻くのに使用したものと同じだと思うのですが、あちらより断然香りが強い。なんだったらウニより印象に残ったかもしれません。同じ食材をでもそのままと天ぷらの両方が出てくると比較がしやすいため、天ぷらという調理の凄さがより分かりやすくなって楽しいですね。

椎茸。ゴロンとしたサイズ感とグニグニとした食感が合わさってまるで貝類のよう。

このしろ(穴子の稚魚)で再び口内をリセット。独特で初めての食感でした。

二世古。地酒だとこれが一番好き。

鰆はまずグラデーションが美しい。当然見た目だけでなく、食感・味わいにも変化が生まれます。火の通った部分はしっとりホクホク、半生部分はむっちり濃厚。やはり鰆は冬が一番旨いですな。いかん、精神年齢が小学生なので、直近で覚えたことをすぐ知った顔で語りたくなってしまう。

タチ。大好きな食材ですありがとうございます。外はサクッと、中はトロットロで濃厚。なんで切った状態でしっかり形を保ってられるのか分からないほど柔らか。なんでもこのような形に仕上げるまでかなり苦労されたそうで色々とポイントを語ってくださいました。…なのですが、僕は大好きなタチに完全に意識が行っており、あまり覚えておりません。ク、クソ客…。いや、普段だったらこの手の話も大好きなんですけど、あまりに美味しくてさ…。

ホタテ。こちらもやはり半生での提供。前回も食べましたが、やっぱ旨いものって何度食っても旨いんだよな。

穴子。あれ、これはなんか前回の方が印象に残ってる、なんでだろ…?と思ってたのですが、恐らくお料理 ふじ田で食べた穴子の飯蒸しで僕の中の穴子が更新されたせいでしょう。あくまで前回食べた時のような衝撃を受けなかったというだけで、めちゃくちゃ美味しいのに変わりはないですので、誤解なきよう。

締めは天丼、天バラ、天茶から選べます。祖母は天バラ、僕は天丼を選択。僕は天茶は味がボヤけるイメージがあるので天丼にしたのですが、よくよく考えたらランチで天丼食べたし天バラにすれば良かったな。被るのを避けたのですが、こういったお店でシェアするわけでもないですし。完全に選択をミスった。天バラ、薬味も相まって新たな味覚を形成してそうで美味しそうだったので次回は天バラにしよう。

甘味にアイスクリームとさつま芋の天ぷら。前回は天ぷら屋なのにアイスも美味しいな!?という驚きも相まってアイスの方が印象に残ってましたが(さつま芋の方も美味しいけれど、想定内の美味しさだったので)、今回はさつま芋が尋常じゃなく美味しく、こちらの方が強く印象に残りました。

総評

以上のコースが税込23000円。そこにサービス料が乗っかって25300円。因みに前回の記事のランチは込み込みで11000円でしたが、あのあと値上がりしてるため、今はランチ込み込みで14300円となってます。

やっぱ旨いなあ、このお店。他だとできないような食体験が出来る。
そして支払額も流石の支払額。僕は飲み物含まず食事のみ、税サ込みで2万円以内、多少超えるとしても+10%の22000円くらいで考えているので、自分1人のためだと複数回行くには少々ハードルが高い…。ただなあ、旨いんだよなあ…。今回祖母の方にも色々気を回してたので、意識を食事に100%向けることが出来なかったのが悔やまれる…。勿論その分喜んでもらえたので、そこは良かったんだけども。

でもそのような状態でもこうやって思い返してみると、料理の印象はある程度ちゃんと残ってますね。満足度高い食事した時って後からでも割とその時感じたことが思い出せるので、100%食事に意識集中した時はもっと感動できるんだろうなー、と思います。やっぱり1回は夜1人で行って完全に食事のみに没頭したい…。で、それ以降利用する時はランチかなー。

あ、それとこれは僕の話ではないのですが、今回20品近く出たにも関わらず、84歳の祖母は完食しており、翌日の胃もたれもなしとのことでした。曰く揚げ物とは思えないほど軽いとのことです。これもおそらく技術が為せる技なのでしょう。因みに僕は人生で食事中に重いと感じたことがなく、胃もたれも起こした事がないので、そう言った部分については何も言えません。

今回も実に旨かったです。次回は、次回こそはなんとしても夜に1人で訪れて100%食事に没頭したいと思います。いつ行けるか分からんけど。
ごちそうさまでした。

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