見出し画像

レストラン感想 ル・ジャンティオム


概要

資生館小学校前から徒歩5分ほど。札幌におけるフレンチの草分け的存在であるル・ジャンティオム。ゴ・エ・ミヨ掲載で、百名店にも選出されています。
普段であればその格式高さとフレンチというジャンルから1人予約は中々勇気いるのですが、たまたま平日ランチという比較的空いてるであろう時間帯にすすきの付近でランチする時間が出来たので、思い切って予約を入れてみました。

中に入るとまさにフランス料理店といったゴージャスな内装とビシッとしたサービス陣に気圧されますが、そのような思いは素敵なサービス陣によってあっという間に無くなっていきます。

料理の前に年季の入ったワインリストが渡されるのですが、それが凄い。僕は飲量的にも懐的にもボトルワインには縁がなく、ワインの知識についてもほぼ0に近いのですが、そんな自分でも知ってるレベルのワインがズラリと並んでおります。頼むわけでもないのに、思わず読み耽ってしまいました。飲める人ならこれ読んでるだけで楽しくてしょうがないだろうな。

コース内容

アミューズはパテのサンドイッチ、サーモンのグジェール、鴨のスモーク。いずれもストレートな味わいで美味しい。

ホワイトアスパラガスにオランデーズソース。王道ストレートの組み合わせであり、当然に美味しい。付け合わせのパイも美味しかった。

パンが旨い。手前はハーブ、奥はバケット。ハーブの方は香り良くモッチリとして単体としてかなり好みな味わい。パン屋に置いてあったら積極的に購入するレベル。バケットも穀物の風味がしっかりして美味。

カニのフランにアメリケーヌソース。やはりこちらも王道ストレートに美味しい。なんかさっきから美味しいしか言ってないな。語彙力が貧弱である。でもストレートに美味しいものって結局美味しいって感想になりません?

真鯛のポワレに白ワインとトマトのソース。付け合わせはカボチャとほうれん草のチップ。鯛は皮目はパリッと、身はふんわりしっとり。ソースは甘酸っぱいというより、白ワインの甘さとトマトの酸味が独立していて味覚にメリハリがあって好きなタイプ。

メインは牛、仔羊、鴨、鹿から選べたので仔羊をチョイス。ペルシャード(香草パン粉焼き)のため仔羊特有の風味はマイルドになっており、苦手という方でも美味しくいただけそう。僕はむしろあの風味が好きなので選択制の場合仔羊にすることが多いんですけど。
仔羊の風味と香草の香り、しっとりとしてジューシーな肉質と当然に美味。しかも2本。最高か。そういえば久々にフィンガーボール使ったな。最近出てこないところも多いので。こう言った面からもこちらのレストランとしての矜持が見えますね。
付け合わせはインカ、ブロッコリー、大根、人参のピュレ。

口直しにココナッツのブラマンジェ。下にはバナナをなんやかんやしたものがあり、南国の風味ですね。ポジションとしては口直しですが、普通にデセールとして成立する味わいです。

デセールはワゴンから好きなだけ。デセールワゴンを見たのは本当に久々(というか人生2回目、札幌だと初めて)でテンション上がる。当然に全部頂きます。クリームブリュレ、ガトーショコラ、バスクチーズ、ホワイトチョコレートのムース、タルトタタン、プティング、キャラメル/蜂蜜のアイス。タルトタタンだけが今の時期限定とのこと。いずれの品も当然に美味しく、とりわけ蜂蜜のアイスが思いの外蜂蜜の味が濃くて印象に残りました。

ミニャルデディーズに生チョコ、メレンゲの焼き菓子、紅茶のパウンドケーキ。しっとりと香り高いパウンドケーキがお気に入り。

総評

以上のコースが税・サービス料込で8470円。
美味しかった。いずれも王道でクラシックな料理のため、誤解を恐れず言えばある程度既知の味覚です。僕は未知の味覚を楽しめるのが外食の楽しみの1つであると考えているため、ジャンルとしてはモダン、もしくはコンテンポラリーフレンチと呼ばれる分野の方が好きですが、そういった好みを超越する魅力が当店にはあります。

サービスについても「このサービスになら是非お金を払いたい」と思うほど素晴らしいですね。いわゆるグランメゾンのためビシッとしており、一見するととっつき難いように見えますが、実際に話してみると温かな雰囲気で、リラックスして食事を楽しむことができました。サービス陣は複数人おりますが全員がそうであり、集団としてのレベルの高さを感じます。ここまで素敵に感じたサービス陣は他だとコートドール、モリエールなどですかね。

客層も好き。上品なマダム達や楽しげな親子、物静かなジェントルマンなど、純粋に食事や会話の時間を楽しむために来てるような方々ばかりでした。ああいう年齢の重ね方をしたいな。
「じゃあ今は?」というツッコまれると耳が痛いぞ。

レストランの魅力とは料理や価格だけでなく、サービスや設も含めての総合力であると強く感じたランチでした。
実に上質、かつ充実した時間を過ごすことができました。
ごちそうさまでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?