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2021.2.22

同僚から「結婚しました!」というメッセージが送られてきた。その時、私は通勤電車の中で自動小銃のAK47が世界中で引き起こしている惨劇に関するルポルタージュを読んでいた。右手で「おめでとう!」と打ちながら、相手からの返事を待つ間に、左手で持った文庫本のページに目を走らせた。AK47は丈夫で扱いも非常に簡単なため、ゲリラが子供を攫ってAK47を持たせ、兵士として働かせるようになった、ということが書いてある。にゃんにゃんにゃんの日に入籍して幸せいっぱいの同僚とはえらい違いである。そんな、極端に性質の違う情報に翻弄されていると「あぁ、だからしんどいんだな」と、天啓を受けたような感じがした。幸せになりたい、豊かになりたい、美しいものに触れていたい、と思う気持ちと同じように、誰かにとって耐え難い不幸を、理不尽を、おぞましい欲を、この世界から消し去りたいと思う気持ちがある。スマホが作り出したのは、そのどっちもがものすごい速さでいっぺんに目の前にポップアップしてくる日常なのかもしれない。生きていくには、情報量が多すぎる。

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