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これって私だけですか

人出が減った影響か、近頃は並ばずにタピオカが飲めるようになってきた。久しぶりのタピオカは、適切な柔らかさに茹でられていて、ほんのりと優しい甘みがあった。くちゃくちゃとタピオカの粒を噛んでいると、学生時代に友達と「口の中に何個タピオカを同時に含むことができるか」というコンテストを開催し、いつも優勝していたことを思い出す。コツは、ストローでカップの中にあるタピオカに狙いを定め、なるべくミルクティーを吸い込まないようにそっと吸うこと。そして、タピオカが吸えなかった時に、周りにバレないようにこっそりミルクティーをカップの中に吐き戻し、再びタピオカに狙いを定めることだ。原理としては、魚釣りと同じようなものだ。くだらないが、私はこの単純な行為に没頭していた。美味しいのにゲーム性もあってすごい、とタピオカ釣りの要素ありきでタピオカを評価していた。世間でタピオカがブームになった理由は知らないが、純粋に楽しいからだったら面白い。犬が骨を咥え、猫がちゅーるを舐めるように、人間はタピオカをくちゃくちゃするのが好きな生き物なのかもしれない。

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