次の酒
あぁ〜っ
「今日も酒が美味い。」
そう呟いたのはタスキ40歳。
平凡に、ただ平凡に生きている。
体が明滅する様な刺激に魅せられ、それを喉に通らせる。
この刺激に身を捧げているのかもしれない。
アカギ「タスキさん、飲み過ぎよアンタ少し」
そういうのはアカギ。タスキと同い年で古くからの友だ。
タスキ「わかってりゃ、ただ止まんねえんだよ。」
顔を赤らめながらそう言葉を繋ぐ。
何かに迷う時、人は酒に判断を委ねようとしてしまうのかもしれない。
「もう、知りませんよ。体にも悪いんだから」
良い女性とも言うべきか。心配に当たる言葉を当たり前の様にかけてくれる。
この当たり前に、何度救われてきた事か。
「あぁ〜、、 分かった 少しはな、少し、抑える。」
無意識の内にアカギの言葉を信じてる自分がいる。発言した瞬間、そう思った。
内省に続く内省。この瞬間を積み重ねて会話という物が完成されていく。
その時間を味わう様に、ただ一歩ずつ歩く様に、酒に手を伸ばしていた。
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