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外資系戦略ファームが最初に「メールの書きかた」を教える理由

30代で外資系戦略コンサルティングファームに入社した。

もちろん、ある程度の経験を買われての中途採用。

ところが、入社して最初に教わったのは「メールの書きかた」だった。

「新卒でもあるまいし、なんでだろう」

けれど、こんな基本的なことが、後々すごく重要だと気づかされる。

メールの書きかた(体裁)がグローバルで統一されていると、1日に100通近いメールが飛び交っても、トピックは何で、重要なことがどこに書いてあって、わたしは何をすべきか、その背景は何か、が瞬時に理解できる。

返信のスピードも上がる。

結果的に仕事のスピードも格段に上がる。

(あと、訳の分からないことを言ってくる人が少ない。)

この人は何を言っているのだろう、どういう背景があるのだろう、何をして欲しいんだろう、この添付ファイルの意図は??

依頼内容の理解やコミュニケーションに時間をかけられるほど、戦略ファームは甘くない。時間的にも精神的にも余裕がないのだ。

ものすごいスピードで物事をすすめるのが、事業会社との違いだと思う。誰かが生みだした、意味のない仕事もほとんどない。

ゴールに辿り着くまでのステップを明確にして、最短距離でそこを目指す。

いまはチャット的な、気軽に聞けて、ファイルやキャプチャした画像も送れるTeamsとかが主流で、カジュアルなコミュニケーションが増えた。けれど、複雑な依頼やあらたまって頼むものは、いまだにメールなんだと思う。

特にわたしの仕事は、依頼に対して調べた様々なデータや分析を分かりやすく簡潔に伝えること。ニュースレターのようなまとまったアウトプットが求められた。

そして、海外とのやり取りが多く時差があるため、メールベースになることが多かった。

少し早起きすれば、ギリギリ米国西海岸の人たちとリアルにコミュニケーションがとれ、日本の始業時間の1-2時間前にオーストラリアが仕事をはじめ、1時間後にシンガポールや中国が起きてくる。お昼頃にインド。夕方にはヨーロッパが。ヨーロッパに捕まると仕事が終わらない。笑

北米、中南米は勤務時間帯がかぶらないので、いかに1回のやり取りでこちらの欲しい情報と背景と、それがなかった場合のオプションを日本が夜の間に提示してもらえるかが重要になる。

皆が膨大なリクエストをさばけるのは、ひとえに「メールの書きかた」がルール化されていることにある。人のメール解読に悩む時間があるなら、もっと付加価値の高い仕事に時間を使うべし!

あとはPCのショートカットを覚えること。

小さなことだけれど、仕事効率は大幅にアップする。

どうでもよい仕事に時間をかけず、本当に大事な業務に時間を使うメリハリ。仕事自体もさっさと終わらせて、自分や家族との時間に人生を使いたい。

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