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慶大生、派遣デビューの巻

"派遣さん"
これが今日の私の名である。

途中から名字で読んでもらえるようになったが、最初は"派遣さん"とひたすら言われていた。

そう、今日は私の単発バイトデビュー。

実は明日、自転車のデリバリーの単発バイトを入れており、そこで華々しくデビューするつもりだったのだ。

しかし、今日の朝8:50、早朝のバイトを終えたとき。
単発バイトを紹介するアプリに、気になる募集があるではないか。
10:00〜14:00の業務である。
間に合うのか。

ダメでもともとだ。応募をすると、すぐに返信が来た。
採用とのことだ。

まじか。

ほんの10分ほどカフェで寛ぎ、足早に指定された場所へ向かう。

見慣れない土地。
初めて降りる駅。
風情のある、商店街を通り抜け、バイト先についた。

小さな町の工場という感じである。

聞くところによると40年近く続けているそうで、年季の入った設備が多い。

“派遣さんね〜待ってたのよ〜"
おばちゃんが出てくる。よさそうな人だ。

"ありがとうございます!よろしくお願いします!"
そう答える間にすでに、
"じゃあこのエプロンして、帽子かぶってね!手を洗ってきて〜!"
と指示が飛ぶ。元気なおばちゃんだ。

そして準備が整い、任されたのは、トレーを拭き上げる作業である。

これが意外と難しい。表面と裏面、そして側面、しかも水拭きと乾拭きがある。
効率の良さを求めるうちに、気づいたら時間が経っていた。
12時。
お弁当屋さんのお弁当が届く。
なんと自分の分もあった。
暫し、休憩。工場で働く人全員で机を囲んで弁当を食べる。
会話は少ないが、なんだか家族みたいで面白い。
品数も多く、量もちょうどよい、素敵な弁当だった。
4時間休憩なしと聞いていたので、この時点でなんだかとても得をした気分だ。

気合を入れ直して、午後の仕事に取り掛かる。
トレー拭きである。笑
結論から言って、私は最後までこのトレー拭きを任されることとなるのだ。
全く不満はない。
実際、機械ができる作業も多い中で、トレーを拭く作業は今のところで作業が最も効率が良いのだと言っていた。

おばちゃんと機械の話をする。

大手の食品加工の機械でも、1日に何度も検品やチェック、機械の調整が必要らしい。
"機械なんてまだまだだよ"
と笑うおばちゃん。
飛行機の自動操縦とパイロットのことを思い浮かべ、私は、
"その通りですよね!!"
と強く同意しておいた。

あっという間に14時、終了時刻である。

最後にびっくりすることを言われた。
"お土産、持っていく?"
と。
"いいんですか?"
と答える。目が輝いていたに違いない。
ふふっと笑って、加工冷凍食品の規格外商品を持たせてくれた。
かなりの量だ。

派遣さんではなく、ふっちーさんとして、丁寧にお礼を言って、工場をあとにした。

10月は新たなことをたくさんやる月。
また1つ、想像でしかなかった世界が、鮮やかな自分の経験となった。
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10月6日(火)
○派遣という新たな経験をできた
○移動時間に読書できた
○落ち込んでいた彼女を励ました
●電車で寝ていて起きたらおばあちゃんが目の前に立っていた。。
●英語。。
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このあとは本日3つ目のバイト、家庭教師。
頑張ろう。
では、また。

※画像は実際のものとは関係ありません。

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