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2024.3 海

3月、森戸海岸へ行った。
1人で海岸を歩きながら写真を撮る予定だったが、たまたま高校時代の同級生と連絡をとる機会があり、「葉山へ来ないか」と聞くと来てくれると言う。
だいたいの集合時間を決めておき、当日、海岸で落ち合うことにした。

森戸海岸に降りる階段
近づく海
海だ

風が強かった。
集合時間が近づいて、LINEで連絡を取り合った。同級生は私より早く海岸に着いていた。
ふたりがいた場所のちょうど中間あたりにあったカニ古墳というところで落ち合うことにした。

カニ古墳までの道のりで見た洗濯バサミ
洗濯バサミ
カニ古墳らしき場所。カニ古墳?

同級生と最後に会ったのはいつだったろう。
ここ3年くらい会った記憶がないから、コロナが蔓延するより前に会ったのが最後かもしれない。
数年ぶりに会った同級生は、前髪が後退していた。
額の範囲が広くなって、全体的に若干減っている気がした。
「髪、減ってない?」と聞くとなんとも絶妙な顔をされてしまい、こちらも絶妙な気持ちになった。
(ちなみに、私が彼にセンシティブな発言をまっすぐ投げられるのは、10年くらい前に彼から「えりかさん太った?」と聞かれたことを今でも覚えているからである。他者に「太った?」と聞く人間は他者から「髪、減ってない?」と聞かれる)

昔の自分の写真と今の自分の姿を見比べて頬のたるみや目の下のクマに気づく時よりも、同級生の髪が薄くなったのを見る方が、過ぎた年月を実感する。
高校生のときほとんど接点のなかった我々が故郷を遠く離れた海を2人で歩いているように、思えば遠くへ来たものだ。

森戸海岸の波打ち際
石だ
何か落ちている
クラゲだ
クラゲが大量に落ちていた

波打ち際に大量に落ちていたクラゲを避けながら歩いた。
せっかく会ったのにただ歩いて別れるのもな、と思ってプリンを食べることにする。
葉山といえばプリン。プリンといえば葉山。
道中の会話は、牡蠣には亜鉛が含まれているとか、日光を浴びた方がいいとか、カルシウムとマグネシウム、ミネラル、海藻も食べようとかそんな感じだった。

プリンは大変美味しく、天気も良く、いい日だった。
お互いに70歳くらいになったら、孤独死防止のために同じアパートに住もうと約束しておいた。適当なプラットフォームを使って、毎日毎日、生存確認し合おう。
そうすればうっかり寿命が来たあともあんまり人に迷惑かけないで済むかもよ。

トビ

次に会った時の会話を楽しみにしている。
それが40年後だとしてもいいと思う。

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