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ep.42 金曜だし湖の夕陽見て帰らん?

早朝の飛行機は、眠たさと非日常を共有しているようなところがある。

機内の細い通路をカラカラと、自分の席へドリンクのカートが近づいてくるころ、あの席もこの席もうたた寝から起き始める。わたしは今日も温かいコンソメスープを。小さなカップに口をつけちびちびと飲むと、内臓がじんわりあったまって、ぼんやりからだが目覚めていく。あ、わたし今生きているやって直に感じるこの瞬間、嫌いじゃない。

こんばんは。たまです。旅に行ってきます。いつか思い出話、聴いてくれたらうれしいです。


ここは、小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。金曜日は枕元のおとも「今夜の1曲」をお送りいたします。


今夜の1曲

坂本龍一aqua を。

湖に夕陽が沈んでいく水面のきらめきに人が心を奪われる時間というのは、とても静かなのだと知った。

ずっと想像はしてきたつもりだったけど、この身をもってそれを見て知った今日のこの気持ち、代え難いものがある。

この静かさそのまま、記憶の棚に保存したいので、愛しい音楽を添えておく。aquaに触れれば、いつでもきょうを思い出せるように。


フェイクニュースや心ない言葉・視線があふれる寂しい世界に、信じられるメディアがある、ってなんて救いなんだろうと感じた1週間でした。それがわたしにとっては、ラジオだった、というのも。

すきなお味噌汁の具は、なんて愉しい話をしながらも、誠実であろうとする人柄って声からちゃんと伝わる。伝わっている。それが過去から欠かすことなく紡がれている日常なのであれば、なおさら信頼はここで揺るがない。

電波のうえでも、地上でも。愛でて守っていきたいよ、わたしたちが安心できる安全地帯は。

今週も、今月もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。

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