搾取

前も書いたけど、借りている家の大家さんは、旦那さんがソロモン人で嫁さんがオージーである。

旦那さんは長年市議会議員だか国会議員だかの政治活動をしており、ホニアラでは結構な有名人らしい。今は「先生」もやめて夫婦でメルボルンに住んでいるんだけど、2週間くらい前から、旦那さんだけなんか講演だかなんか知らんけど、仕事でホニアラへ里帰りしている。

私らが間借りしとるこのご夫婦の家は、いわゆる傾斜地の物件で、玄関は普通に歩いて入るけど、バルコニー部分は斜面から突き出しとって、地面から伸びる7mくらいの柱で支えられとる感じ。そんでバルコニーと地面の間の空間にも小ぢんまりした居住空間があって、「本丸」に住んでいるのは今私達なので旦那さんはこの、「階下」の居住空間に滞在してるわけですな。思うにこの階下の部屋は、かつて住み込みのお手伝いさんがいたのかもしれない。

間取りのイメージとしてはこういうの。イメージね。正面玄関のある部分を1階と呼んでいいのか2階と呼んでいいのか分からない、そんな建築様式。


とにかくだな。大家のおっさん、この「本丸」にたいそう愛着があるんです。それは理解できる。この家に住んでいた時が人生の、政治家としてのピークだったんだろうし。想い出が詰まっとるんじゃろう。そもそもこの家に住むのを私らが決めたのも、素敵な家だったからや。

だけどね、だからと言って私らの留守中に勝手に上がり込んでいい理由にはならない。

確かに鍵は渡した。でもそれは、「留守の間にシロアリ駆除業者が来ると思う」っておっさんが言うので、それではと渡したのであって、冷蔵庫の中を漁っていいよとも、トーストにバターとジャム塗っていいよとも、ベッドで寝ていいよとも言った覚えはない!!!!だいたい、シロアリ屋もいっそ来んかったし。

どうなのよこれ。まぁね、ただ家を借りているだけの私らをご飯に誘ってくれたり、アウキに行くのに空港まで送ってくれたり、アウキにいる間も「元気?」つって旦那に電話をかけたり、こう、なんつうか単なる大家さん以上の、もっと距離の近い接し方をしてくれていましたよ。

だけどさーだけどさー、私たちは家賃払ってるんですよ。金銭の授受が発生している限り、ビジネスなんですよ。「甥っ子の家に遊びに来た」わけじゃねーのよ。人んちのバター勝手に使っちゃいけんし、人んちのビールも飲んじゃいけんし、服も散乱させちゃいけんと思うんですよ。まぁ、勝手に食べきったツナ缶とパンは補充してくれたけどさwそれはありがとうだけどw

全く悪意がなさそうなんよね。もうすぐしたらメルボルンに戻るし、角が立つのもあれなので我慢するけど。。線引きの仕方が決定的に違う相手に、「こっから先はご遠慮願います」って伝えるの本当に大変。でも言わないとどんどんこっちが損していく。言ったら大体逆上されて、関係悪化の原因がこっちにあるみたいなことになる。

てなわけで、大家のおっさんが残りの数日おとなしくしてくれることを祈るのみです。まだおっさんの服が数着うちにあるので、これを一刻も早く突っ返したいんだけど今日に限って一日おらん。。そこはかとなく感じる、逃げられてる感…。

あーもう。あーーーーーもう。おっさんのメルボルン行きのチケット、私に寄越してくれませんか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?