終活ツーリング
今年も妻の実家の松の剪定を始めました。
今の時期、ちょうど金木犀が咲いていて、甘い香りに包まれながらの作業。
鼻の奥で遼の命日が近いことを思い出す。
昨日は丸一日松と向き合った。
今日は都合で作業ができないのでSRで流すことに。
この2、3年は単車で山を縫ってばかりだったけれども今日は海へ。
走り出してすぐにもかかわらず、昨夜はあまり眠れなかったからか脳波はすでに彼岸と同期している。
道中でも時折香るあの甘い匂いがさらに深みへ。
そして遼からのインスピレーション。
「もう、戦わなくていいよ」
そうだ。
いつまでも過去の幻影たちと張り合うばかりでは、先へ進めるはずもなかったのだ。
海鮮市場でアナゴの天ぷら。
海岸の山頂を参ったのちシーズンオフの海の家でアイスクリーム。
地中海風の展望台に新しくできたコーヒー専門店で一服。
それから、あのとき子どもたちと楽しんだ、見晴らしのいい公園で散歩。
当時、石炭で走っていた蒸気機関のミニSLは電動に改造されていた。
極めつけは、今の土地に引っ越して以来初めて、以前住んでいた場所を巡った。ほろ苦さとともに。
本日の行程約200km。
もう、思い出だけで生きていける。
悔いもない。
いい人生だったといえる。
そんなふうに、最近のツーリングは終活じみていて、自分でもなんだか笑ってしまった。
※写真は今日の一服
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?