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あなたが学べば、社会はもっとやさしくなれる


2泊3日の韓国ひとり旅から間もなく、11月12日に色彩検定®︎2級とUC級を受験してきました。(以下®︎省略させていただきます)
同じく受験された方、お疲れ様でした✨
はじめは2級だけ受験するつもりだったのですが、やっぱりUC級も取得したと思い、10月5日(締切日)に駆け込みで追加の申し込みをしました。
今回はUC級についてまとめるので、ぜひお時間あるときに読んでみてください。
概要に興味がない方は 07.UC級を勉強した感想 まで飛ばしてくださいね☺︎︎︎︎


01. UC級とは?

まずUCとは「色のユニバーサルデザイン(Universal-design of Color)」の略で「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」のことです。
色彩検定UC級 は「色に携わる全ての人が色覚の多様性について正しい知識を持ち、配慮をすることができる社会の実現」を目指すというものです。
(色彩検定協会公式HPより)

第1回色彩検定( 当時の名称は「ファッションカラーコーディネーター検定試験」)は1990年に実施され、検定自体には33年の歴史があるのですが、UC級は2018年冬季から新設され、歴史も浅くあまり浸透されていない級と言えます。


以下の2本の動画を見て何を感じますか?

 色は誰でも選ぶことができて、意見を述べることもできる自由で楽しいものです。
 しかし、「デザイン」の配色となると、その目的や条件にあった色使いが求められ、自分の感覚だけを頼りに、というわけにはいかないこともあります。

 また、色の見え方は人によって違いがあり、誰もが同じに見えていると思っている色も、実はそうともいえません。
 遺伝によって区別しにくい配色があったり、加齢によって色の見え方が変化したりするために個人差があるのです。たとえば、オンオフを表示する赤ランプと緑ランプ。多くの人には一目で状態がわかりますが、この2色の区別がつきにくい人にとっては、今がどちらの状態かわかりません。また、商品色を高級感にあふれる黒と世界中で最も好まれやすい青のラインアップにしたところ、高齢者には区別がつきにくく、この2色にした意味がなかったということも起こります。
 そこで、目的にあった配色デザインや色彩設計を考えるときには、このような個人差について十分に理解することが大切なのです。「文部科学省後援 色彩検定®︎UC級」では、そのために必要な知識と方法を身につけていただくことを目的としています。

文部科学省後援 色彩検定®︎ 公式テキスト UC級-はじめに(001頁)


02. UC級の内容

UC級は、1~3級の上下に位置するものではなく独立したひとつの級として設定されており、全6章から成り立っています。

第1章『色のユニバーサルデザイン』
色のユニバーサルデザインの学習を始めるにあたり、まずはユニバーサルデザインの定義、位置づけなどを確認します。そして、色のユニバーサルデザインを含む、新しい取り組みも解説します。
【キーワード】ユニバーサルデザイン、ノーマライゼーション、バリアフリー、人間中心設計、ユーザビリティデザイン、色覚特性、色のはたらき、ピクトグラムなど

第2章『色が見えるしくみ』
色が見えるしくみを知ることは、色覚の多様性を理解することにつながります。この章では私たちがどのようにして色を見たり、感じたりするのかを学習します。
【キーワード】可視光、可視範囲、分光反射率曲線、錐体・杆体細胞、信号変換、色覚説、色覚異常、ロービジョンなど

◎第3章『色の表し方』
色のはたらきを活用するためには、特定の色を正しく表示したり、人に伝えたりする方法を知っておく必要があります。この章では色を「記号で表す方法」と「言葉で表す方法」を学習します。
【キーワード】色の三属性(色相・明度・彩度)、色立体、等色相面、PCCS、トーン、色名など

◎第4章『色覚のタイプによる色の見え方』
色覚のタイプや、区別しにくい色について、色相環や混同色線を使って学習します。また日常生活で不便が生じる事例やその対応について理解を深めます。
【キーワード】色覚異常の割合、1型色覚、2型色覚、3型色覚、1色覚、見分けにくい色の組み合わせ、色度図、混同色線、色誤認、遺伝、性染色体、保因者、色覚検査法、(日常事例、配慮)など

◎第5章『高齢者の見え方』
誰の見え方にも加齢により変化が生じます。この章では高齢者の見え方や、日常生活における注意事項、色の使い方の配慮について学習します。
【キーワード】順応、黄変、老眼、散瞳、縮瞳、老人性縮瞳、弁別機能、グレア、白内障、緑内障、加齢性黄斑変性、(配慮)など

◎第6章『色のUDの進め方』
これまでに学習した知識を総合的に活用し、色のユニバーサルデザインの観点からさまざまなデザインの設計や修正のポイントを事例とともに紹介します。
【キーワード】誘目性、視認性、明視性、可読性、識別性、意味性、記号性、UDを進める手順、シミュレーション、修正方法の事例、セパレーションカラー、ハッチングなど


03. なぜ受験しようと思ったのか

単刀直入に言えば、趣味の延長上の資格勉強が好きだからです(笑)
2019年にはハングル能力検定4級・3級に合格、2020年には旅行業務取扱管理者(国家資格)、2021年にはインバウンド実務主任者の資格をすべて独学で取得しました。
色彩検定自体は去年友達に教えてもらって一緒に受けるつもりだったのですが、結局流れてしまって、今年の10月になって思い出したわけです。
2級だけでも良かったのですが、資格のコレクションを増やしたいという軽率な考えでUC級も受験することにしました(でも興味はもちろんありました!)


04. 勉強について

勉強期間

UC級の勉強時間は実質15時間ほどでした(1日3時間×5日)
予備知識もほとんどなかったので、テキストが届いてから基礎である3級の勉強に1週間(飛び級なので未受験)、そのあとで今回受験する2級に2週間強、残りの時間をUC級に費やしました。11/7〜11/10で旅行に行っていたので、初めてUC級の過去問を解いたのは受験前日です…(笑)

ただ、第2章『色が見えるしくみ』、第3章『色の表し方』、第6章『色のUDの進め方』の一部は3級(2級)の内容と重複していたため、個人的には15時間あれば十分に感じました。
1ヶ月以上勉強されている方や、逆にもっと少ない勉強時間で合格されている方もいるので、参考にはしないでください(笑)

使用したテキスト

2023年10月現在、UC級は色彩検定協会の公式テキストしか存在しないため、公式テキストと公式問題集(どちらも2022年改訂版)を使用しました。
(まあ、3級と2級も公式テキストを使用したけど…値段張りました😂)

勉強方法

最初はテキストを一通り読みました。
そしてGoodnotesにひたすら打ち込んでまとめました。
(文字を書くという行為が苦手なので…理由は割愛)
自分は書くよりタイピングした方が圧倒的に覚えがいいです✌️


05. 受験当日

電車で行けばスキマ時間で勉強できるのに…と思いつつ、試験後すぐ仕事に行かなければならなかったので、車を1時間走らせて会場へ行きました。

まずは2級を受験。勉強不足を痛感しました…合格だろうけど…(正答率88%)

そのあとでUC級を受験しました。
自分の会場では、UC級の受験人数は11人で、2級と比較したら圧倒的に少ない!
2級とUC級を併願されていた方は自分ともう一人だけでした。
そして2級の受験者は学生や20代がほとんどを占めていたのに対し、UC級の受験者は年齢層が上がり、40〜50代であろう方もいらっしゃいました。

そんなこんなで試験が始まり、わからない問題はあったけれど、試験時間20分を残して解き終えました。
じっとしてるのが苦痛な人間なので、マークシート裏面の下の方に「UC級を勉強した感想」を書く欄があって時間を潰せて助かりました(笑)


06. 結果

正式な合否は12月中旬に出るので現時点では分かりませんがが、Xに流れている非公式の解答速報で答え合わせしたところ…

77問中74問正解で正答率96%

配点は公開されてないけど200点満点中191点か192点かなってところでした。
問題内容は公開できないのですが「1色覚」「遺伝」「角膜」を間違えました💦
「1色覚」はGoodnotesにも書いてなかったので完全に見落とし、「遺伝」は理解しきっていないの分かってて結局理解しきれないまま、「角膜」はテキストの本文ではなく図に添えられた小文字だったので飛ばしてしまっていました。

マークミスがない限りは合格でしょう🙌

ちなみにUC級の合格者には、色彩検定協会から「UCアドバイザー」という資格が付与され、カードが発行されます。また、申請すると、名刺に使用することができる「UCアドバイザー資格マーク」の発行もしてもらえるそうです。


07. UC級を勉強した感想

UC級を勉強して、色覚異常と呼ばれる人の割合は、日本人の場合、男性の5%(20人に1人)、女性の0.2%(500人に1人)程度で、国内では男女あわせて300万人以上いるということを知り、これまでの学校生活、習い事、コミュニティ、仕事などで関わってきた人の中にも、もしかしたら色覚異常の方がいたと思うと、大変な苦労をしていたんだなと思いました。加齢や病気での色覚変化も同じです。
何事においても、自分の『あたりまえ』と相手の『あたりまえ』が必ずしもイコールではないのと同じように、自分の見えている色が、相手にも同じ色に見えているとは限らないのです。

この検定がなかったら、自分だけでなく他の受験者も、色のユニバーサルデザインについて勉強する機会はなかったかもしれません。
UC級の目的である「色に携わる全ての人が色覚の多様性について正しい知識を持ち、配慮をすることができる社会の実現」に、微力ながらも加担できることが嬉しいです。それと同時に、会社や教育機関等でUCアドバイザーの資格取得を推進する仕組みをつくるなどして、もっとUC級の受験者が増えてほしいです。
私みたいに軽率な考えから始めても大丈夫です◎

自分は現在グラフィックデザインの領域のみで色に携わっていますが、色覚特性に配慮したデザインを制作するように心がけたいと思います。いつかUD設計に携わる機会が訪れたら、今回習得したUC級の知識を活かして、できるだけ多くの人の日常を明るく彩れるような配慮をしたいです。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!
色彩検定UC級に興味を持ってもらえたら幸いです。

あなたが学べば、社会はもっとやさしくなれる

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