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2022/04/12 地味PM meetup 登壇 "地味PMと「評価」について" & イベントの感想

NAGASHIMA Hiroki | @_nagacy

最近 Twitter でわーわー言っておりましたが、地味PM meetup をというイベントを企画していました。とにかく、ただひたすら自分自身が楽しくて仕方がなかったのですが、興奮が冷める前に、記憶が残っているうちに、ちゃんと資料とレポートを残しておこうと思います。(と、いいつつ、3日経ってしまっている。いかんいかん。)

はじめに

あらためまして。ヘイ株式会社で STORES 決済 のプロダクトマネージャの 永嶋です。

2022/04/12 、私の思いつきに賛同してくださった奇特な方々を巻き込み「地味PM meetup」を開催しました。事前応募で230名超、当日も150名以上の方にご参加いただき、構想から3ヶ月、初めて企画したイベントとしては大成功といえるようなイベントになったと思います。一緒に企画してくれた さとじゅんさん に加え、飯沼さん久津さん、鈴木さん、川瀬さん、各社でご活躍されてる PM の方々にも登壇いただき、バラエティに富んだ、飽きさせない1時間半になったのでは、と思っています。登壇者のみなさま、参加してくださったみなさまに、あらためて感謝を申し上げたいと思います。

meetup はわかるけど、 地味PM ってそもそもなあぁに?という方はこちらをご覧ください。

私自身、登壇ネタどうしようかなぁと、直前まで悩んでいたのですが、企画言い出しっぺのところもあるし、トップバッターだし、みなさんと被らないように、あえて、地味なタスクそのものではなく、ちょっとメタ的な、地味PMの悩み、みたいなところをテーマにしてみました。事前にいただいていた質問でも「評価」については、困っている人は多そうでした。

こちらの資料を補足していきたいと思います。

イベントは、どうしても一方的に喋る感じではなく、わいわいしたかったので5分トーク&5分QAというフォーマットにこだわりましたが、極限まで削ぎ落とした5分トークで言いたいことが全然言えなかったような気もするので、スクリプトは書き直しです。(みなさんもこの5分制約は苦労されたかと思いますが、場慣れ感、さすがでしたね)

地味な仕事は尊い

大前提

「どうしたら評価されるか、できるか」みたいな話をするのですが、まず、そもそも、需要のある地味なタスクは、本来それだけで尊いのです。これは声を大にして言いたい。なぜならば、明確に需要がありつづけ、誰かのためになるからです。プロダクトマネージャは WHY / WHAT / HOW なんて関係なく、必要あらばあらゆる手を駆使してプロダクトを前に進める人であるべきと考えているので、わざわざ小手先のテクニックを弄しなくても、プロダクトが前に進む活動は評価されてよいと思いますし、そうなっているべきだと考えています。私自身が「地味PM」を唱えているのもその活動の一環です。

地味PMは「評価」がむずかしい

一方で、「この仕事がすごく重要なんだけど」評価されない、してあげられない、このような経験はないでしょうか。私自身は前職ではメンバーとして、現職ではマネージャーとして、この悩みを抱えていました。

自分の仕事を信じ、誇りを持っていたとしても、わかりやすい形で「評価」が得られないと、どうしても気持ちが切れてしまうことはあります。にんげんだもの。メンバー時代、私はまだ未熟でしたので、ここを打破することができませんでした。今思うとくやしいです。

現在、マネージャとしてメンバーと一緒に働く中で「みんなとてもよい仕事をしている、どうやったらより彼らの働きやすい環境を作れるだろうか」と考える時間が増えるようになりました。そこで、自分の失敗経験に重ねて、シンプルに「やっていることを肯定してあげたい、評価してあげたい」と考え始めたのがキッカケだったりします。

ここですごく大事なのが「この仕事重要なんだけど」をどうするかという部分。

その仕事は本当に重要ですか?

「重要なんだけど・・・」はこの時点ではあくまで主観です。これは客観的に評価された方がよいです。客観的に評価する方法はいろいろあるとは思います。

ここでは、重要であることの客観的な指標として「事業や顧客に貢献している」と定義しました。他にも他チームのメンバーから感謝されているかどうか、みたいな指標もあるかと思いますが、この「事業や顧客への貢献」が一番わかりやすく、納得感が得られやすいのでは、と考えています。そして、「事業や顧客への貢献」はプロダクトマネージャとしての人の評価ではなく、携わったプロダクトとしての成果に直結します。

若干強い言葉になってしまっているのですが、評価されないのは、地味だからではなく、客観的な指標で測ることができていない、または、示すことができていないから、の可能性があると考えています。思い返すと、過去の私はこれが多かったように思います。「地味だけど重要なんだ!」と、もちろん本人は信じて疑っていないので、ここのアピールの努力を怠る。そうするとどうなるか、評価されないどころか「そんなことよりこっちやってよ」となります。なんということでしょう。大事なタスクなのに、優先度が下がってしまいました。そうするとテンションも下がってしまいますね。

大事なのは「可視化」

どうすればいいのか?

割とシンプルです。地味タスクが事業KGI/KPIに間接的に寄与することを示せばよいのです。ちなみに、ここでいうKPIは定量だけではなく、定性も含まれるかと思います。

例えば、 STORES 決済 でとても重要な地味PMタスクとして「審査オペレーションの改善」というものがあります。これを例にとり説明していきます。

STORES プラットフォームは、お商売をするオーナーさんのためのプラットフォームです。そして、 STORES 決済 はキャッシュレス決済をお店で使えるようにするためのプロダクトです。お店の方がプロダクトを使い始めるためには、「申込」「審査」「開通」のプロセスを経て実現されますが、社内では、お店の方から預かった店舗情報をもとに審査を行うオペレーションチームが存在し、日々運用を行っています。最初はシンプルだった審査オペレーションは、プロダクトの成長、ユーザの増加、時間の経過とともにどんどん複雑になっていきます。

ある日、オペレーションチームから悲鳴が上がり「この審査システムの機能を改善してほしい」と頼まれます。内容自体は至極まともですので、対応した方がよい。優先度を上げ、対応に着手します。

しかし、このタイミングでは、審査機能の改修をすることで得られる効果は「審査オペレーション工数の削減」です。これは果たして事業として重要な指標なのでしょうか?

結論から言うと、「超重要」です。上の図のように、審査オペレーション工数の削減は「それが何に寄与するの?」と何度も問ううちに、事業としてもっとも大上段の数字であるGMVに貢献することがわかってきました。

桶屋感はありますが、結果として「審査オペレーションが改善されることで事業に間接的に大きな効果をもたらす」のです。

「アウトプット」より「アウトカム」

みなさんも巷で言われすぎていて耳タコだとは思いますがやはりこれ。どんな地味なタスクをこなしたか、ではなく、その地味なタスクによってどんな良いことがあったか、これを意識することが大事です。

「なんだ、地味PMって言っても、なんにも変わらないじゃん?」と思われるかもしれません。正解です。キラキラだろうと、地味だろうと、プロダクトをとにかく前に進めればよいのです。プロダクトが良くなる、プロダクトを利用してくるユーザの体験が良くなる、それを作り運用するメンバーの労働環境が良くなる、全部、プロダクトマネジメントです。

では何が違うのかというと、若干アプローチが違うのかも?と思いました。

一般的なプロダクトマネジメントでは、事業戦略からブレイクダウンし、KPI設計をします。そして、そのKPIを最大化するためのタスクを洗い出し、それを実現していくような形です。

一方、地味プロダクトマネジメントでは、前述の現場課題からスタートします。事業戦略に貢献するために「何に寄与するの?」を問い続けることで、成果を最大化します。逆のアプローチです。

成果が可視化されることで評価できる

まとめ

評価アピール、過去の私は結構ニガテでした。嫌いと言ってしまっても過言ではないかもしれません。テクニックで自分の成果を主張し、他者を蹴落とし、評価をもぎ取る。そんなイメージがありました。それより、愚直にやることが尊いのだと・・・。

現在は、少し考え方が変わっています。小手先ではなく、真に事業貢献となる評価を追い求めることは、とても大事なことであると考えています。評価を求めれば求めるほど、事業貢献や、ユーザへの価値貢献を考えることになるからです。ウィンウィン。


とはいえ、難しいですよね。今回はKPIに紐づけてみる、みたいなアプローチを例に取りましたが、必ずしもこれに紐づくとは限らないので、そのときはいろんな方法を試してみると良いと思います。一緒に働くメンバーからの評価、みたいな指標もあるかもしれません。大事なことは、貢献度を「捻り出してみる」ことです。ここはあきらめてはいけないかなと。

正解は、私もまだ全然わかりません。壁にぶつかりながら、一つずつ方法を見つけていきたいと思います。

その先に「地味な仕事が当たり前に評価される」状態が実現できると思っています。

おしまい。

おまけ:イベントの感想

過去のタイムラインを掘り起こしてみたのですが

  • 初めてさとじゅんさんの note を読んでこの人面白いなと思って声をかけたのが 2021年1月。

  • ふたたびさとじゅんさんに声をかけ、 メルペイ x ヘイ で審査業務の勉強会をして「地味な仕事大事だよねー!」ってなったのが 2021年8月。

  • 私が「地味PMについて」のMeetyを開設したのが 2021年9月。

  • 地味PM活動をまとめて note にまとめて、感触を得たのが 2022年1月。

  • イベントやりましょ!って話して具体的に企画を詰め始めたのが2022年2月。

  • イベント告知したのが2022年3月。

最初は思いつきのワードから、なんとなく需要があるなって思い始めて、実際にイベントまでこぎつけて、多くの方に集まっていただくまでに、これだけの時間がかかりました。

知名度のないイチPMの思いつき企画。ほんとに人来るのかと。やる前は不安しかなかったです。やってみての感想としては、とにかく「楽しかった」しかなくて、私自身、イベント中もずっと笑ってたと思いますし、終わってからもずっとニヤニヤしていました。

アンケート回答いただいた方、本当にありがとうございます。楽しんでいただけた、と受け取りました。Twitter でも #地味PMmeetup  で多くの感想を寄せていただき、ありがとうございます。全部見てます。今のところ。

終わったあとすぐに Meety で「話したい」をくれた人がいて、早速お話しました。彼もとてもすばらしい地味PMで、そして、イベント告知まで全く「地味PM」を聞いたこともないとのことでした。Twitter や note での発信だけでなく、勇気を出してイベントをやってよかったなと思いました。

本当に、すごい人がたくさんいるものです。私自身は自分が一番地味だと思っているわけでも、地味PMをコミュニティ化したいわけでもなくて、ただ単純に「地味にいい仕事している人の自己肯定感を高めて、もっとよいプロダクトをたくさん生み出したいよね」という気持ちでこの活動をしています。この概念が、浸透すればするほど地味ではなくなり、当たり前になります。自己矛盾です。最終目的はこんな言葉がなくてもよい状態だと思っています。

イベントの感想で「ぜひ第二回を」という声が非常に多かったので、ぜひ、また企画したいと思います。その際は、一緒に盛り上げていただけると、とても嬉しいです。たぶん私は運営側にまわりますので、いろんな人の地味エピソードが聞けることを楽しみにしています。

「おやくそく」

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NAGASHIMA Hiroki | @_nagacy
プロダクトマネージャ at ヘイ株式会社 / 代表取締役 at 株式会社カルチベート / お店の課題解決する業務支援サービスを作りつつ、子供の興味を発掘するクイズアプリ「ホルーペ」を作っています。9歳5歳の2児の父。