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良い子の強がりが生んだもの

張り詰めていた糸が
突然ぷつんと切れた

水をせき止めていたダムは
いつの間にかヒビが入って決壊した

ずっと、泣けなかった
この人生、長い時間をかけて、私はずっと「良い子」だった
口答えしない、逆らわない、頭が良くて、物分かりが良い

人の期待に応えるように、怒られないように、
理由はもっとたくさんあるけど、
良い子でいようと生きてきた

気がついたら
私は自分の感情を出さなくなった
自分の感情に鈍くなった
いま、悲しいのか、苦しいのか、寂しいのか、わからなくなった

「しっかりした子」「自立してる子」でいたかった
その自分が好きだった
でも、それ以外のキャラクターが分からなくなってしまった
どんな子だったっけ?私って。

心の中に、すこし不安が芽生えたとき
そのときにはすでに、人に頼る方法を忘れていた

甘えられなくなった、強がるようになった
大丈夫、なんともない、が虚勢になった
強くあるように振る舞った
周囲の人は私を心配しなかった
「しっかりしてるから」「大丈夫だから」「なんとかするから」

わたしは周囲の人に壁を作っていた
弱い自分を見せてはいけない、
しっかりした私でなければいけない、と

私は私で自分の道を塞いだ
退路を絶った

じりじり端まで追い詰められたとき、
私には命乞いの仕方も分からなくなっていた
縋るものも、縋り方も知らなかった

足場はもう無かった
ただ、ただ落ちていくだけだった
何もできなかった
今日が何月何日で、何曜日なのかわからなかった
ごはんは味がしなかった
眠れなかった
寝ようと思って横になりながら
天井を見ていたら2日が経っていた

そんな生活を1年ほど、繰り返していた

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