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2025年版の「日本人の食事摂取基準」には、骨粗鬆症とフレイルの記述が入るようです

9月22日開催の第2回「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会をオンライン傍聴しました。
資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00072.html

本日の検討会の議論は、
➢エネルギー・栄養素との関連を記述する疾患等の追加
➢ ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCの推定平均必要量の考え方について

でした。

●エネルギー・栄養素との関連を記述する疾患等の追加

2020年版に記載されている「生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連」の記載されている高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病の「生活習慣病」に加えて、「生活機能の維持」を入れてはどうかという議論でした。

【資料1】日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定の方向性 P3

議論の結論から言うと、ワーキンググループの提案からなど、生活機能の維持・向上に関わる疾患として、骨粗鬆症とフレイルを記述していくことで構成員の了承を得ました。

肥満についても、肥満症という疾患の概念があることや、今後やせ薬が出ることなどから、食習慣による予防が必要という意見が構成員から出ていましたが、こちらについては、2020年版の「生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連」の章は、「高血圧」からすぐにスタートしていますが、そもそもこの章の意義などを説明する、前文のテキストが必要ではないかという意見も出ており、そこに「肥満・やせ」などを解説するという方向の結論に感じました(少し理解が曖昧スミマセン)。
他にも、NASHや高尿酸血症、認知症など、食事摂取基準への掲載する疾病の基準について資料による説明があり、議論がありましたが、掲載の基準条件に達していないということで見合わせるということになったようです。
また、鉄欠乏性貧血の記述はどうするかは、聞き逃しました。食事摂取基準の構成の中の「対象特性」にライフコースとして記載していくという方向性だったかもです。

【資料1】日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定の方向性 P8

●ビタミンB1、ビタミンB2、ビダミンCの推定平均必要量の考え方

そもそも推定平均必要量の役割について、佐々木先生から「災害時の避難所での食事・栄養管理等において、活用されているもの」と説明がありました。
ただ、 2020年版では、推定平均必要量の基準の定義がバラバラだったので(集団内の半数の者に不足又は欠乏の症状が現れ得る摂取量だったり、集団内の半数の者で体内量が維持される摂取量だったりなど、下記画像参照)、統一していくことが必要ではないか。
また、ビタミンB1の指標について、最新の知見から使用されている諸外国の基準に合わせたものを採用しては、などが議論されました。

【資料1】日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定の方向性 P11

ちなみに、推定平均必要量は給食などにも活用されているため、指標の変更により、2020年版と数値が大きく違ってくる場合は現場の混乱を招くので、かなり注意と丁寧な説明が必要という意見が、構成員から複数出ていました。

食事摂取基準の活用については、以降の検討会で議論されるようなので、ここら辺もチェックしていきたいと思います。
かなり簡略的で曖昧な表現が多くて申し訳ございませんが、ご報告まで。

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