「高齢者の保健事業の一体的実施」は調査→改善とPDCAが回っている。関係するガイドラインや糖尿病性腎症重症化予防プログラムも改訂
3月15日開催の第16回高齢者の保健事業のあり方検討ワーキンググループの動画を視聴しました。
https://www.youtube.com/watch?v=Mbc_12WslI4
動画は議事録を掲載するまでの間、公開しているそうです。
資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000199258_00036.html
●令和6年度にほぼ全部の市町村が事業を実施予定
はじめに、資料1を元に、事務局から高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の進捗等について、都道府県、広域連合、市町村に行った調査から報告がありました。
この事業は令和2年からスタートし、令和6年度までに全ての市町村で実施することを目標としていましたが、離島・僻地などの一部の市町村以外は、ほぼ実施されることになるようです。他にも、事業に関する詳細な調査が行われており、ここから事業の課題を抽出され、その対応策が提示されています。
●「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第3版」「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」改訂
資料に記載されていますが、「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン」が第二版とガイドライン第二版(補足版)を統合し、一体的実施の進捗状況、 データヘルス計画策定の手引きの改訂、厚生労働科学研究の成果等から、ガイドライン改定されるようです。(3月末公表予定)
高齢者の特性を踏まえた保健事業 ガイドライン第3版(案)
資料2には改訂のポイントがまとめられています。
少し気になったのば、ガイドラインの別添「別添「後期高齢者の質問票の解説と留意事項」に一部改変とあり、これはどこがなあと、後ほど変更点を確認してみようと思います。
また、「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」も改訂されるようです。
糖尿病性腎症重症化予防プログラム (令和6年度版) 改訂案
こちらの主な改訂ポイントも資料2にまとめられています。
ざっくりの印象ですが、大きな変更というより、最新の知見と、より実効性を高めるために、追記しているという感じでしょうか。他にも、資料2には、データヘルス計画の評価指標、特別調整交付金交付基準の変更、令和6年度から使用する一体的実施計画書と実 績報告書の様式の見直し、保険者インセンティブ等の記載もあり、じっくりと読まなければと思います。
それにしても、この事業はPDCAが循環していますね。事業実施(Do)→調査(Check)→対応策(Action)→データヘルス計画等計画の作成(Plan)
となっているように感じます。
今後はより事業として実際に行う部分が大切になっていくようです。
むむむ、どこかで聞いた「実効性(Implementation) 」(←健康日本21 第三次)でしょうか。
座長の津下先生からは「企画調整を担当する人向けには、ガイドラインなどでだいぶ整備されてきたが、今後は現場で実際に高齢者と接する専門職の方々の「支援力」の向上が重要になってくる。高齢者には行動変容というより、前向きな気持ちをもってもらい改善に取り組むという、別なスキルが求められる」的なことを話されていて、次なる段階になったことを感じました。
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前述した取り組みが進んでいない「離島僻地」の事業として東京利島の事例(栄養士会?)が気になりました。介護保険の総合事業からスタートして一体的実施の事業に展開しているようです。事業を重ねつつ進めていくのはまさに一体的実施であり、効率効果的かなあと。住民にとっては、どの事業名でもよりよくなれば、いいだけなので。おまけの感想でした……。