病院とお化け

病院では人がよくお亡くなりになるのは皆様ご存知かと思います。

人がよくお亡くなりになる場所では心霊現象がつきもの(憑き物?)

今日はそんな病院の夜についてのお話です。

病院の夜はナースステーションだけ電気がついていて明るいのですが、廊下や病室は患者さんが良く眠れるように電気を消しています。

だいたい21時が消灯時間で、病室を回りながら所在確認、生存確認をし、挨拶をしながら消灯していきます。全室消灯すると、廊下にある非常口を示す走るシルエットの全身緑の彼が一際目立ち、シーンと静まり返ると背筋がぶるっとしてきます。

そうです、彼らが活動を始める時間になります。

ゴキブリではありません。

お化けです。

昼間は看護師以外にも医師やリハビリスタッフ、面会者など多くの人がいますが、夜間は看護師2名体制だったり、3名体制だったりと働いている職員数が激減しています。当直の医師はいますが、医局に居ることが多いため病棟には看護師だけとなることがほとんどです。

私がいた病棟は看護師2名体制で、患者さんの生存確認のために2時間おきに病室内を巡視していました。

事件が起きたのは午前1時だったか3時だったか、先輩の看護師がやることないからと寝ていたため、私は1人で巡視に向かいました。

手には懐中電灯を持ち、いざ行かんと思いナースステーションから廊下に出てみると、廊下に白いものがぼんやりと見えました。よく見るとそれは人の腰から上の部分で、うつ伏せで両手を伸ばしている状態でした。そう、井戸から出てきた貞子みたいな状態です。

上半身だけのお化けが見えた思い、あたふたした私。良からぬものを見てしまったと思いながらも、1人で上半身だけのお化けに近づいていきました。

お化けなんて嘘さ、お化けなんてないさ♩

そんな歌を歌う余裕はありません。恐る恐る上半身のお化けに近づいて行くと、病室の扉が開いていました。

ん?

よーく見ると、下半身は病室の中にあり、高齢の患者さんが病室から這って出てきて、上半身を出した状態で動けなくなっただけでした。

普通なら患者さんを助けてから先輩を呼びに行くのですが、私は焦っていたのでしょう。患者さんをそのまま置き去りにして先輩のもとへ走って行き、先輩に状況を説明し、一緒に患者さんの所に来てもらいました。

先輩と共に患者さんをベッドに戻し、患者さんが怪我などしていないか確認をしたあとに再度巡視に回りました。他の病室では特に異常はありませんでした。

上半身だけのお化けかと思ったら患者さんでしたと言うお話。

…え?お化け?

お化けはみたことありませんが、患者さんが色々体験したそれっぽいお話はまた後日。

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