疥癬(かいせん)

最近、疥癬について呟いていますが、疥癬について詳しく説明してみたいと思います。


疥癬とは

疥癬は『ヒゼンダニ』という小さなダニがヒトの皮膚に寄生しておこる皮膚の病気で、ヒトからヒトへうつります。

疥癬には2つのタイプがあります。

通常疥癬

寄生するヒゼンダニの数は、数10匹以下。
長い時間、肌と肌、手と手が直接触れることでダニが移動して感染します。
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は約1ヶ月から2ヶ月。
主な皮膚の症状は疥癬トンネル、赤いブツブツ(丘疹や結節)などです。
トンネルは手のひらや指の間など皮膚の柔らかい場所によく見られ、丘疹はお腹、胸、足、腕などに見られ、男性の外陰部には数mmのしこり(結節)が見られます。
どれも激しい痒みを伴います。


角化型疥癬(ノルウェー型疥癬)

寄生するヒゼンダニの数は100万から200万匹。
ダニが多く感染力が非常に強いため、短時間の接触や、衣類や寝具を介した間接的な接触でも感染します。
剥がれ落ちた皮膚(落屑)にも多数の生きているダニが含まれているため、それが付着することでも感染します。
主な皮膚の症状は灰色から黄白色でざらざらと厚く、蠣殻(かきがら)のような重積した垢(かさぶた、鱗屑、角質)が手や足、おしり、肘、膝などに見られます。また、その症状は爪にも見られることがあります。症状が手のひらや足のみなど一部の部位に出る場合もあります。
痒みは人によって異なり、全く痒くない場合もあります。


診断

症状がある部位からハサミやピンセットで皮膚の一部を取り顕微鏡で観察します。
検査でヒゼンダニが確認できれば診断が確定します。


治療

ヒゼンダニを殺すことを目的とした飲み薬や塗り薬が使われます。

飲み薬は診断がついた日に内服し、その1週間後に再度内服します。

塗り薬は正常なところも含めて塗り残しがないように首から下の全身にくまなく塗ります。

痒みに対しては痒み止めの飲み薬を併用します。


感染者への対応

接する時は手袋や予防衣を着用します。
洗濯物は50℃以上のお湯に10分以上浸した後に洗濯し、十分に乾燥させます。
乾燥機を使うとより効果的となります。(乾燥機を使うときはお湯に浸さなくても大丈夫です。)
同室で布団を並べて寝るのは避けて下さい。
部屋はモップや粘着シートなどで落屑を回収後、フィルター付きの掃除機で清掃します。
治療を始めた時と終わった時は、部屋に殺虫剤を噴霧します。

殺虫剤を自分や感染者に噴霧するのはやめましょう。



疥癬の話をすると痒くなります。
職員が感染した時は出勤停止となります。

疥癬についても国家試験に出題されやすいので覚えておきましょう。





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