【ゼミレポート】ニューロダイバーシティ~発達障害育児の向き合い方~

お久しぶりです。もちもちWGの峰です。

もちもちWGとは、ママ・パパはもちろん、自身の持病やご家族の介護を抱えている「〇〇もち」の「縁の下の力もち」としてサポートするため、有志の14名のパパ・ママを中心に活動しています。復職サポートや保活ゼミなどを実施しております。

今回のnoteは、もちもちWG活動の一環として、「LIFULL大学のゼミ(勉強会)」にて、メンバーが講師を務めた「ニューロダイバーシティゼミ」のレポートを共有いたします。

私は子育ての経験がなく、様々な「〇〇もち」の方の支えになりたく、このゼミに参加しました。当事者の本音を聞くことができ、発達障害育児に向き合う方のリアルを知ることができるゼミでした。

※このレポートの内容は、専門家ではなく、従業員である講師の当事者としての経験と情報収集によって得られたものをもとに作成しています。あくまで一般の方の意見であることをご了承ください。

このゼミの目的

ニューロダイバーシティ(非定型発達)のことをご存知でしょうか。「発達障害」とひとくくりにするのではなく、すべての脳にはそれぞれに違いがあり、優劣ではなく個性だとする考え方のことです。特定の優れた能力を持つ人も多いため、その力を生かして働ける環境を整えることで、活躍することができると注目されています。

発達障がいやADHDの傾向がある子どもたちが笑顔で過ごせる世界を創り出すため、まずは多くの方にニューロダイバーシティのことを知っていただき、協力していただきたい、その想いでこのゼミが開催されました。

今回のゼミでは、ニューロダイバシティとは何か、発達障害育児のポイント、自分の子どもや周囲の子どもが発達障害だったらどうしたらよいのか、について紹介してもらいました。

※繰り返しになりますが、このレポートは専門家ではなく、従業員である講師の当事者としての経験と情報収集によって得られたものをもとに作成しています。あくまで一般の方の意見であることをご了承ください。

※実際のゼミでは、自分が当事者になったときにすぐに行動できるよう、具体的な例を挙げていただけました。このレポートでは個人情報保護の関係により一部省略しております。ご了承いただけますと幸いです。


ニューロダイバーシティとは

ニューロダイバーシティとは、一般的には、発達障害と呼ばれるものです。

発達障害と聞くと、「乱暴」「授業中に騒ぐ」「逆に静か」という印象をお持ちの方が多いと思います。しかし、発達障害は一つの型にはめるのが難しく、私たちのイメージとは違うこともしばしば。同じタイプの発達障害でも人それぞれ特徴が変わるため、「〇〇は、このように対応すればよい」という最適な対応策がないのが現状です。

発達障害育児のポイント

私は子育てを経験したことがなく、周囲のママパパから聞いて得たイメージしかありませんが、それでも大変さはひしひしと伝わってきます。そして、発達障害の子どもを育てるのは、異なる苦労がありそうです。乗り越えられるコツを聞きました。

1. 親のせいでは全くない
よく勘違いされることが、「育児の方法や本人の努力不足のせいで発症する」という点です。ご両親など、周囲から「あなたの育て方が悪いんじゃないの?」と言われてしまうこともあり、講師も自責の念に駆られたこともあったそうです。発達障害は、あくまで本人の特性であって、親や周囲の環境によって発生の有無は変わりません。ご自分を責める必要は全くありません。

2.環境次第では障害にならない
本人が社会生活を快適に過ごすことができれば、障害にはなりません。取り巻く環境が本人と合わない状態にならないよう適切な支援をすることが重要です。環境が合わず、支援もない状態だと、二次障害になる可能性があります。
(二次障害とは、環境のミスマッチによりストレスがたまることで引きこもりがちになったり、頭痛などの体調不良を発生したりすることです。)

3.周囲に理解されない特性は説明の必要がある
発達障害の子の中には、得意と苦手の落差が大きく、苦手な分野は「さぼっている」と印象を持たれたり、独特の感性を持っていたり、背景を理解していないと誤解されてしまうそれぞれの「特性」があります。こだわりが強く、そのこだわりから外れると癇癪を起こしてしまうこともあり、周囲が知っていれば問題ないものもあります。周囲に説明しておくと、配慮してもらえるようになり、本人も親も周囲も心地よく過ごすことができるかもしれません。

自分の子どもが発達障害?と思ったら

発達障害育児で大事なのは、二次障害を起こさないことです。
そのために必要な手順を教えていただきました。

1. 受け止める

発達障害自体は悪いことではありません。「自分の子どもは発達障害ではない」と思うことにより、支援が遅れてしまうことも。大事なのは、子どもが生活しやすくするために必要な支援を受けること。発達障害を悪として考えるのではなく特性として受け止め、支援を受ける準備を始めたほうが、子どもにとっても親にとってもよいとのことでした。

2. 支援を受ける準備をする

症状により二次障害を起こさないことが重要です。もし問題なく社会生活を送れていれば無理に支援を受ける必要はありません。
支援の体系については各自治体で異なるため、一括して説明することが難しいため、調べていく必要があります。また、自分でできる支援についても、自治体が講座を開いていたり、書籍もたくさんあったりするそうなので一度触れてみるのもよいでしょう。
周囲に相談することで、協力者を増やすのも大事です。

3. 適切な支援を受ける

まずは子どもの特性を知ることから始めます。幼稚園・保育園(小学校)と各都道府県にある発達障害者支援センターに相談をし、適切な支援の方法を決めていきます。子どもにより受ける支援は変わっていきますが、支援を受けることで少しずつ社会や環境に合わせて生活できるようになっていくそうです。支援で大切なのは、二次障害を起こさないことです。必ず受けなければならない、服薬しなければならないということはありません。子どもに合わせて支援を受ける必要があります。

※支援の例
・ソーシャルスキルトレーニング
生きていると自然と身につくとされるスキルを学ぶトレーニング。(例:落ちた食べ物を食べない、人のおもちゃを奪ったらいけない、など)
・薬物療法
ADHDに限り、治療薬が存在します。必ず心理社会的アプローチ(人から受ける支援)と併用する必要があります。

4. 幼稚園・保育園から小学校に上がるとき

環境が大きく変わるため、事前に相談が必要です。小学校での過ごし方を決めるために、面談や診断等を受けるそうです。こちらも各自治体により異なるそうなので、相談してみてください。

相談の結果、支援計画及びどのように学校で過ごすかを決めます。親が決めるため、自治体に勝手に決められることはありません。以下のパターンが考えられます。
・普通学級のみ
 ほかの子どもと同じクラスに所属します。
・普通学級+特別支援教室(通級)、
 ほかの子どもと同じクラスに所属しながら、週に数時間、専門家から支援を受けられるクラスに入ります。
・特別支援学級または特別支援学校
 支援に特化した学校に通います。

周囲の子どもが発達障害だと思ったら?

一番大切なのは、発達障害だと決めつけてはいけないことです。
そのうえで、その子とのかかわり方を考えていく必要があります。

1. 聞いてみる
発達障害であることをオープンにしている家庭であれば、どのように対応したらよいかを聞いてみると良いそうです。子どもによってこだわりが異なるため、知っておくとお互いに過ごしやすくなります。

2. 放置が解決することも
子どもによってはパニックになったときは放置したほうがよい場合があります。怒る、諭すなど情報を追加で与えられると、どんどん情報を処理できなくなりパニックがひどくなってしまう子もいるようです。

3. 暴力については子ども同士での解決が難しい
暴力をしてしまう子どもがいれば、離れることが一つの解決策になるそうです。根本的な解決策ではないですが、精神年齢が少し幼いこと、何かあれば大人に助けを求めるよう説明しておくと、少しは子ども同士のトラブルが避けられるかもしれません。

講師の方からのメッセージ

ニューロダイバーシティの当事者の方々とお話すると、「多様性」の一つであって、その子がその子らしく過ごせていれば「障害」ではないと感じる、と話していました。障害ではなく特性、自分の得意分野を活かした仕事に就けたり自分らしく生きられる世界を作り出したい、と講師の方は締めくくっていました。

編集後記

大変な育児に発達障害が加わると、思うようにいかないことも多く、ご苦労されていることを学びました。(子育てだけでも本当に大変だと思っております。。。)
子育てを経験していない私にとって、泣く子どもに何も言わず、見守っている方の気持ちを(ほんのわずかかもしれませんが)理解できる機会になりました。周囲に泣いている子どもがいたら、「何か事情があるのかもしれない」と考えるようにしたいなと思います。

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