記録 一月十六日/繰り返す

 3日目の曇天。今日も朝から小雨が降っていた。傘はなくても大丈夫な程度の。天気による気持ちの落ち込みはない。
 ただ、理由はなく苛立っていた。数日前に、遠回しにかわいくないと言われたこと、平均より太いと言われたことがずっと頭にこびりついている。今日の苛つきは、そのことへの怒りが時間差で湧き上がってきているのか、不調子だから通常なら受け流せていたことが受け流せていないのか。
 いずれにせよ、容姿のことをとやかく言われるのは気分が悪いし、私の中でそれは思っても言わない方がいいことだという認識になっているのだなと、再確認した。
 とはいえ、あれは私が自虐的に太ったと言ったことへの返しだから、仕方ない部分もあるんだろうか。不必要に自虐的になったり、自分を卑下するのは私の悪い癖だ。

いらいらを抱えながらも、いつも通り早めに出社していつも通り同じく早めに来ている顔馴染みの社員さんたちに挨拶をして、休憩室で本を読んだ。しばらくして、これまたいつも通りコーヒーのお兄さん、窓側のおじさん、寝る人がやってくる。いつもの繰り返しが、スゥーッと苛つきを抑えてくれるようだった。
土屋さんはいつも通りノリが軽くておもしろいし、小松さん小仲さんは丁寧で優しいし、姫乃さんは滑舌が悪くて愚痴っぽいけど憎めないキャラだ。
家に帰ればいつものメンバーがいるし、いつも通りご飯を食べてお風呂に入って寝る。そしてまた起きて働く。
 なんの変哲もない、淡々とした日常の繰り返しだけど、それでいい。それがいい。

最寄駅に着いた。また明日。

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