八月十五日 やり過ごす火曜

 6時、9時、10時、12時。細切れに時間を確認しつつ寝てるか起きているか分からない状態でベッドに横たわっていた。最終的に動き出したのは14時だった。
 14時半からは就労移行支援の利用のために、市役所で認定調査なるものを受けに行く予定だった。14時15分には家を出なければいけない。トイレに行き歯を磨いて、天気が気になりスマホを手に取る。その時点で残り5分。ツイッターをひらく。天気を見ようとしたことを完全に忘れたわけではない。ああ、違うの開いてるなーーと思いつつそのまま5分。着替えて、適当に髪を結び、2分遅れで家を出る。市役所には3分前に着いた。

 市役所では調査の名の通り所定の項目に沿ってこれまでの来歴、現在の生活状況などさまざま聞かれた。特段嫌なことはないが1時間対面で話し続けるのは疲れた。

 帰宅後、妙に気が重い。市役所でお金の話をしたからかもしれない。あるいは、いくつか人からの誘いを断り続けているせいかもしれないし、体の疲れが精神に跳ね返っているのもあるかもしれない。
胸のあたりに何かがつかえているみたいだ。
やり過ごすしかない。

「人生には、嵐が過ぎるのを待つようにやり過ごすしかないときって、必ずあるんだよ」って言われたことがあってね。と、話してくれた人がいた。
「心配しなくても待ってくれてる人はいるし、生きてさえいれば大抵のことは何とかなるからさ。だから、しんどいときは、“やり過ごす”だよ」と。
弱く見えるけど、強さをはらんだ言葉だと思った。だから好きだ。

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