記録 一月二十四日

 人との話が弾んだとか、たくさん笑ったとか、天気がよくて気分がよかったとか、そんな調子で気持ちがカラリと晴れている1日だった。特別理由はない。たまたま「そういう」日だったのだろうと思う。
 …理由はないと書いたけど、やっぱり一つだけあるかもしれない。私にとって十分条件じゃないけど必要条件ではある、という感じのものが。
 それは、最近よく耳にするようになった「心理的安全性」とやらが高い場所にいること。もっと違う表現をするのならば、信頼できる人たちと一緒にいる、になるか。
 信頼って、具体的には何なのかよく分からなかった。どんなに積み上げていても崩れる時は一瞬で崩れるということは肌身で感じていた。なにか大層なもののように長年思っていた。
 最近は、変な遠慮をせず分からないことを聞けるとか、ちょっとふざけた調子で話せるとか、ツッコミをいれられるとか、案外そういう小さなことも信頼の証拠なんだと思い始めた。
 こう書きながらも今私が感じているこの安心感を信頼という言葉を使って表現するのが適しているのか、確信はない。信頼というものについて書き始めてみると、まつわる体験がポツポツと浮かび上がってくる。
 帰り道の数分間の日記で、そして今の私の頭で、存分に語り尽くせるものでもない。今はいちどポケットにしまって、帰路に着く。またその時が来たら取り出して、うんうんと唸りながら考える。

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