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2021年に50周年を迎えるアルバム達を聴く〈1〉ピンク・フロイド/おせっかい

20年来の友人が新年の挨拶代わりにこんなリストを送ってきた。"2021年に50周年を迎えるアルバム"。つまり1971年に出たアルバムのこと。出所はいまいち不明。
結構知っているけれど、聴いたことのないもの、毛嫌いして聴かなかったもの等全部を知っているわけではなかった。

それなら今年はこのアルバム達を聴いておこうか、という気になる。でもリストは43枚。半端だなぁ。
持っていたロバート・ディメリー著「死ぬまでに聴きたいアルバム1001枚」を見比べると、幾つか重なっているので、コレは外せない。というものを追加し、50枚のアルバムリストを作ってみる。

きっと皆さん既に知っているアルバムが多いでしょうが、温故知新。自分の音楽遍歴を振り返る良い機会かも知れないな、と思ったので、挑戦してみたいと思います。

硬い批評は余り好きではないので、あくまでも私的音楽遍歴の覚書として楽しんで聴いていきましょー。

でも、一枚目は、ピンク・フロイドの「おせっかい」です。
彼らの6番目のアルバム。全英第3位、全米第70位を記録、日本ではオリコン第9位。

これからリストが始まるということは、やはり人気が、評価が、話題性が高い、ということでしょうか。でも私としてはこれから始まるので、書こうかどうしようかも迷っていたとも言えるんです。

実は何を隠そう、私はピンク・フロイド苦手女子。昔、友達の男子に聞かされたけれどイマイチ良くわからず敬遠しつつ時は過ぎ。それ以来、自分の中では「陰」な感じのフクザツーな、神がかり的タイミングを待ちわびる曲作りをする人達だな、というイメージが定着。
果てはピンク・フロイド好きな男子が居るとスルーっと前を通り過ぎるぐらいの感じで人生も過ぎ。

しかし! ピンク・フロイド好きの男子は予想以上に多い。(というか私の周りには多かった。)
逆に女子でピンク・フロイドのファンているのかな? 少なくとも私の女友達の中にはいなかった。

でも食わず嫌いはよくありません。
この辺で敢えて挑戦。
いざ。

01. 吹けよ風、呼べよ嵐

音量に気をつけましょう。
聴こえなーい、と思って音量上げたら一撃食らいました。
ダブルベースですね。ベースは好きです。
そこにヒューヒューとかぶる風の音はテープの逆回転?
バスドラと高く鳴り響く啓示的オルガンのコードが、いかにも。
ヘリコプターが飛ぶ、マシンガンで撃つ。徐々に挑戦的気分が盛り上がり、デストロイヤーの声。いよいよ本番。
あ、歌わないんですね。インスト曲。それだけにスピリチュアル。
飛行機は墜落し砂漠に砂塵が巻いているような最後。

02. ピロウ・オブ・ウィンズ

一曲目の風のSEから自然に繋がり、泉から湧き出てくるようなアコギ。
あれ、もっと小難しいコード展開を待っていたのに、意外と爽やか。ビブラフォンなんかも聴こえる。
歌詞もピースフル。こうなってくるとギターがクイ~ンと上がっていってもそれ程嫌な感じには聴こえません。

03. フィアレス

ややっ、ビートルズか、っていうくらいの出だし。
シンプルでいながら軽いアクセントのあるリズムと、心地よい控えめコーラスが好印象。ただ時々聴こえる暴動の叫び声のようなものは何なのか。

04. サン・トロペ

あら、おしゃれ。
夏の地中海海岸を歩くプログレバンド!?。囁くようなボーカルとスッキリしたリズミックギターに絡まるブルージーなもう一本のギターもナイス。こんなかる~い感じにスイングしちゃってピアノでインプロヴィゼーションするんですね。リゾート気分満載で意外。

05. シーマスのブルース

これはガチガチ典型的ブルースでんがな。ライブ感たっぷりなワンちゃん、シーマスくんですか、の遠吠えで始まり、遠吠えで終わる。気に入りました。こんな曲も珍しいですね。ライブではどうするんでしょう。

06. エコーズ

きたきたー。イメージ通りの曲。
さっきのシーマスくんと一緒に宇宙に飛ばされちゃったみたいな感覚。
ゆったりテンポに階段を上り降りするようなベース。湧いてくるような泣きのブルージーギター。そして、ギターは歌う。
おー、盛り上がってきた。素晴らしい!
ふと我に返ったように小気味良く刻み始めるリズム。オルガンに酔っているうちに再び連れ戻される宇宙。
モーグシンセでしょうか。「猿の惑星」みたいになってきた。また風吹いてます。
でもこれは確かに世界に入っちゃうと出てこれなくなってしまう感じだっていうのがわかりますね。
そしてまたこの柔らかーい感じのボーカルに包まれて、だんだんと現実に戻されていくような感覚。
ラストは街の雑踏に落とされるのか。

いや、しかし。

恐れ入りました!! これは、名曲です。

23分の長尺なんて全然気になりませんでした。

確かに、最初の「吹けよ風」でプログレに始まり、がくっと肩透かしをくったようにフォークロックな世界に連れて行かれるけれど、「エコーズ」で再び彼らの世界にはまって、全曲通して聴いてみると、AB面で聴くよりスッキリ統一感があって話の辻褄が合うような感じ。
輪廻の世界観でしょうか。

今回は見事に食わず嫌い返上、です。
何でも食べてみないとわかりません。
他のアルバムも聴いてみたくなりました。

そんなところで、それではまた。

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