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主観分析:TEMPTATIONとASMから感じ取れる歌唱表現

先月4月30日にとぅばちゃんたちの2回目のワルツ<ACT:SWEET MIRAGE>の日本公演が無事に終了しましたね。日本公演当初から終了までの間、様々な出来事があった中での開催でしたが、5人が達成感の笑顔と涙(多分だけど最終日にSOOBIN泣いてましたよね…?)に何とも言えない感情が込み上げてきました。本当に素敵なグループに出会えて私は幸せ者だと…

さて語りたいことは沢山ありますし、まだまだワルツは続いていますが、今回はTEMPTATION~<ACT:SWEET MIRAGE> in JAPANを経て感じた彼らの歌唱表現やテクニックについて書いていきたいと思っています。内容としてはTEMPTATIONで感じたボーカルテクニックや、実際に彼らのLIVEへ参加させて貰った中で、私が感じ取った楽曲へのアプローチの仕方、表現力について。になるかと思います。
毎度のことながら、私自身は音楽の勉強をしていた訳ではないので完全なる個人的な見解となっています。「こういう聴き方もあるんだな」くらいの感覚で読んでいただけたら幸いです。

ALBUM TEMPTATION から聴こえる多様性

ALBUM TEMPTATION のボーカルテクニックや楽曲については、以前kyoyaちゃんとのスペース配信(載せておきますね)で熱く語っているのですが、そこから抜粋して紹介します。

【Ⅾevil by the Window】

・英語の発音をあえて不明瞭にしている(ダブリング部分も多い)
・最後のOutro部分(“High~”)まで基本的にcode進行は変わらず、急な展開を感じさせている
・code進行は変わらないものの、1番2番で歌い方の変化(音圧の強弱)で曲としての物語が進んでいるように聴こえる
・息の量を多めに出して歌っている(かと言って強い音ではなく、語尾への要求が多い)
・全員の声の質感を統一している(エフェクトもある…?)
・BG “High , so high , the crimson sky    It's way too sweet to turn down ”部分の音量差、同じ音(強さ含め)で終わらせている
・TAEHYUNの高音には力を入れて出すような圧力ではなく、女性的な声だからこそ綺麗なまとまりのあるように聴こえてくる(コーラス含)
・OutroのYJ “I‘ll fly~”の歌い出しの部分の秀逸さ(儚いけど芯のある歌い方)
・SOOBINとHUENINGKAIのビブラート(Outro “Oh~”と“good night”)は低音域に向かいながら行う難しい部分のはずなのにこなしている所

【Suger Rush Ride】

・YJ&TH“I can feel ~”の口の開け方とSBの口の開け方(発声方法)の違い
 (洋楽っぽさがあって直線的な前者と口腔内で響かせている後者)
・“セクシーさ”等の楽曲のニュアンスをつかみ取る能力が高い
・YEONJUNから始まる楽曲は曲の雰囲気を一瞬にして聴き手に伝える力がある
・TAEHYUNの高音とエッジを効かせる部分、そして喉を閉めて歌う(エッジとはまたちょっと違うんですよ…)部分の切り替え方が綺麗
・TH“내 다짐 따윈 한순간 풀어 헤쳐져”の“헤쳐져”部分をOの口ではなくAの口の開けかたで歌うことによって生み出された“セクシーさ”
・HKがTHの“업고 놀자 더”を同じ音程のハモリで歌う力加減の良さ(フレーズ感がナチュラルだからこそ、次の勢いに向かうための繋ぎ方が上手い)

【Happy Fools (feat. Coi Ⅼeray)】

・C major(ハ長調)の明るさもありつつ、フレーズの終わりに少しだけ入る♯(シャープ)で雰囲気を変化させている
・母音を意識してわざと強調しながらフレーズの統一感を感じられるようにしている
・BEOMGYUの作詞部分の語彙数が多く、テンポが急に変化するのは次のChorus(サビ)に向かう疾走感を表している
・TH“바보래 내가” BG“좀 늦춰져도 난 안 두려운걸” の掛け合いのような、対比にも感じるコントラスト

【Tinnitus】

・楽曲の音数は少ない分、楽器そのものの音がより聴こえてくる。特にMarimbaの強弱を歌声にも反映させている(BG“두 귀를 막아봐도 멍 더 커진~”の部分)
・楽曲としての盛り上がりが少ない分、悶々とした雰囲気の中にアドリブや単語の発音でのノリ方が決め手になっている。
・歌声が直線的なチーム(YEONJUN・TAEHYUN・HUENINGKAI)と比較的息の量が多めなチーム(SOOBIN・BEOMGYU)がお互いに歌声を近づけて歌っているように聴こえる

【Farewell,Neverland】

・5人の歌声がMinor寄りの雰囲気を持ち合わせているからこそ似合っている楽曲
・1番最初のChorus(サビ)が終わった途端に同じ音色でVerse1(Aメロ)がすぐに入った時の流れ方が秀逸(すぐに語りが始まるかのような…)
・TH“두려워도 난 더 아래로”の前までは音色を強く出し、“아래로”前で弱め表現することで印象強くさせている
・調は違うが前作で「Lonely Boy」を経験したことでHUENINGKAIの表現力が増している
・“Woah~”のBGはアクセント、SBはスラーで歌う歌い方の違い
・その後の“Falling Falling”部分はCode進行的には↘↗↘を繰り返しているが歌い方的には↗↗↘で急降下や浮遊感を表現している(個人それぞれ口の開け方で少し印象が違っています)

【全体として】

・曲の表現/音域の部分で5人に求められるテクニックが(前作より)幅広くなっている
・BehindでSOOBINが「今回のALBUMは歌唱力よりも雰囲気を出す曲の方が多いから難しい」=(つまりは)テクニックを強化するための楽曲であり、なおかつ基本的な歌唱力、今まで培ってきた経験を発揮しないと成立しなかった
・SOOBINとBEOMGYUに求められた音域幅が広かった

…とまぁ約4時間半のスペースの中から抜粋しました!その他にも色んな部分についても語っています。お時間あればぜひ…!

“雰囲気を出す曲が多かった”という今回のALBUMですが、まさか全曲に振り付けがつくとは思っておらず…(Happy Foolsも含め)初めてじゃないですか?全曲に振り付けのあるALBUMって。
雰囲気を確実に掴んで消化しつつダンスでより世界観を表現している彼ら。そんな彼らからASMを通して感じ取れたのは、楽曲(歌声)と振り付けが身体全体に溶け込み馴染んでいるということでした。


ASMで魅せた表現の親和性

私が過去、音楽をするにあたって経験してきた“楽曲に対しての背景・情景をイメージして表現する”というのは、自分の脳内で完結させていたことが多かったように思います。しかしながら吹奏楽では楽譜解釈を全体で共有、Marchingでは動きへ変換することで、聴いてくださっている方々へ自分たちが考える楽曲の世界観を伝えようとしていました。特にMarchingでは楽曲を理解し、そのために必要な(規則正しさは若干ありますが…)動きがあることで楽曲の世界に自分たちも一緒に溶け込むことができていたのではないかと思います。
過酷な練習生期間を経てデビューしたとぅばちゃんたち。その頃から既に楽曲の雰囲気を掴み取る力や表現力があったとは思うのですが、今回のASMでは
楽曲の解釈×歌声×振り付け
この全てが上手く溶け合わさって楽曲の世界へ誘っている。そのように感じました。TEMPTATIONというALBUMで培った楽曲の雰囲気を出すということが振り付けを踊る際に良い影響を与え、表現力が増したのではないでしょうか。また逆に、振り付けの意図を掴んだことで、歌声の音色にも変化があったと感じています。
そして振り付けが無い楽曲では、特にⅮream Chapter頃の歌声とは違ったアプローチのように感じました。
ただ、音源は音源の良さとして色々と工夫されていますし、LIVEは会場の反響とかもある中の音響(マイク音量含)なので違って聴こえるのは当たり前だとは思いますが、それでも彼らのボーカルとしての力量が増えているように聴こえました。
ここからは私が個人的にASMで感じた歌声と楽曲の変化を何曲か抜粋して紹介したいと思います。

【Ⅾear Sputnik】

・マンネズが良い意味で喉を力みすぎずに歌えるようになっていた
 …これは口の開き方にも通じているかな?と思うのですが、以前までは口を大きく開けないと発声できなかった部分を喉の部分は開けつつも口自体は普段と変わらない開き方になっていました。もうマンネズは次の段階に行ったんだなぁ…と
・SOOBINの中低音の力強さ
 …どちらかと言えばBEOMGYUよりも柔らかい印象を受けるSOOBINの中低音なのですが、冒頭の方で出てくる“차디찬 대기 속 미친 외로움만”で音源と違う少し芯のある声になっていてGBGBを経たからこその声だ…!と感じました

【Opening Sequence】

・5人全員の楽曲への溶け込み度の高さ
 …これはずっと踊ってきた分、身体自体が振り付けを覚えたのもあるとは思います。しかし上記で述べたようにTEMPTATIONで培った雰囲気を出すという部分でより磨きがかかり、振り付けに引き込まれた歌声がより幻想的で儚い音色になっているように感じました。

【Farewell,Neverland】

・楽曲への没入感
 …楽曲そのものの世界に入る時、本人たちのイメージも勿論大切だと思いますが、これは“船”という視覚的に雰囲気を感じ取りやすいものがあった事が大きな理由のひとつだったのではないかと思います。YEONJUNの歌い出しの前の呼吸、ここから楽曲の世界は始まっていて全員が溶け込んだ瞬間だったと思います。
・音源よりも強い音色(ただしTH“아래로”はもの凄く自然体)
 …これは本人たちの楽曲への強い思いもあるのかな。と感じさせるような音色だったかと思います。音源よりももっと意志を貫こうとする姿が見えたような。“Falling Falling”の部分でYEONJUNがaeの口の開き方(口角はaだけど喉の方はeで開けていた)のように発声しているのを見て聴いた時には鳥肌がたちました…あれは怖い。
  そしてkyoyaちゃんとのスペースで話し続けていたTAEHYUNの“아래로”ですが、ここのタイミングで強弱を効かせるのではなく、もの凄くナチュラルに歌うんです。音源のように楽曲を表現というよりも世界観を表現した音色に聴こえました…やっぱりこの子凄いんだわ…納得

【Our Summer】

・BEOMGYUの明瞭な音色
 …この楽曲でのBEOMGYUの歌声って個人的に儚さが表立っているように感じていたのですが、最後の方にある“황금빛 모래  여름 바다 위 뜨거운 태양”でハッキリとした音色で歌った瞬間に、本人の楽曲や歌詞の捉え方が変化したからこその歌声では…?と思わせてくれました。音域幅が広がったからこそ、以前よりも音圧の強さだったり変化をつけやすくなれているのかな?とも感じました。
・裏Chorus・フェイクとの相乗効果
 …これはTwitterでも書いたのですが、特に後半部分のヒョンラ(+TAEHYUN)の部分です。5人全員のボーカルとしての力量が増えた事、音色の相性が良いからこそだと思います。“良い声×良い声”だとお互いの良さを打ち消してしまうパターンがあると思うのですが、それがない。お互いの音色を尊重し合っているように聴こえるんです。ここは常に集中して聴いていた部分でした。


まとめ

と、つらつらと書かせて頂きました。ここに挙げていない他の楽曲でも感じたことはありますし、LIVEの構成や彼らがMOAと作っていきたいLIVEってどんなものなのかな…と書きたいことは沢山あるのですが上手く文章で表現出来ず…未熟者です。笑
LIVEを通して、とぅばちゃんたちがオフラインで公演する(経験値を上げる)ことで魅力も表現力も増え、より洗練されたパフォーマンスが出来ていること、そしてMOAを大切に、楽しんでいって欲しいということを直接感じることが出来たのは幸せなことだと思いました。

TEMPTATIONというALBUMで感じ取った彼らのボーカルテクニックや音色での表現した部分。ASMでの音源とは違った、より彼らの“今”を感じられた部分。それを少しでもこの主観分析で感じて頂けたら嬉しいです。

7月の日本ALBUMもASM追加公演も楽しみですね!
また、これからも続くASM WORLD TOURが無事に完走できることを祈っています。

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