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大阪出身、現在は別府で一人暮らしをしている大学生です。 かけがえない私の日常のかけら…

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大阪出身、現在は別府で一人暮らしをしている大学生です。 かけがえない私の日常のかけらたち。 https://note.com/witty_newt7528

最近の記事

青梅雨

ぱちぱち、ぱちっ 透明の傘に雨が降る。 足元のコンクリートは少しづつ表情を変えて、 乾いたところはもうほとんどない。 自転車に乗る時に カッパを着ないといけなかったり、 くせ毛がいつも以上にうねったり、 洗濯物が外に干せなかったりするけれど、 私は雨が好きだ。 この梅雨の時期、 ピンクの傘をさして、 雨の音にかき消されないように 大声で友達と話しながら登校することも 電気の灯った教室で授業を受けることも 小学生の私にとってすごくワクワクすることだった。 外の暗さに反

    • 桜がきれいだと伝えるように

      「以心伝心」 仲が深まって相手を深く理解していくと、 言葉で伝えなくたって伝わる、 相手が汲み取ってくれると感じるようになる。 以心伝心できるような深い関係性には 憧れる、、、。 夏の気配を感じるようになった頃、 髪の毛を染めた。 少し赤みがかった茶色、 日が当たるときれいに赤が発色するけれど、 暗い場所ではあまり分からない。 蛍光灯の下で見ると、やわらかい茶色。 スペインで食べた、チュロスに付けるチョコレートを思い出して食べたくなったりする。 家に帰ってから、今にもと

      • 台風の目

        「頑張れたほうがいいに決まってるじゃないか。」 藤崎彩織さんの著書、ふたごの中で月島は夏子に 言う。 頑張ることよりも頑張れないことのほうが つらい、、、。 発売されてすぐに自転車でTSUTAYAに行き、 貯めていたお小遣いでふたごを買った私は、 時間がかかりながらも大切に読んだ。 13歳の夏休み。 バスケットボール部で 来る日も来る日も練習に明け暮れ、 頑張りすぎてキャパオーバーに なりかけていた私には 「頑張れたほうがいいに決まってるじゃないか。」 という月島の言葉の

        • 1日を始める

          私は朝が大嫌いだった。 心地よい布団から出ることは、 私にとって1日で1番勇気のいることだった。 世界で自分しか起きていないような孤独感が のそのそと私の元へやってくる。 高校生の時、部活動のために毎朝早起きをしていた。 重い空気とともに布団を持ち上げ、 ベッドから足を出す。 まだぽわぽわとあたたかい足が床についた瞬間、 戦いの合図が聞こえて 慌ただしい私の一日が始まる。 寝つきがいいほうではない私は、 「なんで夜に眠くならんのに、 朝はあんな眠いねん!!」 と、もう見飽

          私の惑溺

          ぱぁぁぁんっっっっ。 精一杯高く掲げた手のはるか上に、 きらきらと銀色の雨が降ってくる。 その雨が落ちてくると、 やがて一面に銀色の光が揺れる。 大好きなアーティストのコンサート、 銀色のテープが降る瞬間、 私はいつも、どうしようもない切なさに 涙が溢れる。 私は音楽が好きだ。 その音の上で変幻自在に舞う言葉が大好きだ。 何より、音楽を通して見える人のつながりを この上なく愛おしく思う。 音楽を聴くことで、自分が見たことのない景色を 見ることができるし、 詩が自分の感

          春のにおい

          「わあ、春のにおいがするね。」 一人暮らしをするアパート、お気に入りの景色が見えるベランダの分厚い窓を開けると、 心地よい夜風が肌をなでる。 「春のにおいかぁ。」 独り言のようにつぶやいた。 春のにおいって何だろう。 桜のにおい?菜の花のにおい?それともつくしのにおいだろうか。 におい、というと植物のにおいばかりが思い浮かぶ。 「春のにおいって何のにおいだろうね。」 背後でパソコンとにらめっこをしている友達に、今度は私が問いかける。 無論、パソコンを前にして何も進んでい

          春のにおい