15 最近のインプット、ゲリラガールズ展

暖かくなってきました、3月。あったか〜幸せ〜 コロナが始まってから季節に対して鈍感にならざるを得なくなっていたが、最近は空気の温度・匂いを全身で味わえるようになってきて嬉しい。春、かなり好きかもしれない。
意識的に、というわけではないのだが、2月中旬頃から私の生活のあらゆる部分で変化が起きている。何かを変えようと強く思っているわけではないのだが、星の動き?(私は急に占いを持ち出します)のせいか、内的・外的環境が自分に及ぼすわずかな変化に楽しさと多少のストレスを感じながら過ごしている。本をよく読んだり、財布を落としたり、お金の管理に気を使い始めたり、人に会ったり、舞台を見に行ったり、など。仕事で基本的に残業がないので、せっかくなら退社後の時間を有効に使いたいし、多少疲れが溜まってもやり過ごせてしまえば結局頑張ってよかったと思えるのはわかっているし、疲れた方が気持ち良く休めるので、もう少し踏ん張っていきたいところです。

豆大福が大好き

怒涛のインプット期間で観た・読んだものを記録しておこうと思う。

本📚

『ネグリ、日本と向き合う』
アントニオ・ネグリのことをほぼ名前しか知らなかったので、来日した時の講演記録的な新書から入ろうと思い読んでみた。そもそもネグリの主題「アナーキー・国家・ユートピア」「マルチチュード」を理解していなかったし、来日当時が3.11直後で話題がそればかりだったので、途中で断念。最初に読む本ではなかった、いつかリベンジしたい。

『食がデザインする都市空間』
途中で断念シリーズ第2弾。食文化(生産〜流通〜消費〜廃棄)が街を作り上げた話を、西欧におけるチョコレート発祥の歴史から始まり現代の京都・錦市場の事例までを通して紹介する、論考のオムニバス的な一冊。筆者が分散しているので一冊の本として読み進められず、タイトルが想像していた個人的な関心部分は薄そうだったので断念しました。

『アナキズム入門』
アナキズム、アナーキー。わかっているようでわかっていない言葉、わかったふりをしても生きていけそうだけど、どこかでしっかり理解しておきたい言葉、ということで、まずは入門から。16世紀フランスの革命期、18世紀、現代のアナキズムを代表する人物を紹介し、その精神性を描き出す。語り口がかなりラフなのと、途中でマルクスをボロクソに言ったりしていて、面白く読み通すことができた。大好き、アナーキー。

『アート:”芸術”が終わった後の”アート”』
学生時代のゼミ輪読で一度読んだが、当時は「アート」の定義の部分からかなり混乱していて正直全然頭に入ってこなかったので、読み直してみた。この数年で多少は解像度が上がったのと、流し読みする癖をやめて精読を気をつけたら頭にスルスル入ってきたので良かった。学術書とか、みんなどういうイメージで読んでいるんだろう?私の場合は、文を頭の中でイメージに起こすと理解しやすいようなんだけど、他の人のコツを聞いてみたい。

『公の時代』
これも学生時代に買ったきり、積読にしていたので清算の意味で読んだ。もう内容が面白いのなんて分かっていて、やっぱり面白かった。「公化する個」。特に日本においては公=世間で、「一般への配慮」という名目のもとに「個」が回収され、その他のイレギュラーは排除される。基本単一民族なので想像が難しいが、トライブ間の「あいだ」的な場所がないということ。この間のEAST EASTの「中間領域」にも通ずる話で興味深い。他にあいトリの話とか。ポリコレとか、ダークウェブとか。

舞台🕺

ハンブルクバレエ団「ジョン・ノイマイヤーの世界 Edition2023」
縁あって招待してもらい、超久しぶりのバレエ鑑賞に行ってきた。と言っても本公演は現代バレエ?コンテンポラリーな感じだったので、生まれて初めて観る表現形態で、すべてが新鮮な体験だった。物語、音楽、振り付けに合わせて人間がアサインされ、指示の通りに美しく動くバレエではなく、人間から始まり、感情、身体の動きをもとに振りがつけられていく現代バレエ。昔は前者を好んでいたけど、最近はもっぱら後者に面白みを感じるようになってきていて、自分の変化がなんだか嬉しい。

Bunkamura「アンナ・カレーニナ」
突然宮沢りえが見たくなって、U25で観てきた。ザ・舞台。序盤から華やかさと不幸さを同時に醸す宮沢りえ。小日向文世が結局やっぱり良かった。普段全然舞台を見に行かないけど、今後はチャンスがあれば見に行っておきたい。26歳になる前に。

映画🎬

パク・チャヌク「別れる決心」
うちのナムジュンが8回も観に行ったらしく、じゃあ私も、ということで行ってきた。評判に違わない面白さ、凝り方ではあったけど、ストーリーは私的にはイマイチ?撮り方とか、メタファーとかギミックとか、複数回見ると味わいが出てくるのかも。

展示🎨

ゲリラ・ガールズ展
国際女性デーに合わせて渋谷で開催されたゲリラ・ガールズ展。スペースは小さいものの、来場者が社会の不満を投稿する参加型作品「Complaints Department」には、フェミニズムの意識を持った来場者のさまざまな声がポストイットで貼られていて、これだけで来た価値のあるものだった。大学生になり、社会人になり、慣れたり諦めたりする術を覚え、ないものとしてしまっている古い記憶が少し掘り起こされる感覚があった。それはきっと無視しないで大切に守るべき記憶で、取り出して今の自分が見つめ直し向き合わないと、いずれ歪みの生じる問題だろう。個人的なことは政治的なことだけど、衝動的にアグレッシブになる前段階として個人的なことを個人的なこととして扱うステップは間違いなく必要。

そんな感じでした。花粉症に負けずに、それではまた。


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