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【読書】『罪の声』

皆様こんにちは、多趣味娘です☻

普段、読書記録は感想も含め、読書メーターに記録しているのですが、衝撃の本に出会ったので、つらつらとここに書きたいと思います。

先日、塩田武士さんの『罪の声』を読みました。
「グリコ森永事件」という実際にあった事件を元に書かれた本です。この「グリコ森永事件」は、未だ未解決事件で、時効が成立している事件です。私が生まれるより前の話なので、この本を読むまで事件ことは知りませんでした。

本を読み進めていくうちに、事件の概要を知りたくなっていろいろと調べました。そうすると、この本の流れが実際の事件をほぼ忠実に再現しているもとういことを知りました。未解決事件なので、途中からフィクションに変わっていく(作者の創造によって、事件の真相が暴かれる結末になっていく)のですが、そこから物語の最後に至るまでがとってもリアルで…。本当にこんな現実があるんじゃないかと、いろんな意味で震えるものがありました。

そして、私が感銘を受けたのが、作者の塩田さんがこの作品を作ろうと思ったきっかけです。

この事件では、犯人が現金を何度も要求してくるのですが、その要求の手段として子供の声を録音したテープを使用しているのです。そう、事件に子供を巻き込んでいるのです。テープに録音された声の主は未だに特定されていないそうですが、当時小学生、中学生くらいの子供の声だそうです。

塩田さんは、事件の犯人が、関係のない子供たちを巻き込んでいることに対し憤りを覚えて、そんなことがあってはならないといことを訴えるためにこの物語を書いたそうです。

『罪の声』を実際に読むと、そんな塩田さんの気持ちが前面に表れているのがわかりますし、ひしひしと伝わってきます。

ただただ「暗」なこの物語ですが、そんな暗さの裏で作者のそういった気持ちが込められていると思うと、なんというか、いたたまれない気持ちになると同時に、子どもの未来を大人の都合で奪うようなことがあってはいけない、と実感しました。



興味のある方はぜひ読んでみてください📖