【書籍】よくわかる浄土宗
私は特定の宗教に対して全く関心がない(いわゆる無宗教)のだが、話しをしていてちょっと気になったので、さわりだけでもと思い手にとった本書。
そもそもの前提から間違えていた。。極楽に行くために念仏(南無阿弥陀)を唱えるのは、なにもなにの苦もない快楽の世界へと行けるためではなく、欲にまみれた現世(娑婆:しゃば)で特別な修行をせずに煩悩をなくし、悟りの世界で安住することであったのだ。
なお、浄土とは「悟りを開いたブッダの住処で、悟りを目指す菩薩の住処でもある(p32)」とのこと。さらには「浄土は極めて荘厳な美しい世界であるという(p33)」とあるように、
人生は分岐点はすでに決められて、そこまでに進む道順の選択を私たちはしているだけにすぎない、という考え方もある。一方で、迷いが生じたとき仏教の教えに従っていれば、正しい方向へと進めるという。それ(正しい道)が楽しいかどうかは別にして。
実体がない=すべてのものはいずれ消滅する。
色即是空 空即是色。特に「空(くう)」の説明としては、以下が理解しやすかった。
上記にもあるように、あらゆる物質(=色)は、特定の物体として存在している訳ではない=ある状態によって保たれている=固定的なものは存在しない(=空)。
錬金術では、あらゆる物質は四大元素(風、土、水、火)で構成されているとあったように、現代においてあらゆる物質は原子によって構成されている。
また、色即是空だけでは空の概念は不十分であり、「空即是色」とセットで扱うことによって意味を成すものであると上記の記事では指摘している。
固有に定まったものなどこの世には存在しない。しかし、定まっていないからこそ、さまざまな存在になり得ることができる。
信仰心はなくとも、アート的に仏教的思想は面白いかもしれない。ほかの宗派だと、また違った側面がみえるのかもしれない。
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