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令和6年第2回定例会が閉会しました①一般質問について解説します

こんにちは。杉並区議会議員の前山なおこです。

昨年4月の杉並区議会議員選挙から1年が過ぎました。この1年間、区民のみなさんからいただいた声やわたし自身、子育て当事者、前職で障害者の就労支援をしていた経験から一人ひとりの声でつくる杉並区政にしていきたい、杉並区をよくしていきたいという想いで働いてきました。日々勉強ではありますが、2年目はこれまで関わってこなかった分野にも視野を広げ区民のみなさまの声を区政に反映できるようがんばります!

杉並区議会は、6月3日から6月21日まで令和6年第2回定例会でした。今回の一般質問のテーマは「学校におけるICT活用について」。保護者、学校の先生、子どもたちの学びや活動をサポートしてくれている地域のみなさんからいただいたご意見やご要望をもとに一般質問しました。

2019年12月、文部科学省がGIGAスクール構想を発表し、区内の小中学校でも1人1台タブレットが完備され約3年が経ち、各教科等の指導におけるICT活用は、子どもたちの学習への興味・関心を高め、分かりやすい授業や主体的・対話的で深い学びの実現につながっており、うまく活用することで子どもたちの学びの可能性が拡がっています。

一方で、生まれたときからインターネット社会に接している「デジタル・ネイティブ世代」である現代の子どもたちは、デジタルを知ったときから現実とネット、2つの世界に存在できるのが当たり前で、トラブルに合わないために大人がつくった約束を子どもたちに守らせようとするだけではトラブルや犯罪から子どもたちを守ることは難しくなっていると感じます。また、タブレット端末が配布されたことで、これまでにはなかったようなネットいじめやオンラインゲーム上でのトラブルなど、新たな問題も増えており、子どもたちが自ら考え、デジタル社会に参画するスキルや課題解決能力を身に付けるため、これからの学校教育に必要なこと、家庭や地域との協力、そして今年4月から教育長が新任したのでトップのリーダーシップのもとICT活用をさらに進めていくことを要望しました。

区議会でもタブレット使用における健康への影響は議論されており、わたしも深夜まで学校で配布されたタブレットでゲームをしていて生活リズムを崩しているお子さんがいると聞きました。練馬区では、利用可能時間を設定しており、区でも保護者から「保護者が知らないところで夜間にサイトへアクセスしていることが心配」という相談から希望があった小学校1校で、4月末から夜間のタブレットの起動時間の制限をかける実証を行っています。実証に関して現状は、保護者からの問い合わせ等はなく、課題はないという教育委員会の答弁でしたが、午後10時以降は使用できない設定にすると、塾から帰宅した後にタブレットで宿題ができなくなるといった声もあるのでタブレットの使用ルールについては引き続き子ども、保護者の意見も参考にしながら考えていきたいと思います。

また、教育委員会では「タブレット端末を安心・安全・快適に使用するために、お子様と一緒に家庭でのルール作りをお願いします。」と家庭への協力を求めてはいるが、ルールをまったくつくっていない家庭もあります。保護者にも、タブレット使用の理解を深めてもらい、学校で配布しているのだからルールや使い方も学校で教えるべきとか、トラブルがあったら学校の責任ではなく、学校とともに考え、協力して子どもたちのICT活用に取り組んでいく必要があると考えます。

区内のある小学校では、休みの土曜日、学校支援本部主催でICT教室を開催し、実際に保護者にもお子さんと一緒にタブレットを触ってもらい子どもたちが学校で学んでいることを知ってもらったり、校長先生から小・中学校でのプログラミング教育の位置付けなどについて説明をすることで保護者への理解啓発につながっています。ICT活用には、学校や教員だけが頑張るのではなく学校と保護者、子ども、地域が一緒になってICT活用について考えていく機会や連携などの工夫が必要ですが、サポート体制が整っている学校以外でそれを実施していくことは困難です。教育委員会としては、学校運営協議会や学校支援本部、地域の協力を得ることも含め、取組の工夫について検討していくということですが、ぜひ保護者のみなさんも一度お子さんとタブレット使用について話してほしいと思います。

一般質問の内容は、まだまだ続きますが長くなるので本日はここまでとします。次回は、一般質問で取り上げたデジタル・シティズンシップ教育について説明していきます。これまでの日本の学校では、デジタル機器やインターネットの利用に関する行動規範を学ぶ情報モラル教育をしてきましたが、現代社会ではデジタル機器やネットを使わずに生活するのは電気や水を使わずに生きていくのと同じくらい難しく、子どもたちをトラブルや犯罪から守るためにはルールを守らせるやり方だけでは子どもたちを守ることはできません。子どもたちをトラブルや犯罪から守るためにはそれらをうまく使い、役立てるために必要な能力やスキル、問題は起こることを前提にその解決方法を考える力を身に付けようとするデジタル・シティズンシップ教育とは?

続きは次回!最後までお付き合いいただきありがとうございました。