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あいさつとアホさ


エチオピアに来てから、あいさつをめっちゃします。

しかも、日本よりもかなり濃度の濃いのを。




エチオピア流のあいさつの仕方は、
①握手 ②お互いの肩を2・3回軽くぶつける
が基本です。

女性の場合、両頬にキスをするというときもありますし、
男性でも握手したのち 肩をぶつけず抱きしめてくる同僚もいます。笑


初対面だったり 丁寧さで距離を取る場合は、握手のとき 反対の手を肘あたりに添えて握手をします。
店員さんがレシートを持ってきてくれる時もこんな感じです。



以上が動作編。
言葉も何度か行き来します。

基本はsalam now?です。直訳すると 平和ですか? となります。
そこに、indet now?(調子はいかがですか?)、dahna now?(元気ですか?)、aman now?(恐らく 幸せですか?の意)などが続きます。

これらはアムハラ語というエチオピアで広く話される言語なのですが、80以上民族のいる国家なので 80以上の言語があり それだけあいさつもあります。


自分の任地のワライタ県ではワライタ語というのがあり、あいさつのときアムハラ語+ワライタ語で というときもあります。

例えば、aimareと言えばroと返ってきたり anjyajyeと言えばfirateと返ってきたりするわけです。



エチオピアのあいさつ事情はこの辺にして。

エチオピアでのあいさつの話はまたどこかでしたいです。



さて、

こっちに来てから感じたのは、
あいさつをするとき 人はアホになってる気がする ということ。




こっちの人は、毎日会うのに、会うたび すごく嬉しそうに握手したり ぎゅっと抱きしめてくれたりします。
過剰とも思えるほど。


なんで昨日も会ったのに、今日もこんなにアツくあいさつしてくれるんだろう
でもそういう自分も、自然と嬉しくなって、握手したり 抱きしめたりしてます。


アホ という少し強めの言葉を使ってしまいましたが、自分を含め そうとも言える様な気がしています。


もう少し湯煎すると、

アホとも思えるほど、毎回同じあいさつを動作を でも楽しそうに 嬉しそうにやっていて、 それに乗っかっている自分がいます。

それはまるで、毎日を楽しんでいるように 毎日の出会いを楽しんでいるように


日本ではここまで楽しくあいさつしていなかった気がします。日本ではここまでアホじゃなかった気がします。

もっと形式的で、親しみたい気持ちがあっても それを表せるような言葉や行為が 日本のあいさつにはないような気がします。
奥ゆかしい と言えるのかもですが、ゆかしくても 奥すぎては な気がするのです。


あいさつはある種の定型表現であって、
定型だからこそ 人間関係の基盤になるものだと思います。
決まっていて変わらないからこそ、そこから始まっていく。

でもそれだけではなく、あいさつが愛情表現の一つであったり 毎日の出会いを喜ぶものであってもいい気がします。


それには、もう少しあいさつにアホさが加わってもいいのかもな と思う次第です。



追伸

アホ というのをもう少し細かく書くと、意味をそこまで考えていない ということになるのかもしれません。


もっとも、
あいさつするとき そこに特に意味は付与されていない と思っています。
あいさつの中身より むしろあいさつをする 重ねるということに意味があるのだと思います。


ですが、

こちらでは意味を持っているわけではないあいさつを、高めの熱量で毎日やっている ただの儀礼ではなく、そこにはきちんと血が通っている そんな気がするのです。


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