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本を読んだり、映画を観たり、音楽を聴いたりして様々なことを感じたり考えたりする。時間に…

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本を読んだり、映画を観たり、音楽を聴いたりして様々なことを感じたり考えたりする。時間にゆとりができて、これらがものすごく豊かで深い体験であることを再認識しています。確認と記憶のためにnoteを始めました。

最近の記事

「街とその不確かな壁」(村上春樹著)を読んで〜読書感想〜

【初読の感想】 静かなトーンの語りだった。 (歩くくらいの文速は)疲れなくて体に合っていた。 程よい距離をウォーキングした後に全身心地よく血が巡っているように、 物語が身体じゅうに沁み込んできている、 そういう余韻の感じ方。 初読の今は 第二部が好きだな。 とりあえず浸っていたい。 2023年4/14初読読了。 ************** 【再読の感想】 年を跨いで読みたくて年末から読み始めた結果、、、 とても個人的な物語なのではないかと思った。 物語を超える現実

    • 「1Q84」を読んで〜読書感想〜

      Book1前編 文が尖ってる。 9/9読了。 Book1後編 描写がエグい。 9/11読了。 Book2前編 牛河にぞんぞが走る。 9/11読了(一気読み) Book2後編 『空気さなぎ』おもしろい。 9/13読了。 Book3前編 まだ二人は会えないのか。 9/13読了(一気読み) Book3後編 『小さなもの』は維持されるのか…。 9/15読了。 ******************** 読後、あらためて ヤナーチェックの「シンフォニエッタ」を聴いてみる。

      • 📕夜の樹(🖋️トルーマン・カポーティ/川本三郎訳)を読んで〜読書感想〜

        【 MEMO 〜「無頭の鷹」までを読んで〜 】 ① 主人公はあちらの世界に行ってしまう。 ナビゲートするのは出会った不気味な人物。 少女だったり二人連れだったり。 彼らは主人公をより深い世界へと連れて行く。 それは主人公の無意識の領域、さらにその下の領域、魂とよばれる域。 主人公が見ているのは現実世界でもありナビゲーターと存在する現実によく似た世界。 現実世界では主人公の表層、意識の領域が彼の社会生活を支えているので、他者からはほとんど変わりない彼だと思われている。 ② 一文

        • 📕五月 その他の短篇(🖋️アリ・スミス/岸本佐知子訳)を読んで〜読書感想〜

          とにかく「なんのこっちゃ⁈」な話ばかりだった。 ヴァージニア・ウルフの文体に近い(と思った)、流れるような語りだが、 読後は自分がどこに流れ着いたのか、位置がわからない。 それでも次の話をすぐにでも読みたくなる。 妖しく惹きつけられる短編集だった。 ーーーーメモーーーー §普遍的な物語 思いつくままに語ったような、 とりとめのない話に思えるけれど、 何かがあるぞ、と頭の奥がぞわぞわする。 普遍的な物語だからね。 「グレート・ギャツビー」、 古本になっても存在感光ってる。

        「街とその不確かな壁」(村上春樹著)を読んで〜読書感想〜

          📕海辺のカフカ(村上春樹 著)を読んで〜読書感想〜

          (再読)  読むのは3回目で大筋は覚えているにも関わらず、何もかも「はじめまして」状態で新鮮。 村上作品は大概がそうなる。古びない。  ジャンル不明、というか章ごとにメインのジャンルが入れ替わる。心理的な深掘りの章、叙事的な章、幻想的な章、ホラー的な章、お笑い(?)的な章…と、次の章を読み始めるときにわくわくする。  特にホシノくんとナカタさんの章は吹き出してしまう可能性があるので、読む場所に気をつけないといけない。けれど、漫才の掛け合いのような会話の中にもはっとする言葉が

          📕海辺のカフカ(村上春樹 著)を読んで〜読書感想〜

          「コレラの時代の愛」(ガルシア・マルケス)を読んで〜読書感想メモ〜

          2年ほど前、最初にステイホームを余儀なくされた頃、 たしか、毎回楽しみに聴いている「村上radio」で 家で何をするのかという話題になって 村上春樹さんが「コレラの時代の愛」を読み直したと言われたのを聞き、 いつか読もうと思っていた。 ガルシア・マルケスという作家を知ったのもこの時で、 先に「百年の孤独」を読んだ。 「百年の孤独」はじわじわと染み込んでくるような深い思索の波に静かな感動を覚え、 昨年読んだ本でもベストワンだった。 それに比べると、 「コレラの時代の愛」は、

          「コレラの時代の愛」(ガルシア・マルケス)を読んで〜読書感想メモ〜

          「科学は、どこまで進化しているか」(池内 了)を読んで〜読書感想〜

          科学の各分野について、理論、現状と課題を分かりやすく解説した本。 とはいえ、専門的な事柄も述べているので理解できたのは7割くらい。 科学は知であり技術とは分けて考えるということは、 わかっているようで案外わかっていないことで、根本的で大事なことだと認識した。 技術が進化すればするほど、人間は謙虚であるべきだとあらためて思った。 「人類が滅ぶとしたら、何が原因か?」の項で、 生物は遺伝子の劣化による絶滅を繰り返していて、その寿命は400万年から500万年らしい。 だが、近代

          「科学は、どこまで進化しているか」(池内 了)を読んで〜読書感想〜

          レキシントンの幽霊(村上春樹 著)を読んで〜読書感想〜

          新年一冊めは軽めでいきたいと短編集にした。 が、何故に”幽霊”を選んだのか⁈ そうだ、編まれている「沈黙」が気になっていたからだ。納得。 「孤独」が通底しているが、 ツールとして異界、異形、幻想、リアリティー、と幅広く揃えていて、 様々な物語を“楽しめ“ておトク感たっぷり。 良い本を選んだ、と大満足♡ 今年は村上作品を読み直そう❣️ 🔖レキシントンの幽霊📖 イチオシの作品。 「レキシントンの幽霊」の真夜中のパーティーの場面は、ビル・エヴァンスのライブレコード「villa

          レキシントンの幽霊(村上春樹 著)を読んで〜読書感想〜

          新年

          新年を迎える… 子どもの頃とは心持ちが全く異なる。 今日が明日になっただけじゃん、 などと斜に構えた見方になってしまったきっかけはある。 そんな見方が20年も続けば、今さら世間並みの年末年始気分にはなれない。 ただ、今年気づいたのは、 新年を迎えられることのありがたみ。 あけましておめでとう、は 新年を迎えられて良かったね、という意味だということ。 当たり前だと思っていたことが、 実は「偶然」なのか「奇跡」なのかわからないけれど、 とにかくそうではなかった可能性もあるとい

          護られなかった者たちへ(🖋中山七里)を読んで〜読書感想〜

          そういう結末だったのか… ヒューマンミステリーという謳い文句に頷ける。 社会派小説にもなり得る要素を盛り込みながらも、 ミステリーに落ち着かせたのは、 作者が私(読者)に問うているのだと思った。 ミステリーは毎回私に、 伏線を確認するための読了直後の読み返しをさせる。 もっと注意深く読んでおけば…と思いつつ、 「こんなところに⁉︎」「めちゃくちゃ匂わせてる‼︎」などと、 結末を知ってるからこその発見(?)が楽しい。 中山七里さんの本のうち、 これまでヒポクラテスシリーズ

          護られなかった者たちへ(🖋中山七里)を読んで〜読書感想〜

          📕村上春樹、河合隼雄に会いに行く(🖋河合隼雄/村上春樹)を読んで〜読書感想〜

          最近の読書関連で再読したくなった。 意識のもっと奥(井戸掘り)について常に考えている二人の対談は、 とにかくinteresting‼︎ 今回面白かったのは… 結婚観。 〈愛し合っているふたりが結婚したら幸福になるという、そんなばかな話はない。そんなことを思って結婚するから憂うつになるんですね。なんのために結婚して夫婦になるのかと言ったら、苦しむために、「井戸掘り」をするためなんだ、というのがぼくの結論なのです。〉 〈(結婚は)むしろお互いの欠落を暴きたてるー声高か無言か

          📕村上春樹、河合隼雄に会いに行く(🖋河合隼雄/村上春樹)を読んで〜読書感想〜

          📕百年の孤独(🖋G.ガルシア.マルケス)〜初読の感想〜

          「怒濤の」ラスト3ページだった。 大河が、突然大瀑布となって目の前から消えてしまったかのような。 後には、深い緑の密林が鎮まりかえっているだけ。 読み終えて、ふうっと大きく息を吐き深呼吸した。 じんわりと、森の深閑とした空気と物語の重みが胸の中に広がって、 涙が出そうだった。 震える物語だった。 昨年、インタビューか何かで、 村上春樹さんがステイホームで読んだ本を聞かれて ガルシア=マルケスの「コレラの時代の愛」を挙げられていて、 それでマルケスという作家、「百年の孤独

          📕百年の孤独(🖋G.ガルシア.マルケス)〜初読の感想〜

          「女のいない男たち」〜読書感想メモ〜

          「国境の南、太陽の西」の延長線上の話かと思うくらいの、悩める男たちだ。 凝縮されてて、とにかく濃いぃ。 ここに登場した男たちにも女たちにも当てはまらないし、当てはまりたくない。 当てはまる部分もあるという事実から目を背けたい。 客観的に見る立場にいたい。 突き詰めると抜け出せなくなりそうだから。 「ドライブ・マイ・カー」 みさきの言葉、 「頭で考えても仕方ありません。こちらでやりくりして、呑み込んで、ただやっていくしかないんです。」 うん、そのとおりだ。 そのことについて、

          「女のいない男たち」〜読書感想メモ〜

          「むき出し」(兼近大樹 著)を読んで〜フレーズメモ〜

          EXIT,お二人の人柄に惹かれて,注目している。 (もちろん,漫才も大好き♡) 「むき出し」を読み進めると,心に引っかかるフレーズが次々に出てくる。 それらをメモしておくために,ここに残す。 ***** 人生の道路は何本も敷かれていて、その道は、色んなところで交わっている。 本書ける頭いい人なのに、俺と同じこと考えてんじゃん! 書いている意味を理解出来た時、誰かと繋がっている気がした。この文を読んでいる人が世界のどこかにいて、それぞれ何か考えている。それぞれの受け取

          「むき出し」(兼近大樹 著)を読んで〜フレーズメモ〜

          「コーヒーと短編(庄野雄治 編)」を読んで

          素敵な本に出会えた。 主に大正・昭和前半の作家の短編を中心としたアンソロジー。 名前は知っていても読んだことがない作家がほとんどで、何を読めばいいか迷うことなく作品に触れることができるのが嬉しい。 「はじめに」で編者の庄野さんが述べられている〈強弱とリズムのある自由な一冊。〉〈コーヒーも本も、決まりはなく自由に楽しむものだ。〉に共感してページを捲った。 タイトルどおり、コーヒーをお供に。 骨太。どの作品も言葉がぐいぐい迫ってきた。 一つ読む度に「言葉の力」に圧倒され、刺激

          「コーヒーと短編(庄野雄治 編)」を読んで

          「緊急事態下の物語」を読んで

          5人の作家の短編集。 「腹を空かせた勇者ども」:金原ひとみ 🔖“私は人の気持ちを鑑みながら、それでも自分の気持ちを維持させていく道を模索し続けてる。その中で、これはアクシデント的に起こった一つの事象でしかない。起こったことにはただ粛々と対応するしかない。“ “いかに趣味判断を乗り越えるかというのは、哲学が誕生した時から人類の命題で、簡単に答えが出るものじゃない。だからこそ、趣味判断をしては奈良に、と言うことも、趣味判断をするべきだ、と言うことも、浅はかであるという印象しか与

          「緊急事態下の物語」を読んで