「不要来感染中国!」の紙を貼ったことに対する略式命令は表現内容に着目した規制だったのか

「中国人は来るな!」という趣旨の紙を貼ったとして京都市屋外広告物条例違反容疑で旭化成社員が逮捕された。

このニュースを受けて、Twitterでは「中国人を贔屓するのか!」「このような主張もできなくして日本人の発言を封じていくのか…」などと批判的な声が上がっていた。

今回の逮捕について詳しく調べてみようと思う。


略式命令が下ったとの記事は以下の通りである。

逮捕されたときの記事がこちらである。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022100894&g=soc


略式命令後の記事では、「起訴状などでは、男性社員は2月20日、東山区の路上で、電柱に「不要来感染中国!」と印刷した紙2枚を貼り付けたとされる。」

逮捕後の記事では、「東山署によると、内山容疑者は20日午後10時15分ごろ、祇園(東山区)の路上で、市長の許可を得ずに中国語が書かれたビラ1枚を電柱に貼った疑いがある。」

前者は、内容に着目した報道であり、後者は市長の許可を得ずにビラを貼ったことに着目した報道である。

記事を読み比べたとき、若干受ける印象が異なるのではないだろうか。


以下、本事件がどうなっていたのか考察する。

今回問題となっている事件の被告人は、京都市屋外広告物条例の何に違反したのか。

京都市の「屋外広告物制度の解説」を見ると、

屋外広告物とは,
①常時又は一定の期間継続して
②屋外で
③公衆に表示されるもの

であり、今回のビラもこれにあたると解する。

京都市は、「市内全域を屋外広告物禁止地域,屋外広告物規制区域又は屋外広告物等特別規制地区に指定しており,屋外広告物規制区域内及び屋外広告物等特別規制地区内で屋外広告物を表示する場合は市長の許可を義務付けています」としており、「祇園(東山区)の路上」ももちろん規制区域に入っている。

本件では、京都市屋外広告物等に関する条例(以下、条例名略)5条6号の「電柱」に広告物を掲示しており、本条の物件に屋外広告物を表示してはならないとされているから、47条1項の罰則規定により、30万円以下の罰金に処せられた(本件では罰金10万円)と解する。

以上より、本件略式命令は相当であると解する。


自分は、本事件の真相を表現内容に対する規制ではなく、電柱に貼ることが禁止されていたと読み解きました。間違っていたら申し訳ないです。

禁止なので市長の許可を得ることもできなかったのでは(多分)。



しかし、(これで逮捕までされるんだ…どうやってバレたんだろう…?)と思っていたら、

「同署によると、内山容疑者から「中国人に蹴られそうになった」と110番があり、駆け付けた警察官に同容疑者が電柱にビラを貼ったと説明した。同容疑者のバッグにはビラが3枚入っており、現場近くの別の電柱にも同じビラが貼られていたという。」(時事ドットコムニュースより)

自供したんだね!!!!これは逮捕せざるを得ないね!!!!




(参考)

京都市屋外広告物等に関する条例https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000056/56450/koukokujyourei240330.pdf

屋外広告物制度の解説

https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000056/56450/gaidorain1(280929syusei).pdf



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