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命名:逆カマ

もう15年以上も前のことなので、時効と思い、その経験を話します。

よく自動車の追突事故で、「オカマを掘られた」とか、「オカマ掘っちゃった」という言い方しますよね。 普通に。

でもネットで調べると、その語源は「男色をする」という意味。

後ろから、お尻(部分)を、掘られる(突っ込まれる)。

なるほど。

さて、私が経験したことは、俗に何と表現するものなのか。。。


それは職場(工事現場)から、社用車を運転し、現場事務所として借りているアパートに戻る時のことだった。

アパートの駐車場の出入口は、コンクリートの坂道になっていた。
立体駐車場の勾配くらいで、直進で10m位の坂。
坂を登れば、平坦な砂利の駐車場になっている。

アクセルを踏んで、坂を登り切った時だった。

駐車場の奥から、猛スピードで車がこっちに向かってバックして来る!

プーーーーッ!プ・プ・プ・プ・プーーーー!!!

私はありったけの力で、腕をピストン運動させ、クラクションを連呼し何とか気づかせようとした。しかし。。。

ドカーン!!!


努力むなしく、バックしてきた車は、私の車のフロント部分にに突っ込んだ。

あーあ、やってくれた。

すると運転していた30代くらいの男性が下りてきた。

男性:「すみません、大丈夫ですか」
私:「今のところ大丈夫です。ここにいるのに、気づきませんでしたか?」
男性:「すみません、気づきませんでした。」

(でも助手席に手をかけ、後ろを振り向きながらバックしてきたのを、俺は見てるんだよな。見ていても、見えていない感じか。。。)

私:「免許証見せてもらっていいですか。」
男性:「はい。」
私:「会社に報告しなければならないので、免許証の写真をとりたいのですが」
男性:「はい。大丈夫です。」

やってしまったことに落ち込む男性。
私は、その当時のガラケーで写真を撮った。

私:「さて、どうしましょう。まず、警察呼びましょうか。」
男性:「はい・・実は・・・・モゴモゴ」
私:「はい?どうしました?」

男性:「実はわたし・・・、警官なんです。」
私:「・・・え⁉

なんということだろう。まさかの、おまわりさん⁉ 

いつもは、警察官に車を停められ、免許証を拝見と言われる立場の私が、知らなかったとはいえ、逆に警察官に免許証を見せろと言ってしまった。

これは、ほかにどんな比喩があるだろう。

社員とは知らずに、アルバイトが「お前、この仕事何年めなの?」と聞く。
飲み屋で隣の人に、もっといい店あるよと言ったら、店のオーナーだった。
後輩戦士がニュータイプとは知らずに、フォースを信じろと訓示を垂れる。

うーん、どれも及ばないな。

そして、男性が警察に電話し(多分、職場)、パトカーが3台位かけた。

パトカーから降りてきた警察官が、「どうもすみませんでした。お怪我はなかったでしょうか。」と丁寧に言ってきた。

どうやら男性の上司らしく、私のケガを気遣ってくれる。

この事故を物損事故とするか、人身事故とするかによって、警察官としての処遇が変わるらしい。
もし人身事故の場合、その男性は昇進が遠のく。
私のことを気にかけていたのは、部下のこともあってのことだろう。

男性はずっと眉間にしわを寄せ、落ち込んだ状態だったので、可哀相になってしまった。
これから署内で何て言われるだろう。
まだ私よりは若いし、失敗は誰にでもある。

幸い、私にはケガはないし、車の修理が必要なだけだったので、物損事故で良いです。と答えた。

会社に事故報告をした時、「そんなことってあんの?」って言われた。
確かに、普通じゃないことが、2度同時におきた感じだし。
1つは事故のパターン。もう1つは加害者が警察官。

私は、この事故を「逆カマ」と命名した。 

想像してごらん。オカマがけつを振りながら、バックで突進してくる様を。 
こ、こわい!(決して中傷する気はありません。)

2回連続で、オカマ的な話をあげてしまった。
言っておきたいが、私は決して中傷してるわけではありません。
起こった事実を、少し、一般的なお言葉をお借りして話しているだけでございます。念のため。


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