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時代の潮流

リトルトゥースのみなさんは、若林正恭がよく言う「時代にあってない」「時代じゃない」「このご時世」という言葉をどう捉えているだろうか。簡単に言うと昔とは違い、今はコンプライアンス(広い意味での法令遵守)にうるさいと言いたいのだと察する。
では、今はどんな時代であるのか。それを紐解き、日向坂46の活躍に紐づけてみたいと思う。

1.今の時代とお笑い


この時代を2つのキーワードと共に紐解いてみよう。
まず、一つは、「多様性」である。
LGBT🏳️‍🌈や働き方改革、男女共同参画社会の進展に伴い、個人の尊重が進み、画一的に全てを見るのではなく、それぞれ個人の特性に沿った政策、生き方が大切にする時代となってきた。「みんなと一緒じゃなくてもいいじゃないか」という風潮が世の中で見えてきている。個人的に、この流れを象徴するものが、このゼクシィの広告のキャッチコピーである。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」 ー2017年ゼクシィCMキャッチコピー

この時代の流れは、お笑い界にも影響を及ぼしているのではないか。
お笑い第七世代が活躍する今日のテレビ。第七世代の中心にいる「ぺこぱ」に照準を合わせて考えてみよう。彼らの特徴は、“ツッコまない漫才”である。すべてのボケを肯定し、認めてあげると言うものである。
若林は、ぺこぱについてこう述べている。

「多様性とツッコミって相性が悪いと思うのよ、常識が強い時代の方がツッコミって強いけど(中略)要するにツッコミって指摘とか否定とか非常識ですよってことなんだと思うけど、そういうことって多様性を受け入れることに対して相性が悪いと思うのよ(中略)この子(松陰寺太勇)めちゃくちゃ優しい子なんだろうなって思った瞬間にボロボロ涙出てきて。」ー若林正恭(出典:オードリーのANN:2019/12/28)

まさに、金子みすゞの「みんなちがって、みんないい」精神である。
旧来、漫才のツッコミとは、ボケが少し変わったことをすることに対し、強い口調で(時として鉄拳制裁を伴い)、訂正をするものである。聞いている観客がボケを聞き、モヤモヤした気分になっているところに絶妙な間で強く否定をする点に漫才の面白さはある。それをぺこぱは壊してきたのである。そして、それで笑いが取れるのだ。
ぺこぱの腕はもちろんであるが、これは時代の流れもあるのではないか。前述した世の中の「多様性」の波に乗った漫才スタイルだと言えよう。
第七世代で活躍している芸人は、今までの芸人像と違う。尖ってガツガツしてというものではなく、みんなで仲良く楽しくやっていこうという雰囲気を感じる。ここには、メディア多様化から、テレビだけを戦場にするのではなく、YouTubeなどもあるという想いもあるのではないのか。
さらには、グローバル化に伴った海外への志向も持ち合わせている。

若林は「自分たちが好きなことできる冠番組やりたいとか言うじゃん? 第7世代がここに来ると、『海外行きたい』とか(言って)、何年残りたいみたいな話しない」とEXITの兼近大樹やフワちゃんが海外で活躍したいと話していたことを例に挙げていた。ー『あちこちオードリー』(10\6放送回)

このように、世界、世間の多様性の流れは芸能界にも影響を与えているのではないか。

もう一つのキーワードは、「優しさ」である。
「好きな芸人ランキング」(文藝春秋調べ)を見てみよう。

2位の和牛に1000ポイントの差をつけて圧勝しているのがサンドイッチマンだ。その人気の理由は、周知の事実であるとは思うが、上記記事から何点か抜粋して紹介しよう。

「コンビ仲が良いのが伝わってきて、微笑ましいです。観ていてホンワカします」(61・女)
「地元、仲間、先輩、後輩…周りの人をとても大切にしている。文句なしにナンバーワン」(46・男)
「安心・安全・健全。
子供と一緒に笑えるのがイチバン」(56・男)

もちろん、この結果だけで、全てを判断できるわけではないが、どの意見があげているのも、人柄の良さ。健全性。である。2位和牛、3位EXITも仲良しのコンビである。
今の”御時世”で、求められているのは、優しさ、安心である。

「こんな考え方もあるよね」という「多様性」に裏付けられた「優しさ」が求められている時代ではないか。コロナという人類が共通して立ち向かう事象が生じた際に、人類は、一つになろうとし、全てを包み込むような多様性がより必要とされているのではないか。

2.日向坂46

今の時代は、「多様性」と「優しさ」である。この優しさの概念に一番適っているアイドルグループは間違いなく日向坂46ではないか。
日向坂の纏う雰囲気は、「ハッピーオーラ」である。
この雰囲気の源流は、以前書いた記事、日向坂46というチームをご覧いただきたいが、要するに、少ないチャンスを大切にし、とにかくお客さんを全力で楽しませよう。そして、好きになってもらおうというハングリー精神によるものだ。
彼女たちを表現するために最も適した楽曲は、『JOYFUL LOVE』ではないだろうか。

「どんな悲しみだって そっと包み込んでしまうよ
理由(わけ)なんか言わなくても すべてをわかってくれる
君がしあわせならば そう僕もしあわせな気がする
風が木々を揺らすように 笑顔は連鎖して行く」ー『JOYFUL LOVE』日向坂46

決して強制はしない。自ら笑顔になることで、“笑顔を連鎖”させ、見にきた人をハッピーにして帰すというものだ。

「日向坂ってさ、どこにでもいるな」ー若林正恭(出典:オードリーのANN:2020/08/29)

最近は、いろいろな番組や雑誌への露出が増えている。時代は、決して押し付けではない、優しさに包まれる日向坂46のハッピーオーラを求めているみたいだ。
世の中で辛いことがあった時に流れる涙を日向坂の温もりで乾かしてほしい。

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