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花束みたいな恋をした(ネタバレなし)

私のTwitterのタイムラインで話題沸騰の「花束みたいな恋をした」を見てきました。

私が気になっていた感想は

「もう一度見たいと思うけど、もう二度と見たくない。」

というものです。結構この感想をツイートしている人が多く、とても心が惹きつけられ、さらに、友達にも薦められ、気がつけばチケットを購入していました。(実は、タスクが山積していてそんなことをしている場合ではない。)(いや、もっと言うと、こんなnoteを書いている場合でもない。)

少し私事を語らせていただきたい。

そもそも、私は、恋愛映画を見ない。なぜかむず痒い気持ちになってしまうので。これがキュンキュンするんだろ!と言わんばかりに、こっちが恥ずかしくなってしまうようなクサいセリフを量産する。それがどうもむず痒いのだ。そう思って見に行くか、見に行かないか葛藤をしていた。(そんな葛藤をせずにタスクをこなせ)

そんな最中、友達と飯を食っているときに急に「お前、花束みたいな恋をした見た?」と言われ、「お前見に行ったほうがいいぞ、たぶん、すごいわかると思う」と猛烈に背中を押してきた、そこで決心をした。これも運命だった。(?)

私には、高校時代から付き合っている彼女がいる。もうすぐ6年目になる。ここ5年間は、ずっと遠距離恋愛をしている。遠距離になり、もともと月に1,2回しか会っていなかったが、このご時世でそれに拍車がかかり、2,3ヶ月に1回会う程度となっている。電話も年に1,2回くらいだ。そんな状況の私を知って、友達は私に映画を勧めた。

そんな私の、「花束みたいな恋をした」の感想を以下に記していく。ネタバレなしで書く。もうすでに見た方や、ネタバレOKな方は、別記事もぜひご覧ください。


この映画は、至って普通のなんでもない恋愛映画。よくある恋のライバルの登場や寝取られるなどといった要素は一切ない。全くもって劇的な展開は起こらない。純粋な恋愛映画だ。というか、あまりにもリアルだ。これが、とても残酷である。というか、自分の状況にも投影してしまった。普段から、”好き”という札を貼って封印している見たくないもの、目を背けたくなるものを見せつけてくる。ホラーやアクション映画ではなく、恋愛映画で目をつむったのは初めての経験だった。

東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音 麦 (菅田将暉)と 八谷 絹 (有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
──これはきっと、私たちの物語。(映画公式サイトより http://hana-koi.jp)

恋のはじまりはなんだろうか。私の場合は、共通の趣味があったことだ。この映画の2人も、恐ろしいほど感性が合っていた。好きな音楽、好きな本、好きなお笑い芸人、そして、あらゆる事象に対する考え方。「こんなに合う人と出会うことなんてない!運命だ!」という感じで付き合うことになる。大体の恋のはじまりはそうであろう。「この人といると楽しく過ごせる」という思いから交際に発展するのであろう。

この”始まり”には”終わり”が必ず内包されている。いつかは必ず終わる。これだけは間違いのないことなのだ。もちろん、2人の交際にも終わりが来るし、私の交際にも終わりが来る。どう終わりを迎えるのか。その2人の5年間の記録である。

常に”好き”という感情で覆い隠しているだけだ。”始まり”に感じた運命や奇跡が、感性の一致が、たまたまファスナーが引っかかってしまった様に、お互いの間に小さな穴が空いてしまう。運命が現実へと変わる瞬間だ
その穴を修復しようと取り繕うが、だんだん穴は大きくなり、取り繕う気力もなくなってしまう。

そんな現実を見せつけてくるのが辛い。とても見たくない。カップルのすれ違いは大抵どちらも悪くない。けど、”始まり”は、ありえないほどの奇跡の一致から始まっているからこそ、相手には同一の感性を求めてしまう。そんな等身大のカップルの姿を見せつけられたからこそ、腕に力が入り、目をつむってしまった。

ありえないほど、エモいしエグい。ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、これでよかったのか、これでいいのか。映画の感想としても、私と彼女との関係に対しても、観賞後に胸に抱く思いがこれだ。

とりあえず、山積したあらゆるタスクを放り出してでも、彼女に連絡をしようと思う。



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