見出し画像

続 怪しいタクシーに乗って死海へ行く

はじめに

往路はこちら

どちらかというと死海観光に関する各種情報まとめに近い内容です。自分の旅行記録も兼ねて記載します。

本編

死海到着

モーゼスの急停車ドライブに肝を冷やしながらも、無事着きました。

対岸がヨルダン・ハシミテ王国(通称ヨルダン)

最初にモーゼスに案内された土産物屋店員の押し売りは適当に蹴散らし、いよいよ死海へ「入浴」します。遊泳ではないです。なぜかというと死海では「泳ぐ」ことではなく「浮く」ことを楽しむ場所だからです。そもそも遊泳自体が推奨されていません。塩分濃度が高すぎて泳ぐ際の弊害が多すぎるためです。

死海は実際に入ってみると、ビビるくらい浮きます。もうなんもせんでも浮く。死海ぷかぷかでワロタというところ。

死海に浮く俺

ちなみにただ浮いているだけだと10分で飽きるので、各々浮かびながら、なにをするか考えたうえで入浴するのをご推奨させて頂きます。僕は金髪白人デカパイお姉さんのビキニ姿を見て鼻の下を伸ばしていました。

死海入浴の注意事項

なお死海は入浴にあたって下記注意事項があります。僕の実体験を交えて記載します。(注意事項はwikipediaより引用)

入水の際にジャンプや飛び込みは絶対するな。
可能な限り桟橋を利用して入水せよ。

⇒僕が行ったビーチはそもそもジャンプできる場所や桟橋が(記憶の限りでは)無かったのですが、恐らく飛び込んだ水しぶきで死海の水が周囲の人間にかかるのを防ぐためと思われます。

入水は屈める高さまでとし、静かに横臥せよ。
⇒パニックになり死海の水を大量に飲むと命に関わるからだと思われます。じゃあ足つかない深さまで行くとどうなん?と思い奥まで進むと、水の中でトランポリンしているような感覚で楽しかったです。特にライフセイバーから注意はされませんでしたが、試す場合は自己責任でお願い致します。

絶対に頭を水に浸けるな。
⇒これは絶対にやめましょう。試しにやってみたところ顔全体が一瞬で激痛に襲われました。顔の細かい傷のすべてに死海の水が触れたからです。男性は髭剃ったところにも痛みが走ります。また目の周辺に死海の水がついて粘膜に触れると大変なことになります。いきなり激痛に襲われてパニックになる→死海の水を大量に飲む→死亡コンボを避けるための注意でしょうか。やっぱ禁止されていることは守らないと痛い目を見るな〜と勉強になった良い経験でした。

絶対に自分自身や周辺の人に水しぶきをかけるな。
⇒説明不要です。

絶対に死海の水を飲むな
⇒試しに少し飲んでみたところ一瞬で「あ、これヤバイやつや」となりました。喉は焼け、体調は一気に悪くなり、吐き気を催しました。あとから調べたら誤って死海の水が肺に入ると肺機能障害を起こすと書いてました。こえーよ。これ書いていて思ったのが、死海から「毒死海」に名称変更した方が良い。

このほかにも、ビーチには鋭く尖った岩塩があるため裸足ではなくサンダル推奨です。また入浴する際に身に着ける服・水着についても古着や色褪せた水着がオススメです。塩分濃度が高すぎて脱色を起こす可能性があるため。僕の場合はユニクロで買った風通しがいい服(上下)+サンダルで入浴しました。

死海入浴後はシャワーで服ごと念入りに身体と頭を洗い、死海の塩も洗い流し、暫くその辺を動き回って服を乾かします。夏場なら30分くらい動き回ればある程度乾燥します。水着に着替えるのが面倒くさかったのでこの方法を採りました。

ちなみに男二人!死海でぷかぷか!と浮いていたわけではないです。お互いの写真撮影と、荷物番も兼ねて片方が入浴中はもう片方は陸(おか)にいました。男二人が交互に黙々と入浴を繰り返す様子は、傍から見たらシュールだったかもしれません。

※死海は泥も有名らしいですが特に興味ないので割愛

死海から戻る

ちょうど服も乾いてきたころにモーゼスがやってきて、そろそろ帰る時間だと言われました。彼の車に乗り帰路へ着きます。そんな時、視界の先には何やら困った様子で周囲をキョキョろとしている親子がいました。モーゼスは親子を見つけた瞬間に窓を降ろし、帰る手段を探しているのかと親子に聞きます。そうです、お決まりの「バスは無い。だから俺のタクシーに〜」戦法です。いやいや、バスで来てたらその技は通じへんやろ…と思いながら様子を伺っていたところ「バスはあるが出発の時間はまだまだ先だ!すぐ帰りたいならこのタクシーに乗れ!日本人も乗っているぞ!」と彼は親子に告げました。

商魂たくましいな~。

そんなこんなで帰りは二名追加となりました。親子へどこから来たのか聞いたところ、アメリカ(のどっかの州)との答え。突然、車内で日米安全保障条約が成立しました。

…と最初の方は適当に雑談していたのですが、僕の英語力はアメリカ人親子とモーゼスに遠く及ばないので、途中から会話についていけなくなり僕は友達と喋っていました。そうしている間にタクシーは始まりの地、バスターミナルへ到着です。モーゼスは車を停車し僕と友達にこう告げます。

モーゼス「実は料金についてだが・・・」
おれ「(きた!!!)」
モーゼス「もう150新シェケル(当時のレートで約3,000円)もらえないか?」
おれ「いいですよ」

うっかり即答してしまった。モーゼスに感心した。やり方がうまい。これが「9,000新シェケル(当時のレートで約81,000円)寄越せ!」と言われた時には車内で僕と友達は大声を出しながら暴れまわり、日米安全保障条約も発動してアメリカ人親子も参戦して、最後は日本大使館の人にガチ目の説教を喰らっていたことでしょう。

なんだかんだ色々珍しいものを見せてくれたし、楽しかったので気持ちよく笑顔で財布からお金を出し、モーゼスに渡した後ガッツリ握手。もう彼は僕のダチです。サンキュー、モーゼス。また会う日まで。

ベトナムに旅行した時はマジで一ミリも英語が通じず、タクシーを利用したらいかがわしいお店へ連行されたり、バイタク(バイクタクシー)では運ちゃんとニケツして一緒に日本語がわかるベトナム人を探し回ったのを思い出し、英語が通じるありがたさをしみじみと感じていた次第です。

おわりに

本記事のような方法で死海へ行くのは推奨しておりません。ドキドキがあって面白いとは思いますが、今回は運がかなり良い方ですし、海外旅行は基本的に自己責任の世界なことをご承知おきください。普通にバスを使うかツアーで行くのが無難で安全安心です。

当然ですが死海行きのバスはあります。エルサレムから死海へ行く際は、エルサレム・セントラル・バスターミナルを利用しましょう。

ショッピングセンターも併設されています。トイレは有料。

死海行きのバスについては僕は直接乗ったわけではないので詳細は書けませんが、「イェルサレム 死海 バス」等でググればヒットします。もしくは下記リンクのような送迎バスに申し込むのもアリです。

早く例の感染症を気にせず海外旅行ができる世の中になって欲しいですね。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?