調査結果の最低でも3割は事実ではない
障害が発生した時に障害調査というものが行われていきます。PDCAサイクル、Simplex Process、5 whysなどアプローチは多々あれど、調査結果(実験事実)が積み上がっていくことは共通です。
しかしそうして集めた事実の何割が真実でしょうか?
残念ながら集めた"事実"の何割かは事実ではなく、思い込みや解釈の誤り、推論/推量/推定との混同、集団愚などにもたらされた、"嘘の事実"であったりします。
理想を言うならそのすべての事柄が事実と言えるまでに十分なデータと数字で支持されて、かつロジックがしっかりしていることが望ましいです。しかし限られた時間、限られたリソース、せっかちな上司と要求の厳しい顧客といった、制約事項の中ですべての事柄を完璧に調べあげて事実と言えるところまで持っていくのは不可能です。
その結果、集めたデータ、集めたファクトの何割かは、後々実際は事実ではなかったことが判明することがあります。
問題解決のプロセスの中で、集めたデータ、集めたファクトに最も合致する仮説が最も確からしいと考えてしまうのは仕方のないことかもしれません。
しかし実際は先ほど述べた通り何割かは嘘が混じっているわけですから
すべてのデータを説明できてしまう仮説と言うのはかなり高い確率で間違っていると考えられます。したがって勇気を持って何割かの事実とされている事柄は無視するして仮説立案する必要が出てくるのです。