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この社会にどう爪痕を残して行くか

ワタシ達夫婦には1つ、満場一致で合致している価値観がある。

それは「子供は持たない」ということ。

理由に関してお互いの考えに相違はあるものの、結論として「なくても幸せに暮らせる」と、出ている答えは完全一致。なのでワタシ達は「持たない」選択をした。

ワタシの場合「反出生主義」的な思いをずっと抱えて生きている。
とは言っても昔の哲学者達が唱えている「生むことは悪」みたいな過激な方の思想ではなく、「生んだ子供が自分と同じようになるなら生まない方がいい」という思想。(大分オブラートに包みました。笑)
体の問題も少なからずあるが、思想によって下した決断であることに間違いはない。

https://www.businessinsider.jp/post-222520

この世に産み落とされてから33年という時間が経ったが、ワタシはまだ、自分が生まれて来た意味とか生きてる理由や存在価値とか、そういうものがずっと分からないまま生き続けている。

きっと普通に生きていればそもそもこんなこと考えようとも思わないだろう。こうなったのは、ここまでの人生で経験した様々な出来事とその都度自己解決して来た様々な感情が十分すぎるくらいに起因しているが、これに関しては誰も悪くない。ワタシの周りでやたらと複雑な出来事が起こりすぎていた。それ故に早くに色々なことを知ってしまい、物分かりのよすぎる子として完成してしまっただけなのだ。

で、ここでこの記事のタイトルの話。

同級生は只今子育て真っ盛り。2人目ブームも起きている。中には3人目が既にいる子も。それでいて職場復帰をしている子がほとんどで、本当に頭が上がらない。

「子供を生むことは社会貢献」といつかどこかの大臣が言っていた。
とすればワタシは現時点で社会貢献を全くしていないし、今後する予定もない。
この日本、いや地球にただただ存在させてもらっているだけで、ゴミを出し動植物の命を頂いて人間生活を続けている。今話題の”SGDs”なんて口が裂けても言えない存在なのだ。

同級生のみんなは社会貢献という素晴らしい行いをした上に、子供に手がかからなくなる40代になると「この十数年子育てをやってきた」という最強で最大の武器を自然に手にしている。正社員で復職した一部の子は、それに加えてキャリアも持つわけだ。

ワタシが数年前からずっと”10年後”を考えて行動しているのは、”持たない選択”をしたことによって自然に手にする武器が人よりも少なくなると思ったから。

じゃあワタシはどうしたら社会貢献できるのだろうか?

目を負傷して10年後を考えた時に思い浮かんだのが「武器を手にしてそれを仕事で使い、誰かの役に立つこと」だった。

この社会に小さくてもなにかしら爪痕を残したい。例えそれが浅めのひっかき傷くらいの痕だったとしても、社会の一員として子供を生むこと以外のなにかで貢献できているという実感が欲しいと強く思った。

生まれてからずっと解決できていない、自分の存在意義や存在価値に対しても「誰かの役に立つこと」で救われる気もしている。
ものすごく他人よがりになってしまうし「人の役に立つことがしたい」なんてエゴでしかないかもしれないが、結局、自分の存在価値を実感できるのは他人によってなのだ。

作ったご飯をおいしいと言って食べてくれる旦那
すり寄って甘えて来てくれる3匹の猫達

みんながいるからワタシもいる。

人が存在する定義はこんなにもシンプルな構造なのに、人と違う生き方を選んだだけでその存在自体を否定されてしまうような世界があるのも事実。
前までは「どうして?」と思ったまま落ち込んでくよくよして進めずにいた。

そんな様々な思いがあり「みんなが子供を育てて武器を身につけて行く間にワタシは自分の手持ちのスキルを育てて行くか新たに何か身につけなければ!」と焦って空回りしていた時間がしばらくあった。
悩みに悩んで、本当にたくさん考えて5年ほど前から気になっていたことに最近ようやく一歩踏み出した。時間と労力のコスパを重視したらこんなにも時間がかかってしまったので、逆にコスパが悪い(笑)

上手く行くか失敗するかは分からない。失敗したらきっとまた自分の存在意義と存在価値について考え続けることになるだろう。
そもそもワタシの場合、どれだけ何をやっても手応えを感じられる日が来ることがないような気もするが

「誰かの役に立ちたい」
もう少し言うと
「自分と同じ思いをしている人の役に立ちたい」

今はその思いだけでガッツリ前を向いて進んでいる。


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