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ごはんのために、旅に出る。

まるも旅館 | 長野県 松本

2020年の旅締めに、
夫とふたりで
2泊3日の旅に出た。

これはその時の
ほんのひとつまみ
ふたつまみくらいのお話。

今回の旅先は、
長野県。

長野県って大きいがために、
行ってみたいところがたくさんある。
しかも、
私たちが大好物なノスタルジックで
溢れてるの。

でも全部に足を運ぶとなると
相当な時間とお金がいるので、
慎重に旅先を探した。




ちなみに、
この旅の幹事は私。

夫が、
次の旅は自分が幹事するから
長野旅は任せたぞ
って。

私は、
わかった任せろ
って。

ふたりの世界は、
いつもこんな感じで回っている。

旅を計画し始めてから約1ヶ月。

いよいよ、
旅の前日になった。



大きな荷物を
ゴロゴロ引きずって歩きたくないので、
それぞれの
リュックサック程度の荷物の量で
出かけることにした。

お土産を入れられるくらいに
少しゆとりをもたせた
黒いリュック2つと、
黒いダウンジャケット2着が並ぶ。

その姿を見ただけで
旅のワクワクがあふれて
にやけが止まらない。

そして旅の日、
いつもより少し早く起きて
いつもと変わらないごはんを食べて
出かける支度をして、
しっかり戸締りして家を出た。


ゆっくりじっくり、
電車で移した。







今回は、
2日目のお宿について
思い出にふけることにする。

選んだお宿は、
長野県松本市の
松本駅から徒歩15分くらいにある、
まるも旅館。


この門構えから
もう好きが始まってる。

夜になると、
さらにノスタルジック感が増す。



ガラス戸を開けると
見事に重ならずに並べられた玉石と
コンクリートで作られた土間に
下駄が2足並べられている。



はあ〜
風情〜

玄関に置いてあるベルを鳴らすと
お宿の女性スタッフさんが
奥から出てきてくださった。

玄関入ってすぐのお部屋に
案内してもらった。

こんなご時世だから、
まずは検温から始まった。
いつも平熱でクリアするのだけど、
この時のドキドキ感は
どこに行っても慣れない。


それにしても
この部屋がまた素敵だった。
この宿にある家具すべて、
松本民芸らしい。
民芸好きにはたまんないね。


濃い色に仕上げられた
木製の家具は
なんだかとても懐かしく
あたたかかった。

ばあちゃん家帰りたいな〜







チェックインを終え、
館内とお部屋を案内してもらった。


一歩一歩進むたびに、
はぁ はぁ という
呼吸とトキメキの音が
大きくなっているのを感じた。




二階にある部屋に着くと、
そこには14畳がほどの
空間が広がっていた。



思わず、
広〜ぉ
って言葉をもらした。






部屋の案内が終わり、
館内をぐるぐると見て回った。

この大きな部屋には裏口があって、
そこを出ると
左右に分かれた廊下が続いている。



左をずんずん進んでいく。



漆喰か何かで塗られた壁には、
所々に素朴な絵がかけられている。

これまた一枚一枚心奪われる。






そして急に現れる螺旋階段。


なぜだか途端に
千と千尋の神隠しのシーンを
思い浮かべてしまい、
ものすごいスピードで
タッタッタッ っと
駆け下りたくなった。

駆け降りると、
再び玄関にたどり着いた。

もう、
迷路だった。

部屋に戻り、
ごはんを食べに行く支度をした。

この宿は、
朝ごはんだけ付けてもらえる。
なので、
昼と夜は外に食べに行く。




昼ごはんと夜ごはん、
それから町探訪を終えて
宿に戻った。



次の日に備えて支度して、
そこからまた少しだけねと
ふたりで近くのジャズ喫茶へ出向いた。


外は、
静かで凛とした空気を纏っていた。
あまりにも気持ちいいので、
周りに人がいないのを確認してから
マスクを外して思いっきり
冷たい空気を吸い込んだ。

生きてる〜




1時間ほどジャズに浸って、
ほわほわした気持ちのまま
宿に戻って寝床についた。

次の日の朝7時。

朝ごはんをいただきに、
一階のお部屋に向かった。



テーブルには、
お茶のポットと湯呑みが
セットされていた。

好きな席を選んで座った。



奥からは、
旅館のスタッフさん達の
楽しい笑い声が聞こえている。

私はそこめがけて
おはようございま〜す
と挨拶した。

すると、
とても優しそうな女将さんが
腰を低くして
おはようございます〜
と出てきてくださった。

しばらくすると、
女将さんが
大きなお盆の上に
いっぱいの小皿に盛られた
朝ごはんをかかえて、
お待たせしました〜と
ひとつずつ
テーブルまで運んできてくださった。

ふわぁ〜




ふたりして朝から
目がパチクリ開いた。


こんな朝ごはん、
幸せや〜

後から、
たくさんのフルーツが盛られたお皿を
どうぞ〜 と
運んできて下さった。

フルーツ楽園〜


どれから食べよう。
どれから食べよう。

恒例の幸せ時間が始まった。

この朝ごはんが食べたくて
この宿に決めた
って言っても過言ではない。




そこでしか食べれない味。
その日しか食べれない味。

こんな贅沢があるから
旅に出かける。

こんなご時世だけど、
たまにはちょこっと
贅沢したいよね。








「 ごはんのために、旅に出る。」

まるも旅館
長野県松本市中央3-3-10
一泊朝食付き 6,600円(税込)
一泊素泊まり 5,000円(税込)
( 2020/12/28時点 )