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寝れないわたしの睡眠事情~睡眠薬について~


寝るのがこわくなったのはいつからだろう。

もともと寝つきが良いほうではないから、子どもの頃から眠ることには苦戦していた。でも夢を毎日見るから寝ることは好きだった。違う世界にいける夢は現実を生きていたくないわたしにとって拠り所だった。できるかぎり眠ろうと思っていた。



きっかけ

たしか寝るのがこわくなったのは、愛犬を亡くしてからだと思う。高校2年生の時、愛犬を突然亡くして寝る前に泣く習慣ができてしまった。会いたくても会えなくて、ごめんなさいしか言えなくて、それでも会いたくてどうか会わせてと願いながら泣いていた。
その時くらいから目をつぶると、過去の苦しい思い出たちが走馬灯のように頭の中を駆け回るようになった。


高校時代の睡眠のとりかた

夜に寝るのがこわいから、学校や用事がない日は寝落ちすることを目指した。眠いと感じたら何時であろうと寝ることにした。夜にきちんと寝れないかわりに、寝れる時はできるかぎり寝ることにした。
学校の日はどうしても夜に寝なければいけないから寝れて3、4時間。それ以外は12時間〜15時間。休みの日は18時間寝た日もあった。それくらい夜寝ることも、現実を生きることも逃避したかった。

今思うと、精神を壊したかったのかというほど追い込んだ生活をしていたように思う。今じゃ想像するだけで勘弁してほしくなるくらい、忙しい日々を送っていた。それに加えてガタガタな睡眠。限界がくるのも当然のような生活だった。


メンタルクリニック受診

うつに苦しみながらもなんとか大学を卒業して社会人になり、数年の就労と生活環境の変化でメンタルブレイク。その頃にはもうトラウマの走馬灯は更に強いものとなり、頭の中をぐるぐる駆け回っていた。生きながらえた分だけの重みがプラスされ、わたしは眠ることに苦しんでいた。
いろんなことを割愛するが、大変な思いをしてようやく26歳の時にメンタルクリニックにたどりつき、睡眠薬を手に入れた

ずっと睡眠薬に抵抗があった。けれど、うつがあまりにもひどくなってしまって、いつもどこでも泣くくらい精神が限界になった時に病院に行き、医者から「あなたはもう考えなくていいから。ずっと寝てて。それでいいから」と言われて、すごく心が救われた。医者から太鼓判を押されたら、あとはもう寝るしかない。


はじめての睡眠薬

医者から処方されたはじめて飲んだ睡眠薬はマイスリー。「MY SLEEP(私の睡眠)」をもじっているらしい。アルミ箔のシートには★のマークが入っていてかわいくて好きだった。
これが効果的めんで、マイスリーがあればトラウマに襲われずに眠れるようになった。正直なところわたしはこの薬が効きづらくて、眠気がくるのに多少時間がかかるけれど、それがかえって自然な睡眠な感じがしてよかった。眠りに落ちる感覚を何年かぶりに味わってよろこんだのを覚えてる。寝れるって最高じゃない?って。
(マイスリーは合わない人も多いらしく、幻覚や夢遊病のような副作用が出ることがあると聞きます。あくまで参考までに。)

薬の変更

何年かマイスリーを服用するうちに3錠飲んでも眠れなくなってしまって、これはあまりにも不健康ということでマイスリーは卒業。それと睡眠薬の力だけに頼るのではなく、生活習慣も改善して、自然な睡眠がとれるよう努力した。
マイスリー卒業後は、ロゼレム、ルネスタを試したが、全然効かなくてだめで、最終的にデエビゴにたどり着いた。専門的な薬の知識はないから詳しいことはわからないが、マイスリーなどのほかの睡眠薬に比べると、体に悪くないらしい。アメリカでは子どもも飲むらしい(ほんと?)。

デエビゴの副作用

デエビゴを飲んだのは29歳の時。かれこれ2年ほど飲んでるが、合っているし、かなりいい。ただ慣れるまでが大変だった。デエビゴには副作用に悪夢があり、この悪夢がかなり曲者。わたしは子どもの頃ずっと悪夢に悩まされていたのだけれど、それの再来を感じるほど。パワー系悪夢。
悪夢がひどすぎて、主治医に「無理ですぅ」と泣きついて薬を変更したこともあったが、デエビゴのぶん殴るような力強い眠気はかなり快感で、戻ってきてしまった。
あと副作用なのか金縛りにもあうようになった。デエビゴを飲むまでなったことがなかったから、絶対こいつのせい。一度、金縛りにあいながら過呼吸になるというドエライ忙しい現象が起きた時は、冗談じゃなく、死ぬかと思った。同居人がいなきゃどうなってたんだ。
悪夢と金縛りに苦しめられたこともあったが、現在はまったくその症状がでなくなった。生活習慣としてよく歩くようになったからなのか、自然と眠れることも増えて、2日に1回は睡眠薬なしで眠れている。成長が著しい。
またデエビゴにはもう一つだけ悪い点があり、中途覚醒することは多い。急激な眠気がきてくれるし、睡眠の前借りなのかもしれない。2時間以上の睡眠がとれたら諦めて、無理に寝なくてもいいよってことにしている。寝なきゃと思うと苦しいので。

寝ることについての意識

うつなどの病気には規則正しい睡眠が大事だ。
でもわたしにとっては“寝なきゃ”と思うことが、精神的な負担になる。規則正しい睡眠時間をとろうと意識すると、時間が気になってくる。
“もう◯時だから寝なきゃ…寝なきゃ…寝れない”
こうなってくると、睡眠がとれないことよりも寝れないことが気になって辛くなってくる。
だから今はいっそのこと考えない。
“寝るのなんて何時でもよくね?”と思って生きている。
睡眠不足になってしまったら、次の日は眠いから睡眠薬が効きやすい。そしたら長めに眠ることができる。そうやってバランスをとれば万事OK。今はそういう風に考えている。
寝れない日々がつづいたら死ぬけど、1日寝れなくても人は死にやしない。てか死ぬことよりも、死にたいという気持ちがつづくことが問題。ストレスを減らすことが何よりも大事。
規則正しい睡眠時間帯にこだわると、しんどくなるから、そんなものは目安くらいに考えたほうがいいと思う。寝れそうなら寝よう。寝れなそうならいっそのこと起きて、今日の起きている時間のパフォーマンス力は諦めて、帰ったら睡眠薬の力を借りていっぱい寝よう。
今のわたしにはこれが一番、精神的に健康な睡眠との向き合い方。


おわりに


寝れない人は我慢や無理をしないで、メンタルクリニックにかかりましょう。

睡眠薬を手にしたらいい意味で世界が変わったという、あくまでわたしの話。
薬のことはお医者さんに相談してくださいね。
寝れない人の参考になれば幸い。


*おまけ


ちなみにデエビゴを飲んでから見る夢って今敏監督の『パプリカ』の感じに近かった。悪夢とまでいかなくても夢が濃厚になる感じ(最近は大丈夫)。

わたしの好きな映画




どうかみなさん、いい夢を。

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