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執筆を捗らせる道具たち

ヒトの行動を制約したり誘導したりするような環境を「アーキテクチャ」と言います。 アーキテクチャの例としてよく挙げられるのが、マクドナルドなどのファストフード店の椅子です。マクドナルドの椅子はどれもこれも硬く、座り心地が悪いと思うのですが、あれはお客さんに長居させないためだと言われています。回転率をあげて、利益を生むために整えられた環境です。 人間は環境に依存し、影響を受けます。ならば、自分を変える努力と同じくらい、もしくはそれ以上に、環境を変えることは大切なのかもしれませ

    • 【短編】鉄格子のついた窓、小さな部屋

      小さな部屋には、金属の扉と白い机とパイプ椅子、あと鉄格子のついた窓があって、その窓からは警察署の前に並んだパトカーの列や入り口に立っている警察官の人、通りの向こうにある飲食店などが見えるのでした。 あの飲食店には、学校帰りに何回か立ち寄ったことがありました。飲食店の窓からも警察署が見えたはず。でも、警察署のなかに自分が入ることは想像もしていませんでした。 続きを話してくれるかな、と目の前に座る警察官の人が言いました。すごくまっすぐ目を見る男の人でした。私は、先ほどまでのよ

      • 【短編】西日

        群れだって建てられたマンションの一室に西日が差し込み、部屋にあるローテーブルとガラスの花瓶、テーブルに肘をつきながらゲームをする男の子を琥珀色に染める。その男の子は、この家に住む家族の末っ子、2人兄弟の次男。次男は頬にあたる西日を気にも止めず、ゲームのスティックを回しボタンを押し続ける。 陽がさらに落ち、光の色が濃くなった頃、家の鍵が開けられる。学ランを着た長男が扉を開け、靴を脱ぎ、玄関の近くにある子供部屋に荷物を投げ込む。そのまま少しばかりの廊下を渡り、西日が差し込む部屋

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          自己紹介1997年生まれのライター/編集者。現在は広報支援事業TELLIERにてSEOコンテンツ・インタビュー記事の作成などを行う。 問い合わせ先:izumi03270@gmail.com もしくはTwitterのDMまでお願いします。 ▼以下執筆実績取材・インタビュー現在は主にインタビューやサービスレポート記事作成を担当しており、毎月、成約や応募などコンバージョンにつながっています。 (担当領域:構成案作成・インタビュー・執筆) イベント・セミナーレポート当日の臨場感

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        執筆を捗らせる道具たち

          多様性の敵についてー『青のフラッグ』を読んで

          昔からマンガやアニメを見ていて惹かれるのは、主人公ではなく「敵」だった。 彼らが話す言葉が好きだったからだ。 敵が言葉を語るとき、切実な思いが表れることがある。主人公の敵となった動機には、不遇な過去や不器用な性格、彼らの理想が反映されている。 主人公が持つ絶対的な信念とは異なる、その複雑な心情に共感し、心が動かされていた。 しかし多くの場合、敵は言葉を奪われる。 ショッカーは「イー!」しか言えない。 弱い海賊には名前も与えられない。 彼らの思いは単純化され、主人公

          多様性の敵についてー『青のフラッグ』を読んで