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中国北京版|あの国で必須のアプリ

※この記事にある情報は2023年10月現在のものです。

スマートシティ化がどんどん進む現代において、それぞれの国には(たとえ短期の旅行でも)生活する上で欠かせないアプリたちがいる。日本でいえばLINEやPayPay、Googleマップ、Safari/Chromeといった具合だ。世界18ヶ国(23年10月現在)を訪れた筆者が各地でお世話になったアプリたちをまとめるライトなシリーズ記事「あの国で必須のアプリ」の第一回として、日本のご近所である中国を取り上げてみた。ちょっとしたトラベルガイドとしてぜひお楽しみ&お役立てください☺︎


中国用にデジタルインフラが整っていないと外出しない方が良い

中国にルーツを持つ私は、この8月にようやくコロナぶりに北京へ帰る機会があった。世界でもほぼ最先端をゆくこのスマートシティで目の当たりにしたのは、現地住民の利便性と引き換えにもたらされる、よそ者への圧倒的な不便性だった。滞在期間はたったの10日ほどだったが、そのストレスは現地に親戚を持ち中国語が話せる私でも、中国生活用にデジタルインフラが整ってなければ家に篭った方がマシだと本気で感じたほど。何が不便かって、例えばこんな状況で筆者は実際にめちゃくちゃ困った。

  • Googleマップでは位置情報も交通情報も無いに等しい

  • 観光地や美術館の予約が取れないので毎度現地のカウンターで運試し

  • 市中のタクシーがアプリで予約されていて道路でタクシーが拾えない

  • 到着した空港のWifiの接続に電話番号を求められる

デジタルネイティブなZ世代の筆者にとって、以上の状況で普段使い慣れたスマホが突如おもちゃになるストレスはどれほどだったか想像に難くないだろう。そんな筆者が滞在中に「全私(わたし)」を使って集めた必須アプリ情報をここでシェアしていくこととする。(ちなみに「電話番号無いと詰む」「VPN無しでファイアーウォール突破したい」「ところで公共トイレ事情知りたい」のようなアプリでは解決できない事態のTipsはまた改めてどこかにまとめるが、精力を大変消耗するため投げ銭システムでの準備を考えている。手伝ってくれる方大募集中)

中国滞在で必須のアプリ一覧

インターネット/ブラウザ

言わずもがな、これまで使い慣れたアプリやサービスを中国でも使い続けるには、VPNを使ってファイアーウォールを乗り越える必要が。サクッと調べ物したい・VPNをつなげる手間が惜しいといった場合は、現地のブラウザを使う手段もおすすめ。

  1. VPN:cat(ぶっちゃけ何でも良いと思います)
    写真の順番が前後してしまうが、使い慣れたアプリやサービスを利用するためにはVPNを使ってファイアーウォール突破するのが大前提。筆者はここ数年catの無料版を何となく利用しているが、TunnelBearも結構好き。繋がればマジで何でも良い。

  2. ブラウザ:百度(バイドゥ)
    日本でよく使われるブラウザのGoogle ChromeやSafariなどは現地ではファイアーウォール無しでは使えないので、中国語ができるかつVPN接続が面倒くさい方は百度(中国のGoogle的な立ち位置)に限ります。中国語できない方はVPN繋げていつものブラウザへどうぞ。

※レンタルWifiを使う場合はVPN無くてもファイアーウォールが消えるものの、中国国内のWifi繋いだ瞬間ファイアーウォールがかかるので、VPNは必ず入れておくのが良さそう。ちなみにeSIMを契約すると、レンタルWifiの1/3のコストでファイアーウォール無しでインターネットが使える。詳しくは詳細版トラベルガイドをお待ちください。

SNS

SNSとてLINEやInstagramはファイアーウォールがかかるため中国域内では使えない。現地人と連絡を取ったり、現地でホットな情報を集めたいという場合には、以下の中国版のSNSが鉄板。

  1.  メッセージ:WeChat
    みなさんお馴染みのWeChat。テキストメッセージだけでなく、お支払いやクーポン、メンバーシップなどなどちょっとしたサービス(通称ミニプログラム)がたくさんついたスーパーアプリ。中国滞在中で最もサクッと連絡取れる方法なので、仕事の急用などは日本からここに連絡もらうと良さそう。

  2. 中国版Instagram:RED小红书
    日頃Instagramでホットな情報を収集するのに慣れている方はぜひRED使ってみてほしい。イケてる/ニッチな場所やコトは大体ここに載ってる。日本語で発信しているアカウントもちらほら。

  3. 口コミ:大众点评
    中国語できないと厳しいが、ローカルな情報、特に美味しいご飯はこのアプリがおすすめ。他にもカルチャー系(本・映画・イベントなど)だと豆瓣が一番揃ってる気がする。

支払い

中国国内のエコノミー圏は銀聯カードとスマホ決済が主流で短期滞在者には排他的。クレカが使える場所は限定されており(外国人が集まる空港・ホテル・レストラン以外は使えないと思って良い)、現金は場合によってはお釣りが出ないことも。今年くらいから店頭決済に限りスマホ決済サービス(WeChat Pay, Alipay)にクレカの紐付けができようになったので絶対設定しておくべし。

  1. Alipay
    QRコード支払いに特化したサービスで、使い方は日本のPayPayが感覚的に近いかも。最近まで中国口座がないと使えなかったのが、今年7月からVISAやマスターカードなどが紐付け可能に。

  2. WeChat Pay
    WeChat内にある支払いサービスで、日本で言うとLINE Payみたいな感じ。こちらも店頭支払いではQRコードが主流。

※中国の電話番号or中国の銀行口座があれば様々なチケット予約・シェアリングモビリティ(車・自転車)の利用・デリバリー・チャット内送金ができるが、この二つのどちらかがないと両サービスとも店頭決済しかできない。

モビリティ

上に書いたように、短期滞在者がタクシーやシェアリングモビリティを使うのは至難の業。公共交通機関は日本と同様にICカードで乗れるシステムだが、駅中の券売機は例の如くクレカと現金はNG。地下鉄の窓口で駅員さんにカードを作ってもらうか、バスで運転手さんに小銭を渡すことで乗車できるが、これはもはやアプリは関係ないし中国語が話せないと厳しい。なのでここではあえて地図アプリのみ紹介します。

  1. 地図:百度地図
    Googleマップは中国国内で戦闘力ゼロ。その代わりにこのアプリがあれば目的地情報・交通の便・道案内が全部わかる。デジタルツインマップと言われるだけあり情報はかなり正確で、信号の待ち時間を秒単位で教えてくれるのには感動した。

シェアリングモビリティアプリのDiDiや哈啰(ハロー)で車や自転車を借りる手もあるが、何回も繰り返しているように現地の電話番号か銀行口座がないとこれらのサービスは使えないのでここでは省略。ICカードの一卡通もSuicaのようにモバイルアプリ版があるが、こちらも同じ理由で短期滞在者には優しくないので割愛。

中国語ができる私はeSIM+クレカ紐付け+ICカードで単独行動できた

2023年秋現在の短期滞在最適解はこれな気がする。滞在中に常時世界中の友人と連絡取れたし、買い物やレストランの決済もできたし、地下鉄やバスでちょっとした遠出ができた。ただし、中国語が全く話せない方は、空港でID見せて電話番号付きSIMカードを手に入れる方がQOL高そう。日本からWifiレンタルする場合、eSIMとほぼ同じ使い勝手にしては値段が3倍くらいするし、受け取りと返却の手間がかかるので私はおすすめしないかも。

中国への旅行や出張にはまだビザが必須だが、渡航者が確実に増えてきているのも事実。その一方で、渡航してから中国国内の排他的なエコノミーに戸惑う方も多いのではと思い、私が10日間試行錯誤したアプリ情報をまとめてみた。その他に知っておくと良い文化の違い、アーバニストとしてのおすすめのおすすめスポット、eSIMといった便利Tipsは別の機会に限定公開するので今しばらくお待ちを!

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