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デジタルでネガフィルムの色味を再現したい Vol.2

2023年12月31日の記事「デジタルでネガフィルムの色味を再現したい」の続き。

NikonのD700は、そもそもの色味がすこしフィルムに似ていて、すこしレタッチしただけでそれっぽくなる。
それと比較すると、今夏に新たに導入したNikon D610はどうもやりにくい。
(中略)
そこで直近の目標としては
・D610、GR2で撮った写真で満足のいくレタッチ結果にする
・できれば「フィルムで撮った写真と見分けがつかない」レベル
を目指して、試行錯誤しながらレタッチをしていく。

とはいえ、D610とGR2で満足のいくレタッチが出来ることを目標にしたものの、そもそもどうやってレタッチするとネガカラーフィルムっぽくなるの?ということで、「レタッチしやすい」と書いたD700を使って、今やっているスタンダードなレタッチ方法をまとめておく。

レタッチするにあたり、そもそもどんな写真が「フィルムっぽい」「ネガカラーフィルムっぽい」のかを整理しておく必要がある。

私見も交えてにはなるが、ポイントはざっくり

・どちらかと言えば黄色っぽい色味(特にハイライト)
・ハイライトの粘り(白飛びしにくさ)
・シャドウの締まり
・シャドウに緑が乗る
・粒子感

あたり。

実際にフィルムで撮った写真がこちら。

ハイライトに黄色が少し乗り、カメラなどのシャドウ部に緑が乗っている。

もちろんフィルムのメーカーや銘柄によって差はあるが、おおまかなところでいうとこのような感じ。

今回は、先ほどの写真と同じ構図でD700で撮影した写真があるため、先程の写真を見本に、レタッチをしていく。

↓Before

↓After

↓フィルムで撮った方と今回のレタッチの比較

左 フィルム
右 D700をレタッチ


カメラ本体への緑色の乗り方など、まだ足らない部分もあるが、だいたいはこんなところだろうか。
レタッチした内容としては

▼ライト関連
・トーンカーブでハイライト明るめ、シャドウ暗めでメリハリをつけつつ
・ハイライト、シャドウをプラスに
→ラティチュード(ダイナミックレンジ)の広さを演出
・白レベル、黒レベルをマイナスに
→白飛びしにくくしつつ、黒が締まった感じに

▼カラー関連
・色調整で中間域を緑寄りに、ハイライトを黄色寄りに
・そのままだと青緑すぎるので、カラーミキサーで緑の色相を黄緑寄りにしつつ彩度ダウン。黄色は若干オレンジ寄りにしつつ彩度アップ。
・ホワイトバランスほぼそのまま。こちらも緑色になりすぎるのを防ぐため、ほんの少しマゼンタ側に。

▼効果
・粒子22、サイズ77、粗さ85

▼その他
・フィルムで撮った方にはなかったパープルフリンジを消すためにカラーミキサーで補正。

このくらいで、時間でいうと10~15分かからないくらい。

割と手軽にそれっぽくできる。

しかしこれがD610やGRで撮った写真だとなかなか同じように行かない場合がある。

次回以降はそちらにも触れていく。

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