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卵管卵巣切除の手術について

【注意】
今回は手術の方法や体験談など「痛み」に関する記述が多いです!
痛みに弱い方は、この記事はここでストップしてくださいぽっぽ🐦


こんばんは、はとです。

秋が深まり、だんだん寒くなってきましたね。

私は、最近日没が早くなって、お外の鳩さんたちが広場でぽっぽぽっぽしている時間が短いのでちょっとさみしいなと思っています。

そんな私は、11月1日の手術に向けて少しずつ準備中です。
出不精で旅行などに行かない私は、スーツケースを持っていなかったので、前回の入院では荷物が重くて、運ぶのが大変でした。
特に、傷が痛い状態での帰路は本当にしんどかったです。
今回はその教訓を活かし、入院用にスーツケースを購入しました!
前回の手術の時に買っておけばよかったって思っているので、もしこれから入院期間が1週間程度くらいの手術をする予定の方がいらっしゃたら、スーツケース、おすすめです。
入院以外の時には、非常用の食料や避難グッズを詰めておくことにしました。
豪華な避難セットができそうです!

世の中の方は結構スーツケース、お持ちなんだと思いますけど……自分みたいなタイプもいるかもしれないので、えへへ。

前置きが長くなってしまったのですが、今回は私が次に受ける「卵管卵巣切除」の手術についてお話しようと思います。


なぜ卵管卵巣を切除するのか?

本当は過去のがん発覚からの流れを先に記事にする方がわかりやすいんですが、今回の手術前のレポをなるべくリアルタイムでしたいと思っていたため、わかりにくかったら申し訳ないです。

簡単に経緯をお話すると、乳がんが発覚してから遺伝子検査を受けたところ、BRCA1遺伝子に病的バリアントを持っているということがわかりました。
これは病的バリアントを持っていない方とくらべて、主に乳がんや卵巣がんや前立腺がんの発症リスクが高いのだそうです。
主治医の先生が「生涯でそれぞれのがんの発症率をざっくりと説明する」と

  • 乳がん(女性):70%くらい

  • 乳がん(男性):1.2%くらい

  • 卵巣がん:50%くらい

  • 前立腺がん:29%くらい

とのことでした。

実際はちゃんと資料を提示しながらの説明なのですが、資料には欧米のデータも含まれていたので、がんの知識がとぼしい自分にわかりやすくするため、先生の所感を含めた数値でお話してくださったのだと思います。
前立腺がんは資料どおりの数値で伺いました。(※1)

遺伝子検査前は、発症した左の乳房のみの切除となる予定でした。
しかし遺伝子検査の結果から、発症リスクの数値が高いなと自分は感じたため、右の乳房を予防切除することに決め、結果両胸切除をしていただきました。

私は現在、卵巣がんは発症していません。
卵巣がんの発症リスクの数値も高いなと自分は感じました。
それだけではなく、卵巣がんは発見が難しいことを知りました。
経膣超音波検査や腫瘍マーカーの検査をこまめに受けていたとしても、初期に発見することが難しく、発見できた時には手遅れになっている場合が多いのだと先生が説明してくださいました。

なるべくリスクは減らして、健康に生活を送りたい。
そう思い、卵管卵巣の予防摘出手術をお願いすることにしました。

即決したけれど、複雑な気持ち

こどもを産む予定もなく、産みたいと思っていなかった自分でも、産めなくなることを選択することは複雑でした。
自分の意思で産まないを選ぶのではなく、生殖器の機能が失われる……選択権がなくなることが不安だったのかもしれません。
もし、こどもを強く望んでいる方だったら、もっとつらいのだと思います。
もちろん、予防切除をしない選択をする方もいらっしゃると思います。
本当に難しい問題だなと思いました。

乳がんの治療を始める前に「卵子の保存を希望するか」について聞かれました。
化学療法(抗がん剤での治療)をすると、卵巣機能を低下させてしまうので、妊娠しにくくなったり、無月経になったりする可能性があります。
(実際、私は現在月経がストップしています)
そのため、治療前に卵子凍結や受精卵凍結にて保存し、治療後の妊娠の可能性を残す方法があります。
もともと私はこどもを産みたいと思っていなかったので、卵子の凍結はお願いしませんでした。
その時にすでに決断していたはずなのに、あらためて卵管卵巣の摘出を行うことを決断したときには、心がちりっとしました。
このnoteを書いている時にも、やっぱりちりっとしています。

vNOTES(経腟的腹腔鏡手術)について

通常の腹腔鏡手術と、vNOTES(ブイノーツ)という新しい腹腔鏡手術の方法がありますと先生から説明を受けました。
通常の腹腔鏡手術は、おへそから腹腔鏡を入れて中の様子をモニターで確認しながら、下腹部に2㎝くらい?の傷を3つほど作り、そこから器具を入れて手術をするそうです。
vNOTESは、膣の奥に傷を作り、そこから器具を入れて手術を方法だそうです。
体の外側の傷が少なくなるので、vNOTESの方が体の負担が軽くなると考えられていると伺いました。
ただ、vNOTESは膣から器具を入れるため、出産経験がある方のが向いていることと、子宮内膜症で癒着が強い場合はvNOTESが難しいこともあるそうです。
私は手術前のMRIで子宮内膜症の癒着が見られるとのことでしたが、エコーによる内診では先生が思ったほどではなさそうかも?らしいので、vNOTESでの手術予定で進めて、癒着が強そうだったら通常の腹腔鏡手術に切り替えることになりました。

手術方法を判断していただいているとき、私は麻酔で夢の中なので、手術が終わった後にどちらになったかがわかります。
小さな傷がいくつか増えることについては、すでに大きな傷があるのでさほど気にしてはいないです。
ただ、体の外側の傷の方が回復に時間がかかるらしいのと、傷の数だけ痛みも増えると思うので、vNOTESでできたらいいなあとお祈りしています。

余談ですが、私は前回の手術でおへそががなくなっていて、先生が作ってくださったおへそもどきがあります。
「おへそ、前回なくなってしまっておへそもどきなんですが、カメラは入れられますか?」
と、先生に質問したところ、おへそに傷を作っても目立たないので、おへそからカメラを入れるのであって、おへそもどきでもなんにも問題はないと笑って答えていただきました。
今考えると、そりゃそうだと思うのですが、おへそないけど大丈夫かな?と不安になったことはちゃんと質問できたことはいいこと!って思ってます。

手術を受けるのはやっぱり怖い

前回ほどの大きな手術ではないとは聞いていても、手術の後の傷の痛さと発熱、麻酔による吐き気などが思い出されて、やっぱり痛いのは嫌なので怖いです。
両乳房切除のときは、乳房再建をお腹の皮膚と脂肪と筋肉を胸に移植する方法(腹直筋皮弁法)を選んだので、お腹から背中に近い脇腹までの40㎝のV字の傷と胸に大きな楕円の傷ができるくらい切り取っていて、術後とっても痛かったです。
(前回の手術については、別の記事で詳しく触れる予定です)
今思い返してもつらいので、痛いのは嫌なのですが、手術をしない方がもっと怖いので、頑張って手術に臨みたいと思います。

発症リスクの捉え方について

「発症リスクの数値が高いなと自分は感じたため」と表現しましたが、数値をどのように捉えるかは個人差があると思います。
卵巣がんであれば、50%くらいは発症する可能性があると説明を受けましたが、それならば50%くらいは発症しない可能性があると捉える方もいらっしゃると思います。
リスクが高いと感じるかはひとそれぞれなので、そのような表現を用いました。
結果、私は予防切除を選びましたが、予防切除を斡旋するためにこの記事を書いているわけではありません。
もし同じような状況の方が、悩んでいる最中でこちらを読んでくださったのならば、たくさん調べて、たくさん悩んで、たくさん主治医の先生と相談してみてください。
ご自身にとっていい選択ができますように!
この文章が少しでもその判断する素材になれたら、私は嬉しいです。

とっても長くなっちゃったので、今日はここまで。
ここまで読んでくださってありはとーございました🐦

※1:病院からいただいた資料はこちらです
「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)をご理解いただくために ver.2022_2」
JOHBOC 一般社団法人 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構

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